「イスラエル人」の版間の差分

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==概要==
イスラエルは[[多民族国家]]であり、さまざまな民族的・国家的背景を持った人々がいる。多くは[[ユダヤ人]]であるが、その他[[ムスリム|イスラム教徒]]、[[キリスト教徒]]、[[アラブ人]]、などがいる。結果として、イスラエル人の中には彼らの国民性を民族性としてとらえず、国籍と祖先に求める人々もいる。ほぼすべてのイスラエル人とその先祖はこの200年ほどの間にこの地域に移住してきたのである。「イスラエル人」という場合、実際的にはそれはイスラエルの[[国籍]]を持つ人々であり、る。その中にはユダヤ人([[ユダヤ教]]を信仰とする人々(ユダヤ人、ユダヤ教徒)、アラブ人、[[キリスト教徒]]も含まれる。その結果、それぞれの立場はバラバラであり、それぞれが「イスラエル人」をどう定義したいか、感情的な見解は分かれており、「イスラエル人」を、あくまで国籍で判断する人、祖先で判断する人々、どこまでも[[ユダヤ教]]にこだわって自民族以外を[[差別]]的にとらえたがる人々、実態として長年に渡りイスラエルに定住している人々、などさまざまである。見解はバラバラなのである。
 
イスラエルの民族分類は「レオーム(ヘブライ語:[[:he:אומה]], leōm)」と呼ばれるが、「ユダヤ人」「[[ベドウィン]]人」「アラブ人」「[[チェルケス人]]」「[[ドゥルーズ派|ドゥルーズ]]人」の5者を主要な分類としており、5者に当てはまらない場合はそれぞれの出身国・地域名が記載される。従って、「[[ドイツ人]]」「[[日本人]]」はあり得るが、'''民族としての「イスラエル人」は存在しない'''ことになる。1970年、ゲオルグ・ラファエル・タマリン(Georges Raphael Tamarin)は「レオーム」を「ユダヤ人」から「イスラエル人」に変更する申請を行ったが、内務省に却下された。タマリンは最高裁判所まで争ったが、[[1972年]]、最高裁は「イスラエルはユダヤ人国家であり、ユダヤ人と分裂したイスラエル人は存在しない。原告はユダヤ人の責務を果たしていない」と判断を下し、タマリンは敗訴した<ref>[http://nakbafiles.org/wp-content/uploads/2016/12/tamarin-english.pdf Georges Raphael Tamarin v. the State of IsraelAt the Supreme Court Sitting as the Court for Civil Appeals(20.1.72)] - イスラエル最高裁(The Nakba Filesによる保存){{en icon}}</ref><ref>[https://lib.ohchr.org/HRBodies/UPR/Documents/Session15/IL/Revision/BADIL Resource Center_UPR17_ISR_E_Main.docx Universal Periodic Review (UPR) - Israel Report submitted on 30 September 2013 by BADIL Resource Center for Palestinian Residency and Refugee Rights] - [[国際連合人権高等弁務官事務所]] {{en icon}}</ref>。
 
また、主要5者に当てはまらない外国出身者は出生時の国名(または本人の申告した地域名)が記載される。このため、[[ドイツ再統一]]以前の[[東ドイツ]]出身者は、現在でも「東ドイツ人」と記載されている<ref>[[シュロモー・ザンド|シュロモー・サンド]]『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたか』 ちくま学芸文庫 2017年 p594</ref>。
 
== 人口 ==
ある資料では、2013年時点で800万人ほどとされた<ref name="CBS_month_pop">[http://www.cbs.gov.il/www/hodaot2013n/11_13_097e.pdf], Monthly Bulletin of Statistics, [[Israel Central Bureau of Statistics|CBS]]</ref>。
{{節スタブ}}
 
