「ゴジラ (1954年の映画)」の版間の差分

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東宝特撮メカニック大全より加筆。
オール東宝怪獣大図鑑より加筆。
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こうして本作用に作られたミニチュアの総数は、当時の映画技術誌での発表によると、「建物500軒」「戦車10台」「大砲10門」「飛行機50機」「テレビ塔・高圧送電塔10基」「船舶20隻」「自動車18台」と膨大なものだった。本作の制作時にはまだ東宝に特撮専用のステージはなく、不十分な広さを補うために町並みのセットにはパースをつけ、手前から奥へ向かって徐々に低く造られた。「松坂屋」のセットも同様である。
 
[[国会議事堂]]の破壊シーンでは、実物がゴジラと同じ高さ(50メートル)なので、ゴジラの巨大さを表現するため、33分の1に縮小したミニチュアが作られた{{R|5499超全集73|ALL22}}。ゴジラの壊す[[日本劇場]]のミニチュアには、スタッフのお遊びで、『美女とゴジラ』と題した映画看板がかけられている{{R|ALL24}}。銀座和光ビルの時計塔は本番でうまく壊れなかったため、作り直して再撮影を行っている。
 
ゴジラの吐く「白熱光」で溶け落ちる高圧鉄塔について、井上泰幸らは「円谷監督の指示で、[[蝋]]を用いて作った」と語っているが、有川は「使ったのは[[鉛]]で、蝋や[[飴]]で作ったとか、なんでそんな話になってるのかわからない」と語っており<ref>『ゴジラの逆襲』DVDより。</ref>、美術スタッフと撮影スタッフで証言が食い違っている。なお、本多は「蝋と鉛を混ぜて作った」と語っている<ref>『オール讀物:1992年2月号』井上ひさしとの対談より{{Full|date=2020年9月}}。</ref>。
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主要襲撃地点は[[小笠原諸島]]の大戸島(架空の島)、[[東京特別区]]。2度目の襲撃時のルートは、芝浦岸壁 - [[札の辻]] - 田町駅前 - [[新橋 (東京都港区)|新橋]] - [[銀座]][[中央区の町名 (東京都)#旧京橋区の町名|尾張町]] - 銀座4丁目([[松坂屋]]) - [[数寄屋橋]] - [[国会議事堂]] - [[平河町]] - [[上野]] - [[浅草]] - [[隅田川]] - [[勝鬨橋]] - [[東京湾]]{{Efn|この進行ルートを昭和20年3月の「[[東京大空襲]]」の[[B-29 (航空機)|B-29]][[アメリカ軍|米軍]]機の[[空襲|爆撃]]ルートとする解釈を、ミステリー・特撮研究家の野村宏平は自著『ゴジラと東京』において、映像と公開当時の地図から考察した上で否定している<ref>{{Cite book |和書 |author = 野村宏平 |year = 2014 |title = ゴジラと東京 怪獣映画でたどる昭和の都市風景 |pages = 17 - 38 |publisher = [[一迅社]] |isbn = 978-4-7580-1397-0}}</ref>。}}{{efn|ただし、上野から浅草を経て隅田川まで達する場面は劇中にはなく、テレビの実況アナウンサーの台詞で処理されている。}}。
 
ゴジラが劇中で銀座[[和光 (商業施設)|和光ビル]]の時計塔を壊すシーンがあるが、梶田興治によると、和光本社はこれに激怒し、以後2年間ほどは東宝の一切のロケ使用を許可しなかったそうである。梶田によると映画を観た後、本当に銀座和光ビルが壊されたかどうか、確かめに来る人たちがいたという{{R|ALL20}}。また、ゴジラの白熱光で炎上する[[松坂屋]]の社長は、「縁起でもない」と怒り狂ったという{{R|ALL24}}。『キングコング対ゴジラ』のオーディオ・コメンタリーによればこの件でしばらく銀座出入り禁止になったらしい。
 
大戸島の台風のシーンでは、本作のために作られた、トラックのエンジンにセスナのプロペラをつけた特製の大型扇風機が使われている。合成シーンで使われた[[オプチカル・プリンター]]は、円谷が戦前に自作した手動式のものだった。合成技師の[[向山宏]]によると、「旧式だが使いやすかった」という。ゴジラが初めて出現するシーンなどの合成は、カメラレンズに黒紙のマスクを張って現場でマスク処理する「生合成」だった。白黒映画で鮮明な画面となる「生合成」は、非常に熟練を必要とする、ベテランの向山ならではの技法であり、向山は一度フィルムが引っ掛かって失敗した以外、すべて成功させて見事な合成画面を実現させている。
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<ref name="東宝特撮映画大全集7">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=7|loc=「『ゴジラ』撮影秘話」}}</ref>
<ref name="東宝特撮映画大全集36">{{Harvnb|東宝特撮映画大全集|2012|p=36|loc=「撮影秘話-特別編- 東宝特撮映画とその海外進出1 『榮光のかげに』から『ゴジラ』へ」}}</ref>
<ref name="ALL20">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=20-21|loc=「『ゴジラ』」}}</ref>
<ref name="ALL22">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=22-23|loc=「『ゴジラ』」}}</ref>
<ref name="ALL24">{{Harvnb|オール東宝怪獣大図鑑|2014|pp=24-25|loc=「『ゴジラ』」}}</ref>
<ref name="俳優大図鑑">{{harvnb|初代ゴジラ研究読本|2014|p=106-117}}「オール初代ゴジラ 俳優大図鑑」</ref>
<ref name="大辞典33">{{Harvnb|大辞典|2014|p=33|loc=「COLUMN01 ゴジラの原作」}}</ref>
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* {{Cite book|和書|others=執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし|title=東宝特撮映画大全集|date=2012-09-28|publisher=[[ヴィレッジブックス]]|isbn=978-4-86491-013-2|ref={{SfnRef|東宝特撮映画大全集|2012}}}}
* 洋泉社MOOK 別冊[[映画秘宝]]([[洋泉社]])
** {{Cite book |和書|yeardate= 2014-04-27|title= 初代ゴジラ研究読本オール東宝怪獣大図鑑|publisher =洋泉社|series = 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝|isbn = 9784800304520978-4-8003-0362-2|ref= {{SfnRef|研究読本オール東宝怪獣大図鑑|2014}}}}
** {{Cite book|和書|date=2014-08-24|title=初代ゴジラ研究読本|publisher=洋泉社|series=洋泉社MOOK 別冊映画秘宝|isbn=978-4-8003-0452-0|ref={{SfnRef|初代ゴジラ研究読本|2014}}}}
** {{Cite book|和書|date=2018-06-14|title=オール東宝メカニック大図鑑|publisher=洋泉社|series=洋泉社MOOK 別冊映画秘宝|isbn=978-4-8003-1461-1|ref={{SfnRef|オール東宝メカニック大図鑑|2018}}}}
* {{Cite book|和書|editor=野村宏平 編著|title=ゴジラ大辞典【新装版】|date=2014-08-07|origdate=2004-12-05|publisher=[[笠倉出版社]]|isbn=978-4-7730-8725-3|ref={{SfnRef|大辞典|2014}}}}