「職業紹介事業」の版間の差分

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'''職業紹介事業'''(しょくぎょうしょうかいじぎょう, Employment Agent Service)、'''職業仲介事業'''とは、[[就職労働市場]]において[[転職]]・[[日]]アルバイトやパートの仲介を行う事業の行政における呼称である。一般的には'''人材紹介'''、'''転職エージェント'''と呼ばれている。隣接する事業に、[[労働者派遣事業]]がある。
 
国際労働条約181号では、民間の職業紹介事業を以下に分類している。
 
*求人と求職とを結び付けるためのサービス
* [[労働者派遣事業]]
* 最も代表的な労使団体との協議の上、権限ある機関が定める求職関連サービス
 
[[日本]]においては、[[厚生労働大臣]]の許可を受けた職業紹介事業者が、転職を希望する[[就職活動|求職]]者と[[労働者]]を求める企業(求人者)との仲介を行って、双方の要求を満たすような転職の実現を目的とする[[サービス業|サービス]]を提供する、とされる。
企業([[求人]])側は、戦力となる労働者を「人材」もしくは「人財」と呼称することが多く、「職業紹介事業」という表現よりもむしろ「'''人材紹介'''」という言葉のほうがはるかに一般的である。
 
== 国際労働条約 ==
以下、日本における職業紹介事業について解説する。
[[国際労働条約]]181号では、民間職業仲介事業所を3つに分類し、これを許可・認可制にすることを求めている。日本はこれに批准している。
 
{{Quotation|
第一条1 この条約の適用上、「民間職業仲介事業所」とは、公の機関から独立した自然人又は法人であって、労働市場における次のサービスの一又は二以上を提供するものをいう。
: (a) 求人と求職とを結び付けるためのサービスであって、民間職業仲介事業所がその結果生ずることのある雇用関係の当事者とならないもの
: (b) 労働者に対して業務を割り当て及びその業務の遂行を監督する自然人又は法人である第三者(以下「利用者企業」という。)の利用に供することを目的として労働者を雇用することから成るサービス
: (c) 情報の提供等求職に関連する他のサービスであって、特定の求人と求職とを結び付けることを目的とせず、かつ、権限のある機関が最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議した上で決定するもの
 
第三条
# 民間職業仲介事業所の法的地位については、国内法及び国内慣行に従い並びに最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議した上で決定する。
# 加盟国は、許可又は認可の制度により、民間職業仲介事業所の運営を規律する条件を決定する。ただし、そのような条件が適当な国内法及び国内慣行によって別途規制され又は決定されている場合は、この限りでない。
 
第七条
#民間職業仲介事業所は、労働者からいかなる手数料又は経費についてもその全部又は一部を直接又は間接に徴収してはならない。
# 権限のある機関は、関係する労働者の利益のために、最も代表的な使用者団体及び労働者団体と協議した上で、特定の種類の労働者及び民間職業仲介事業所が提供する特定の種類のサービスについて1の規定の例外を認めることができる。
# 2の規定に基づいて例外を認めた加盟国は、国際労働機関憲章第二十二条の規定に基づく報告において、その例外についての情報を提供し及びその理由を示す。
 
| [https://www.ilo.org/tokyo/standards/list-of-conventions/WCMS_238998/lang--ja/index.htm 1997年の民間職業仲介事業所条約(第181号)] }}
 
==概要日本==
根拠法は[[職業安定法]]である。同法第4条において「職業紹介とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることをいう。」と定義されている。そのほか、日本は民間の職業紹介事業の[[国際労働機関|ILO]]181号条約([http://www.ilo.org/public/japanese/region/asro/tokyo/standards/st_c181.htm 1997年の民間職業仲介事業所条約(第181号)])に批准している。なお、民間職業仲介事業所に関する条約においては「千九百四十八年の職業安定組織条約の規定に留意」することが求められており、民間職業紹介事業を行う国においては、国が事業を行う職業紹介機関(いわゆる公共職業安定所、ハローワーク)があること前提にしている。また、このサービスを提供し対価を得る業者は、同法上「'''有料職業紹介事業者'''」と呼ばれ、一般においては「'''人材紹介'''」などと呼ぶこともある。
 
;補足
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市場規模としては、定義により異なるが、矢野経済研究所は、ホワイトカラー人材紹介の市場規模を、2009年に670億円としている<ref>[http://www.yano.co.jp/press/pdf/691.pdf 矢野経済研究所『人材ビジネスの現状と展望2010』]による。</ref>。
 
====許可番号====
許可された事業者には13-ユ-30**45のような許可番号が付与される。頭の2桁の数字は都道府県コードで、東京都なら13で始まる。その次には有料事業なら「ユ」、無料なら「ム」。その後の6桁の数字が事業者固有の番号で、[[2004年]][[3月1日]]以降の許可は300001から始まる通し番号となっている。
{{節スタブ}}<!--2004年2月以前の付番ルールの記載をお願いします-->
 
