「聖書の暗号」の版間の差分

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[[File:Bible code in Exodus 1,1-6.jpg|280px|right|thumb|[[出エジプト記]]1章1-6節。1909年のキッテル版[[ビブリア・ヘブライカ]](BHK)。最初の節の最初の''タヴ''から50文字離れた4文字が、単語<span style="font-size: larger;">תורה</span>(''[[トーラー]]'')を形成する。]]
 
'''聖書の暗号'''(せいしょのあんごう、{{lang-en-short|Bible code}}、{{lang-he|הצופן התנ"כי}})、別名'''バイブル・コード'''、または'''トーラー・コード'''とは、[[ヘブライ語]]の[[トーラー]]のテキストの中に暗号化された、一連の{{仮リンク|秘密のメッセージ|en|Cipher}}とされるものである。この隠された暗号は、別の見えないメッセージを明らかにするために、テキストから特定の文字を選択できるようにするための方法といわれている。聖書の暗号は何世紀にもわたって想定、研究されてきたが、現代では{{仮リンク|マイケル・ドロズニン|en|Michael Drosnin}}の著書『{{仮リンク|聖書の暗号 (本)|en|The Bible Code (book)|label=聖書の暗号}}』と、映画『[[CODE:0000 コード:ゼロ]]』("''The Omega Code''")によってこのテーマが一般に普及した。
 
これまでに多くの例が文書化されている。よく引き合いに出される例は、[[創世記]]の最初の''タヴ''(<span style="font-size: larger;">ת</span>)から50文字ごとの文字を並べると、ヘブライ語の「[[トーラー]]」の綴りになるというものである。これと同じことが[[出エジプト記]]でも起こる。現代のコンピューターは、同様のパターンやより複雑な異綴語の検索、およびその統計的[[尤度関数|尤度]]の定量化のために使用されている。
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==概要 ==
 
1994年にウィッツタム(Doron Witztum)、{{仮リンク|エリヤフ・リップス|en|Eliyahu Rips|label=リップス}}(Eliyahu Rips)、およびローゼンバーグ(Yoav Rosenberg)が科学雑誌『''{{仮リンク|Statistics Science|en|Statistics Science}}''』に「''Equidistant Letter Sequences in the Book of Genesis''」(創世記における等距離文字列)という論文を発表すると<ref name="WRR">{{cite journal |author1=Doron Witztum |author2=Eliyahu Rips |author3=Yoav Rosenberg | title = Equidistant letter sequences in the Book of Genesis | journal = Statistical Science | volume = 9 | year = 1994 | issue = 3 | pages = 429?38 | doi = 10.1214/ss/1177010393|citeseerx=10.1.1.495.9620 }}</ref>、ある特定の[[ステガノグラフィー]]の手法に関する議論と論争が広まった。「挑戦的なパズル」として雑誌に提示されたこの論文は、有名な[[ラビ]]に関する経歴が、ラビが生きる何世紀も前の創世記のテキストの中に暗号化されているという強力な統計的証拠を示した{{citation needed|date=November 2019}}。
 
それ以来、「聖書の暗号」は、このELS方式によって暗号化された情報を指す言葉として一般的に使用されてきた。
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=== その他の実験 ===
 
有名なラビの名前を出生と死の場所(日付ではなく)と照合させる別の実験は、1997年に[[アメリカ国家安全保障局]]の元上級[[暗号理論]]数学者であるハロルド・ガンスによって行われた<ref>{{cite web|url=http://www.torahcode.net/people/gans.shtml|title=Kabbalah, Torah, and Torah Codes -- People|website=www.torahcode.net|accessdate=19 November 2019}}</ref>。またしても結果は意味のあるものと解釈され、偶然以上の結果を示唆していた<ref>{{cite web|url=http://www.torah-code.org/controversy/gans_statement.pdf|title=PUBLIC STATEMENT BY HAROLD GANS|publisher=|accessdate=19 November 2019}}</ref>。これらの聖書の暗号は、主にアメリカのジャーナリスト、{{仮リンク|マイケル・ドロズニン|en|Michael Drosnin}}によって一般に知られるようになり、彼の著書、『{{仮リンク|聖書の暗号 (本)|en|The Bible Code (book)|label=聖書の暗号}}』(1997年、[[サイモン&シュスター社]])は多くの国でベストセラーとなった。リップスは、ドロズニンの著作や結論を支持しないという公式声明を発表した<ref>{{cite web |url=http://www.despatch.cth.com.au/Articles_V/Torah_Extracts.htm |title=Public Statement by Dr. Rips on Michael Drosnin's theories |publisher=despatch.cth.com.au|accessdate=19 November 2019}}</ref>。ガンスも、トーラーの中の暗号は未来の出来事を予知するために用いることができるという本の中の発言について、「これは完全に事実無根である。その意見には何の科学的また数学的根拠もなく、そのような結論に至る理由は論理的に欠陥がある。」と述べている<ref>{{cite web|url=http://www.skepdic.com/bibcode.html|title=Bible Code - The Skeptic's Dictionary - Skepdic.com|website=www.skepdic.com|accessdate=19 November 2019}}</ref>。
 
2002年、ドロズニンは同じテーマに関する2冊目の本、『聖書の暗号2』(''Bible Code II: the Countdown'')を出版した。ユダヤ人の奉仕団体{{仮リンク|アイシュ・ハ=トーラー|en|Aish HaTorah}}は、発見セミナーで聖書のコードを用いて、世俗のユダヤ人にトーラーの神性を説き、伝統的な正統派の教えを信じるよう促している。聖書の暗号の技術の使用は、特に米国の特定のキリスト教サークルにも広がっている。初期の主な支持者は、[[メシアニック・ジュダイズム|メシアニック・ジュー]]の{{仮リンク|ヤコフ・ラムセル|en|Yakov Rambsel}}と{{仮リンク|グラント・ジェフリー|en|Grant Jeffrey}}だった。別の聖書の暗号の技術は、1997年にキリスト教徒のディーン・クームスによって開発された。さまざまな[[ピクトグラム]]が、ELSを使用した単語とテキストによって形成されると主張されている<ref>{{cite web |url=http://www.bible-codes.org |title=Bible Code Pictograms Bible Codes that form images that predict the future |publisher=bible-codes.org |accessdate=19 November 2019}}</ref>。