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==各教派での習慣==
=== カトリック ===
[[File:BentoXVI-30-10052007.jpg|150px|thumb|[[ローマ教皇]][[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]] ]]
[[ローマ・カトリック]]教会では、ペクトラまたはクルス・ペクトラーリス(ラテン語:crux pectoralis)と呼び、[[教皇]]、[[枢機卿]]、[[大司教]]と[[司教]]が着用する。また、教皇の許可を受けて、[[修道院長]]や大聖堂付きの[[律修司祭]]に着用の特権が与えられることがある。
ペクトラルクロスは日常、宗教行事中ともに着用される。キャソックを着用している場合には、首から下げた十字架をフロントボタンに固定する。付属の紐は絹製で、階位により色が指定されており、教皇は金、枢機卿は赤と金、大司教・司教は緑と金を用い、男性の修道院長は黒と金、女性修道院長と大聖堂付き律修司祭は黒のコードを用いる。
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[[イングランド教会]]を起源とする[[聖公会]]でもペクトラルクロス着用の習慣が継承されているが、通常は[[主教]]に限定されている。また、聖公会で使用されるものは、通常コルプス(十字架上のイエス像)は用いられない。主教の石と呼ばれて、指輪等の装飾に用いられてきた[[アメジスト]]などの貴石・半貴石が使用されていることもある。カトリックと異なり、十字架をつるす階位ごとの紐の区別はなく、金属製のチェーンなどが用いられるが、一部の教区には伝統的にカトリック時代の着用方法を継続している場合もある。
聖公会では主教以外の聖職者が十字架を首から下げて用いることもしばしば見受けられるが、主教と混同されないように小型のものを用いる。
[[2009年]]にバチカンで行われたローマ教皇[[ベネディクト16世 (ローマ教皇)|ベネディクト16世]]と[[カンタベリー大主教]][[ローワン・ウィリアムズ]]の会合の際、教皇からカンタベリー大主教にペクトラルスタッフが贈られた。イングランド教会の独立以降、カトリックは同教会による聖職制度と正当性を否認してきたが、十字架の授与により、教皇がカンタベリー大主教を『司教』として認識したことを示すものと解釈する主張も見られた。