===分野===
主に、各種技術系[[エンジニア]]・研究者や[[経営]]全般、[[法務]]、[[財務]]など社業の[[マネジメント]](社業一切を任せる社長の例もある)といった職種に利用されており、これらは、初期から、民間による職業紹介事業で扱われている。「人材バンク」や「転職エージェント」などと呼ぶ場合、この分野の職業紹介事業を指すことが多い。人材紹介に関するエージェントフィーは年俸の3割程度と高額であることから早期離職の場合(例えば半年以内など)はフィーを返還するなどの措置を設けている事業者が多い。
 
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なお、職業安定法第33条の12の規定により、港湾運送業務([[港湾労働法]]第2条第2号に規定する港湾運送の業務又は同条第1号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として厚生労働省令で定める業務をいう)、建設業務(土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいう)は紹介が禁じられている。同条では「その他有料の職業紹介事業においてその職業のあつせんを行うことが当該職業に就く労働者の保護に支障を及ぼすおそれがあるものとして厚生労働省令で定める職業」も禁止対象だが、これについては2020年1月現在、省令で定められていない。
 
===職業紹介の利点===
{{出典の明記|date=2013年5月|section=1}}
職業紹介は、次のような利点があると主張されている。
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**小規模な紹介会社は求人案件が少ないが、クライアントと濃密な関係を構築していることが多く、こうした紹介会社を経由した方が応募先企業の情報量が多く、かつ正確である場合が多い。
 
===その他の特徴===
{{独自研究|section=1|date=2013年5月}}
====紹介担当者====
*転職希望者に対して、特定の紹介担当者がつく仕組みになっている場合と不特定の担当者が求人企業の紹介ごとに連絡をする場合の二通りがある。転職希望がかなうか、転職をあきらめるかのいずれかの状態になるまで、転職希望者に求人を紹介し続ける。しかし、転職活動開始後、内定を取れない状態が長く続くと、特定の紹介担当者の方式を採っている場合は、紹介担当者が別の人に変わるケースもある。
*人材紹介会社によって違いがあるが、紹介担当者のことを「コンサルタント」と呼称する<ref>[http://www.jesra.or.jp/service/index.html 人材紹介事業協会ホームページ]</ref>。
 
====転職希望者から見た場合====
*転職希望者から見た場合、実際には商品のように扱われていると感じられることが多い。
*求人者・求職者が複数の紹介事業者に登録している場合、求職者が複数の紹介事業者から同じ求人者を紹介されることがあり、各紹介事業者との調整が必要になる場合もある。
 
===職業紹介と転職ポータル===
職業紹介事業者も自社の[[ウェブサイト]]を運営していることが多いが、転職情報サイトと異なり、サイト上で検討〜応募までの過程が完結することはない。一般的には、予備登録として、氏名や住所、生年月日などの個人情報や、経歴情報の入力・管理などをサイト上で行い、実際の案件の紹介は職業紹介事業者の担当者と面談の上で行われる場合が多い。
 
<!--=== 事業者例 ===
※一般に「人材紹介」などと呼ばれる事業者を挙げる。人材派遣や紹介予定派遣を主体とする事業者は割愛。その他芸能や看護師などの紹介事業者については、社団法人全国民営職業紹介事業協会のサイトからたどっていただきたい。
 
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[[フルキャストホールディングス]]の子会社である、「[[フルキャスト (人材派遣会社)|フルキャスト]]」に於いても、[[スポット派遣]]事業(いわゆる[[日雇い]])を[[2009年]][[9月30日]]までに廃止する代わりに、派遣先であるクライアントのデマンドに波が生じる部分における30日以内の短期労働については、'''「職業紹介」'''に転換し、労働者派遣は主に3ヶ月以上の長期のものや紹介予定派遣を除き取りやめる方針を明らかにしている。すでに、有料職業紹介事業者の認可自体は取得している。また、近年では、これ以上派遣期間を延長できない場合になった際に、派遣先への直接雇用形態に切り替える際のワンクッションとして行うケースとして行う形式が多く、必ずしも紹介予定派遣を前提にしているとは限らない形が見られる。-->
=== 脚注欄 ===
<references/>
 
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*[http://www.mhlw.go.jp/general/seido/index.html#anteikyoku 厚生労働省・職業安定局]
* [http://www.jinzai-sougou.go.jp/ 厚生労働省職業安定局 人材サービス総合サイト (会社名や各種届出番号、行政処分の検索)]
 
{{就業}}
 
{{Normdaten}}
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[[Category:人材紹介機関|*]]
[[Category:労働に関するメディア]] <!-- 関連で入れる -->
 
{{就業}}