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[[File:Píer Mauá.jpg|thumb|300px|[[2014 FIFAワールドカップ|2014年サッカーワールドカップ]]と[[2016年リオデジャネイロオリンピック|2016年オリンピック]]に向けて再開発されたリオデジャネイロの港湾地区。[[VLT]](左)は2016年開業。]]
'''オリンピック・レガシー'''({{lang-en-short|Olympic legacy}})とは、[[オリンピック]]開催後に残る有形無形のもの<ref>{{citation|url=https://www.iso.org/obp/ui/#iso:std:iso:20121:ed-1:v1:en|title=ISO 20121:2012, Event sustainability management systems – Requirements with guidance for use|publisher=[[国際標準化機構]]}}</ref>。オリンピックのような大規模な競技大会は開催地に長期的な影響をもたらす。
 
== 負のレガシー ==
レガシーには、よい影響ばかりでなく、悪い影響を与える「負のレガシー」もある。[[2004年アテネオリンピック|2004年に夏季オリンピックを開催]]した[[ギリシャ]]は、その後[[ギリシャ財政危機|財政難]]に陥り、大会で使用された競技施設のほとんどが活用されず荒廃している<ref name="baseball">{{Cite book|和書|author1=監修/稲葉茂勝|author2=文/大熊廣明|year=2015|title=時代背景から考える日本の6つのオリンピック|volume=3)2020年東京大会|pages=18-19|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]|isbn=978-4583108902}}</ref>。
 
== 立案の重要性 ==
[[オリンピック]]の開催を招致する都市は、開催によるレガシー創出の具体的なプランを[[国際オリンピック委員会]](IOC)に提出する。これは2002年、IOCが[[オリンピック憲章]]に「To promote a positive <ins>legacy</ins> from the Olympic Games to the host cities and countries(オリンピックの開催都市ならびに開催国に、よい[[遺産]]を残すことを推進する)」と書き加えたことによる<ref>{{Cite book|和書|author1name=監修/稲葉茂勝|author2=文/大熊廣明|year=2015|title=時代背景から考える日本の6つのオリンピック|volume=3)2020年東京大会|page=18|publisher=[[ベースボール・マガジン社]]|isbn=978-4583108902}}<"baseball"/ref>。その意図するところは、オリンピック開催にともない整備した[[インフラストラクチャー]]を無駄にすることなく(物理的意義)、オリンピックを体感した若い世代の豊かな[[人間性]]の醸成を促す(精神的意義)ことにある。
 
[[2012年ロンドンオリンピック]]大会関係者の談として、「有形無形の社会変化(レガシー)は大会時に突然生まれるものではない。事前にどれだけ人々の関心や機運を高め、機会を最大限生かすかで、その成果は大きく変わってくる」としている<ref>[[読売新聞]] 2016年11月1日</ref>。巨額の資金を投入して大会を開催する以上、オリンピックが単なる一過性の祭りに終わったり、建設した施設が有効利用されず維持費のかかる荷物になったりしないよう、招致活動のスタート時から立候補都市はレガシーのための施策が問われることになる{{Sfn|間野義之|2013|p=36}}。