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== あらすじ ==
前作から5年。関東最大の[[暴力団]]・山王会は二代目会長となった'''加藤稔'''(三浦友和)と、若頭にまで成り上がった元・大友組の金庫番だった'''石原秀人'''(加瀬亮)による新体制の下、今や国政に影響力を及ぼすほどの勢力を政官界に拡大していた<ref>劇中では[[国土交通省]]の大臣を美人局に掛けて、弱味を握っていた。</ref>。[[組織犯罪対策部|マル暴]]・'''山本刑事'''(貴山侑哉)が山王会によって女性との心中に見せかけて殺害され、山王会のさらなる勢力拡大を危惧した警察当局は、山本の前任者であり、暴力団と太いパイプを持つ悪徳マル暴・'''片岡刑事'''(小日向文世)を暴力団対策の最前線に復帰させた。片岡は、加藤・石原による新体制に不満を覚える山王会の古参幹部と、関西を拠点とする巨大暴力団・花菱会を利用する計画を立てる。山王会古参幹部の'''富田'''(中尾彬)と、花菱会若頭・'''西野一雄'''(西田敏行)が兄弟分であることから計画は成功するかに見えたが、実は山王会と花菱会は既に協力関係にあったため、花菱会からの密告によって、富田は山王会本部内で加藤と石原の命令を受けた'''舟木昌志'''(田中哲司)に射殺される。黒幕である片岡も後がなくなり、彼らに恨みを持つ'''大友'''を利用することを思い立つ。
 
前作で、刑務所内で'''木村'''(中野英雄)に刺されて死んだとされていた大友は実は生きており、片岡は大友を利用すべく、[[刑務所]]を仮出所させる。だが、大友はもはやヤクザの世界の抗争に身を置くつもりはなく、旧知の[[在日韓国・朝鮮人|在日韓国人]]で日韓[[フィクサー]]・'''張大成会長'''(金田時男)の下で平穏な生活を送り始める。
 
片岡は、刑務所から出所後に[[バッティングセンター]]を経営し、カタギとなっていた木村を利用することにした。木村を大友と和解させた上で「本当の敵は山王会」だと伝え、復讐心を焚き付ける。木村は子分である'''嶋'''(桐谷健太)と'''小野'''(新井浩文)に対して大友を守るように命令する。片岡の計画への協力を渋る大友に対し、片岡は復讐を恐れる石原から大友が命を狙われる状況を作り出し、大友はビルの[[エレベーター]]内で襲撃されて重傷を負う。嶋と小野は大友を守りきれなかったことに責任を感じ、加藤を殺そうと山王会に殴り込みをかけるものの、舟木たちに捕らえられた挙句リンチされ、惨殺されてしまう。子分を殺された木村は勿論の事、親しい人間を殺された大友は、ここに至って片岡の計画に乗ることを決める。
 
先ず、木村が花菱会の若頭・'''中田勝久'''(塩見三省)と親交があった事から、二人は布施より会長の盃を貰い、抗争の援助を得るべく、花菱会の幹部会に向かう。やってきた大友と木村に対し、若頭の西野、若頭補佐の'''中田勝久'''(塩見三省)らは優位に立とうとして、怒鳴り声を浴びせてわざと喧嘩を売る。対する大友も一歩も引かず、場は怒号が飛び交う一触即発の状態となるが、木村がケジメをつけるために自分の指を噛みちぎって場を収める。大友と木村の覚悟を確認した花菱会は、2人なら山王会を倒せると考え、非公式の助力を決める。
 
大友は先代会長・'''関内'''(北村総一朗/本作では写真のみの出演)の死の真相を知るために、関内殺しの事実を口止めする対価として加藤によって引き上げられ、組織内で出世を果たした山王会幹部・舟木を拉致。彼を脅迫して加藤の「親殺し」(=会長の関内殺害)を自白させ、[[ICレコーダー]]に録音する。花菱会会長の'''布施'''(神山繁)は、加藤にこの証拠を突きつけ、石原が情報提供したことをほのめかしたため、加藤は疑心暗鬼に陥る。
 
一方、'''岡本'''(菅田俊)を始めとする部下達を次々と殺されてパニックに陥った石原は、木村が未だに大友を恨んでいると考え、木村を抱き込んで大友を殺害しようとするが、逆に木村に部下達を殺害され捕まってしまう。ようやく石原と対面を果たした大友は[[ピッチングマシン]]の前に椅子に縛った石原を置き、ピッチングを与え続ける拷問で殺害する。
 
さらに舟木の証言音声の[[CD]]が、山王会の幹部達にも送られたため、「親殺し」が知れ渡り、残た側近達も殺された加藤はもはや最早力を失い、最後は花菱会の立ち会いで山王会と木村組の手打ちが決まった。加藤は引退に追い込まれ、古参幹部だった'''白山広'''(名高達男)が山王会三代目会長に、'''五味英二郎'''(光石研)が同じく三代目若頭に就任し、事実上山王会は花菱会の影響下に入った。
 
