「メタコメット」の版間の差分

'''メタコメット'''（Metacomet、[[1639年]] - [[1676年]][[8月12日]]）とは、[[インディアン|アメリカ・インディアン]]の[[ワンパノアグ|ワンパノアグ族]]の[[酋長]]で、'''メタコム'''（Metacom）あるいは、白人から'''フィリップ王'''（King Philip's）とも呼ばれた。

「フィリップ王」との呼び名は、[[マケドニア王国]]の[[ピリッポス2世 (マケドニア王)|ピリッポス2世]]から肖あやかったもの。兄の[[ワムスッタ]]も同じようにマケドニアの[[アレクサンドロス3世]]から採って「アレキサンダー」と呼ばれている。[[アルゲアス朝|マケドニア]]の2人の古代王を記念して、この2人の酋長につけたあだ名である。

メタコメットは「'''[[フィリップ王戦争]]'''」を引き起こした[[インディアン]]の[[酋長]]として白人に知られているが、これは白人の誤解である。インディアンの社会は[[合議制]]の上に成り立っており、誰か一個人が強大な権力を持って部族を統率するような[[独任制]]ではない。メタコメットはあくまで「[[酋長]]」（調停者）であって、「[[首長]]」でも「部族長」でも「王」でもない。インディアンの社会に王はいないのである。

メタコメットは酋長（調停者）として申し分のない働きをした。飢えや病気で苦しんでいた「[[ピルグリムファーザーズ]]」（[[プリマス (マサチューセッツ州)|プリマス]]に入植した[[イギリス]]白人）に食糧を与えてその命を救った、有名なワンパノアグ族の[[マサソイト]][[酋長]]の次男であり、メタコメット本人も[[1621年]]にピルグリムファーザーズと友人になった。また、兄は[[ワムスッタ]]（ワムサダ、白人からアレキサンダーとも呼ばれていた）酋長である。