イスラエルの人口に関しては非常にややこしい問題があり、イスラエル政府側が[[侵略]](軍事的に侵攻して実効支配)し、イスラエル政府側が「ここはイスラエルの一部だ」と主張した場所に、もともと住んでいる人々まで、「イスラエル人」の統計数に、含めるのか? 含めないのか?、という問題が常につきまとう。イスラエル政府の政治・宗教的な主張はあくまで政治・宗教的な主張でしかなく、実態は別にあるからである。最近までパレスチナの地とされ、千年以上前から先祖伝来の場所であったはずの場所で住み続けている[[パレスチナ人]]で、突然、イスラエルに侵略されてユダヤ人に取り囲まれた人々を、「イスラエル人」とカウントするのか? しないのか? しないのなら、一体彼らをどこの国の人とカウントするのか? 侵略されてしまった人々をまるでこの世に存在しないかのように無視・黙殺するのか? という問題がつきまとうのである。世界を見渡すと他の国でもそのような侵略問題を起こし国民数の計数に影響する国はそれなりの数ありはするが、イスラエルは、特に国土に対するそうした場所(侵略地)の比率がとてつもなく大きく、しかも日々侵略が行われていて「現在進行形」なので、特に大きな問題となりうるのである。
 
== 民族分類 ==
イスラエルにおける民族分類は「レオーム(ヘブライ語:[[:he:אומה]], leōm)」と、現地のヘブライ語の用語・概念では呼ばれているが、「ユダヤ人」「[[ベドウィン]]人」「アラブ人」「[[チェルケス人]]」「[[ドゥルーズ派|ドゥルーズ]]人」の5者を主要な分類としており、5者に当てはまらない場合はそれぞれの出身国・地域名が記載される。従って、この用語・概念は、<u>民族としての「イスラエル人」は存在しない</u>、と決めていることになる。
 
また、主要5者に当てはまらない外国出身者は出生時の国名(または本人の申告した地域名)が記載される。このため、[[ドイツ再統一]]以前の[[東ドイツ]]出身者は、現在でも「東ドイツ人」と記載されている<ref>[[シュロモー・ザンド|シュロモー・サンド]]『ユダヤ人の起源 歴史はどのように創作されたか』 ちくま学芸文庫 2017年 p594</ref>。
 
;イスラエル裁判所による、民族分類に関する、政治・宗教的判断
イスラエルの民族分類は「レオーム(ヘブライ語:[[:he:אומה]], leōm)」と呼ばれるが、「ユダヤ人」「[[ベドウィン]]人」「アラブ人」「[[チェルケス人]]」「[[ドゥルーズ派|ドゥルーズ]]人」の5者を主要な分類としており、5者に当てはまらない場合はそれぞれの出身国・地域名が記載される。従って、「[[ドイツ人]]」「[[日本人]]」はあり得るが、'''民族としての「イスラエル人」は存在しない'''ことになる。1970年、ゲオルグ・ラファエル・タマリン(Georges Raphael Tamarin)は「レオーム」を「ユダヤ人」から「イスラエル人」に変更する申請を行ったが、内務省に却下された。タマリンは{{仮リンク|イスラエル最高裁判所|en|https://en.wikipedia.org/wiki/Supreme_Court_of_Israel}}まで争ったが、[[1972年]]、最高裁は「イスラエルはユダヤ人国家であり、ユダヤ人と分裂したイスラエル人は存在しない。原告は[[ユダヤ人]]の責務を果たしていない」と判断を下し(と主張をし)、タマリンは敗訴した<ref>[http://nakbafiles.org/wp-content/uploads/2016/12/tamarin-english.pdf Georges Raphael Tamarin v. the State of IsraelAt the Supreme Court Sitting as the Court for Civil Appeals(20.1.72)] - イスラエル最高裁(The Nakba Filesによる保存){{en icon}}</ref><ref>[https://lib.ohchr.org/HRBodies/UPR/Documents/Session15/IL/Revision/BADIL Resource Center_UPR17_ISR_E_Main.docx Universal Periodic Review (UPR) - Israel Report submitted on 30 September 2013 by BADIL Resource Center for Palestinian Residency and Refugee Rights] - [[国際連合人権高等弁務官事務所]] {{en icon}}</ref>。
 
==脚注==