木村は自分の組に大友を誘うが、大友はヤクザの世界に戻るつもりはなかったため、すべての手柄を木村に譲った。花菱会も木村に対して、大友との関係を断つように命令したため、大友は張会長の下に戻り、[[大韓民国|韓国]]へと消える。数日後、大友は密かに日本に帰国すると、張会長の腹心である'''李'''(白竜)と協力して[[パチンコ店]]で待ち伏せし、一人寂しく[[パチンコ]]を打つ日々を送る加藤を[[ナイフ]]で刺殺し、山王会への復讐を完了させる。
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: 演 - [[ビートたけし]]
: 元大友組組長。
: 武闘派として知られた昔気質のヤクザ。前作の終盤で小沢率いる池元組との抗争に敗れ刑務所に逃げ込むも、先に服役していたかつての敵対者の木村に刺殺されたということになっていた。しかし、これは片岡が流したデマで実は一命をとりとめ刑務所の中で生きており、木村のことも黙っていた。過去の木村に対する仕打ちや武闘派故の行き過ぎた行為を反省し、模範囚として大人しく刑期を過ごしていたが、山王会の弱体化を狙う片岡によって早期の仮出所を受ける。出所後、木村と再会し互いに相手への行為を謝罪して和解する。片岡から山王会相手にけじめを取るよう焚き付けられるが、大友本人は既にヤクザ稼業に対して嫌気がさしており、知り合いの張大成会長の世話で堅気の生活に戻ろうとしていた。かつて自分の部下だった石原秀人に差し向けられたヒットマンに腹を撃たれて重傷を負った際もその意思は変わらなかったが、後に自分を助けてくれた木村の子分の嶋・小野が山王会幹部の舟木に惨殺されるに及んでついに山王会への復讐に乗り出すことを決意、木村と共に行動を開始する。
: 花菱会の助力を得た後は、木村と共に舟木の拷問を行ったり、石原を誘き出して殺害するなどして山王会への報復を行う。加藤の引退で一区切りついた後は木村が立ち上げた木村組への加入の誘いを断り、抗争の手柄をすべて彼に譲って引退する。その後は韓国へ向かったと思われていたが、ある日引退した加藤がパチンコを打っているところに現れ、張会長の腹心の李と共に加藤を自らの手で刺殺し、山王会への復讐を果たした。ところが、この加藤殺しが原因で元の抗争相手である木村組に警察の手が入り、その直後の隙を狙って片岡に嗾けられた加藤の元側近が木村を殺害してしまう。その後、彼の葬儀の場に現れるが、大友を待っていた片岡に暗に花菱会へ報復を行うよう唆される。しかし、一連の騒動の元凶が片岡だったことに既に気づいており、花菱会構成員を始末するためにと片岡から渡された拳銃で逆に片岡を射殺する。
 
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; 嶋・小野
: 演 - [[桐谷健太]](嶋)、[[新井浩文]](小野)
: 木村の子分。村瀬組組員の遺児である2人組の青年。木村が経営するバッティングセンターの店員として働いている。二人とも背中に刺青があり、嶋は拳銃を所持している。バッティングセンターで1000円程度で何時間も遊ぶ態度の悪い客に鉄拳制裁し金を取り上げてバッティングマシーンで遊んだり、食べかけのカレーライスを片付けようとしたウェイトレスを怒鳴りつけるなど少々荒っぽい行動や言動が目立つが、山王会関係者のような理不尽な暴力は振るわない。
: 木村の命令で大友の警護を任される。大友から何度も帰るように言われたが、木村の言いつけに従い周辺で待機していた。しかし、大友に突き放されたことや任務を甘く考えていたことが災いし、山王会の刺客によって大友は腹を撃たれてしまう。大友は彼らを責めなかったが、襲撃から守りきれなかった自責の念から、二人は加藤を暗殺しようと石原の事務所に向かったが、逆に舟木に拘束されて凄惨なリンチを受けて殺害され、遺体は頭に袋を被せられて鉄くず置場に放置された。
: 木村は彼らに厳しく接しつつも息子同然に可愛がっており、大友にとっても重傷の所を運び出してくれた命の恩人であった彼らの死は木村の復讐心を後押しすることになった。木村組設立後の事務所には、大友との兄弟盃と共に彼ら二人が笑顔で写った写真が飾られ、[[タバコ]]が供えられていた。
 
