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{{簡易区別|[[マース川]]支流の[[ルーア川]]([[w:Rur|Rur]])}}
[[ファイル:Ruhr River.png|right|180px|thumb|ルール川の流路(東から西へ流れる)]]
'''ルール川'''(ルールがわ、Ruhr {{IPA-de|ru:ɐ̯|}}<ref>Duden Aussprachewörterbuch (Duden Band 6), Auflage 6, ISBN 978-3-411-04066-7</ref>)は、[[ドイツ]]の[[ノルトライン=ヴェストファーレン州]]を流れる[[ライン川]]右岸の[[支流]]<ref>{{Cite web |url = https://kotobank.jp/word/ルール川-151156 |title = ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説 |publisher = コトバンク |accessdate = 2018-05-13 }}</ref>で、全長217km、流域面積は4,485km²。[[ヨーロッパ]]最大の工業地域である[[ルール地方]]の名前の由来ともなった。ルール川下流の平均流量は、[[ミュールハイム・アン・デア・ルール|ミュールハイム]]の流量計で79m³/sで、流量ではライン川支流中5番目に大きな川である。
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[[ファイル:Ruhrquelle2.jpg|left|200px|thumb|ルール川の源流]]
===水源===
ルール川は、[[ザウアーラント高地]]高地、[[ロタール山地]]ルールコップフ山(標高696m)の北斜面に水源を持つ。高度約674mの地点で、ヴィンターベルク=エルケリンクハイムの北西約1.5km、[[ヴィンターベルク]]の北東3km、ノルトヘーレの南東4kmの場所である。
 
ルール川の水源は、ライン=ヴェーザー[[分水界]]に位置している。ルール川が西へ向かって流れ最終的にライン川へと流れ込むのに対して、ルールコプフ山の南東斜面に湧いたせせらぎはオルケ川に流れ込む。この川は、[[エーダー川]]、[[フルダ川]]を経て[[ヴェーザー川]]に合流する。
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[[ファイル:River-ruhr-essen-kettwig.jpeg|200px|thumb|エッセン付近を流れるルール川]]
===行程===
ルール川は、その水源から基本的に東から西に向かって流れている。流れはライン・シーファー山地に挟まれている。最初、流れはB480に沿って北に流れる。アルンスベルガー・ヴァルト自然公園のブルーフハウザー・シュタイネンの西側を過ぎ、[[オルスベルク]]付近で西に進路を変える。この町の背後は自然公園の高い山がそびえており、川が北へ流れるのを遮っている。メシェデをすぎたあたりからルール川はA46に沿って[[アルンスベルク]]を過ぎるまで西に流れる。西側のハールシュトラング丘陵のため北西に進路をとりヴィケーデで再び西に向かう。このあと30kmほど、[[ハーゲン]]と[[ドルトムント]]の間で最も大きな支流である[[{{仮リンク|レネ川]] (ライン川水系)|label=レネ川|de|Lenne (Ruhr)}}と合流する。これにより水流量は30m³/sから55m³/sと倍近くになる。{{仮リンク|ヴェッター (ルール)|label=ヴェッター|de|Wetter (Ruhr)}}付近ではアーデイ山地の影響で蛇行する。ハールシュトラング丘陵もアーデイ山地も小さな丘陵地であり、緩やかに北側の[[ヴェストフェーリシェ・ブフト]] ([[:de:Westfälische Bucht ]])へ下ってゆく。ルール川はルール地方の南部を西に向かって流れてゆく。
 
===河口===
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===ルール流域の町===
ルール川は以下の町を流れている。ヴィンターベルク、オルスベルク、ベストヴィヒ、メシェデ、アルンスベルク、エンゼ、ヴィッケーデ、フレンデンベルク、メンデン、ホルツヴィッケーデ、[[イーザーローン]]、シュヴェルテ、[[ドルトムント]][[ハーゲン]]、ヘルデッケ、ヴェッター、ヴィッテン、[[ボーフム]]、ハッティンゲン、[[エッセン]]、ミュールハイム・アン・デア・ルール、[[オーバーハウゼン]]、[[デュースブルク]]
 
==ルール川の意義==
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===交通===
ルール川の河口からミュールハイム・アン・デア・ルールのやや上流までは、[[{{仮リンク|連邦水路]]|de|Bundeswasserstraße}}のルール航行運河となっている。それよりも上流へは、エッセン=レリンクハウゼンまで地方水路となっており、深さ1.7m、全長38m、幅5.2mまでの船であれば航行できる。
 
この水路の意義は18世紀までは石炭を運ぶことにあった。ルール川の自然な状態で、航行できるのは、ルールオルトの河口からミュールハイム・アン・デア・ルールまでであった。14世紀にデュースブルク、ルールオルトとミュールハイムの水運が始まった。ミュールハイム地区の炭坑だけが、この安価な輸送路によって利を得た。周辺の小さな炭坑を結び、ミュールハイムにはルール地方で初めての石炭貯蔵庫が作られた。1750年頃には、ルール川はライン地方への石炭の輸送路として重要な役割を担った。石炭採掘の発展により、その石炭を、ゾーリンゲンやクローネンベルクといった消費地に運ぶ輸送路が必要となっていた。
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[[ファイル:Koepchenwerk.jpg|right|200px|thumb|ヘルデッケの揚水式水力発電所]]
===エネルギー供給===
ルール川は、その上流から発電にも用いられている。ルール川には数多くの、中には個人所有のものもあるが、[[水力発電]]所があり、その多くは、流路式水力発電である。たとえば、ヴィーメリンクハウゼン、オルスベルク、ヌトラー、アルフェルト、フェルメーデ、エーファースベルク、ハインリッヒスタール、ヴィルトハウゼン、アルンスベルク、ヴェストホフェン、ヴェッター、[[ヴィッテン]]といった発電所がある。ヘルデッケには、大規模な[[揚水発電|揚水式水力発電所]]がある。さらには石炭を用いた[[火力発電所]]の冷却水としてもルール川の水は利用されている。
 
===レクリエーション===
[[ファイル:Villa Hügel Front.jpg|right|200px|thumb|ヴィラ・ヒューゲルの正面]]
ルール渓谷、とりわけルール地方の人にとってはレクリエーションの場としても重要な役割を担っている。ルール川の堤防はおおむね、企業や建物にじゃまされない草地となっている。堤防に沿って多くのサイクリングロードや遊歩道が整備されている。ルール川の一部では船を使った旅行も可能である。ルール川の人造湖は、ヘンクシュタイゼー湖、ハルクオルトゼー湖、ケムナダー湖、バルデナイゼー湖、ケットヴィガー湖]があり、[[ミュールハイム・アン・デア・ルール]]にルール遊覧船ヴァイセン・フロッテの起点となるヴァッサーバーンホフ(水の駅)がある。人造湖は、特に夏にはルール地方の[[ローラースケート|インラインスケート]]のゴール地点となっている。
 
ルール川に沿って、全長240kmのルールヘーヘンヴェグと名付けられたトレッキングコースがザウアーラント登山愛好会によって整備されており、水源から河口まで歩くことができる。