=== 山王会 ===
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: 演 - [[三浦友和]]
: 山王会二代目会長。
: 前作『アウトレイジ』の終盤にて池元組を継ぐはずだった小沢と当時の会長である関内を謀殺し、小沢に関内殺しの罪を着せた上で山王会二代目会長に就任した。自分と同じく頭脳派であり、ビジネスに天賦の才を持つ元大友組の金庫番だった石原を右腕として重用し、組織を現代的なビジネスに主眼をおいた実力主義の体制に作り変えることで、山王会を政財界にも影響を及ぼすほどの強大な極道組織に育て上げた。その一方で、実力主義の名の下に古参幹部を差し置いて石原・舟木などの若手ばかりを重用する人事を行い、更に定例会議で食事を一切出さない<ref>これが会議後に幹部達が会食の場で加藤への不満を漏らす悪循環を生むことになる。</ref>などの器量のなさで一部の側近を除いて山王会幹部からの人望は薄い。布施からも、四條会(名前のみ登場)との抗争を手打ちにした時も謝礼金として500万円しか持って来なかったとの事で、ケチと評されている
: 物語序盤では、密かに築いていた花菱会との協力関係から片岡の計画を見破り、裏切った古参幹部の富田を見せしめとして舟木に射殺させ、粛清する。ところが大友・木村の尋問によって舟木が関内の死の真相を白状してしまい、その尋問の様子が録音されたテープが花菱会会長の布施へと渡ったことで旗色が悪くなる。その際、布施から「テープを送ってきたのは石原」「一度人(大友)を裏切った奴は何度でも裏切る」と吹き込まれたことで疑心暗鬼に陥り、追い詰められた結果石原を木村に引き渡し見殺しにする。さらに花菱の陰謀によって関内殺しの事実を山王会幹部全員に暴露されてしまい、元々の人望の無さに加えて親殺しの疑惑が重なった結果、山王会幹部達の不信を買い、それでも「俺に弓引く奴は破門だ」、「出てけ!」と強気に出るも、幹部達のほとんどが離反するという事態を招いてしまう。その後わずかに残った側近も城率いる花菱会のヒットマンによってほぼ始末されてしまい、最終的に引退へと追い込まれ、会の金庫から全て持ち出した金も1週間で用意する様、迫られる事となった。
: 引退後は白山や五味に罵倒されるなど落ちぶれ、朝からパチンコ店に通う零落した日々を送っていたが、ある日パチンコ店で張会長の腹心である李と待ち伏せていた大友にナイフで刺殺されるという最期を遂げた。
; 石原 秀人(いしはら ひでと)
: 演 - [[加瀬亮]]
: 山王会若頭。元大友組の金庫番。
: 前作で大友組を裏切り、最終的に山王会の金庫番にまで出世した若きインテリヤクザ。その後、加藤体制で頭角を現して、彼の側近として若頭にまで出世した。ビジネス能力は非常に高いものの器量は狭く、直接の部下や山王会の古参の幹部を見下して怒鳴り散らすため、加藤以上に人望は薄い。自身が裏切った過去からかつての親である大友を異常に恐れており、その生存を知って以降は恐怖と焦燥からヒステリックに取り乱すことが多くなる。
: 片岡の陰謀によって大友が復讐のために自分の命を狙っていると思い込み(実際にはこの時点では大友は復讐を考えていなかった)、ヒットマンを送って大友の殺害を狙うものの失敗。その後、大友と木村が山王会への報復へ動き出し、側近の舟木や岡本らが始末されたことで追い詰められ、精神が不安定になっていく。あくまで木村は大友を恨んでいるものと勘違いし、木村と協力して大友を殺そうと企むが、既に大友と和解していた木村によって部下を皆殺しにされ、自身は生け捕りにされる。その後、対面した大友に[[失禁]]しながら命乞いを行うが、最期はピッチングマシンの前に[[椅子]]に縛り付けられた状態で放置され、高速の軟球を顔面に当て続けられて死亡した。この時の大友の決め台詞は「[[野球]]やろっか」。
; 舟木 昌志(ふなき まさし)
: 演 - [[田中哲司]]
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: 演 - [[菅田俊]]
: 山王会幹部。
: 富田らと異なり、石原に平身低頭に従う古参幹部の一人。はるか年下の石原から手駒のように扱き使われも唯々諾々と従うことから、富田らから陰口を叩かれている。[[先物取引]][[ヘッジファンド]]など現代的ビジネスには心得があるようで石原からも認められている。石原の命令で大友の命を狙うが失敗し、激しく罵倒される。その後も大友の行方を追い続けるが、最期は城が率いる花菱のヒットマン集団によって組員共々殺害された。
 
=== 花菱会 ===
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: 演 - [[西田敏行]]
: 花菱会若頭。
: 富田と兄弟盃を交わしており、山王会の内情に詳しい。飄然と構えながらも会長に畏敬の念を持たない人間には一切容赦しない。加藤による関内殺しの噂を聞きつけ、それを利用して山王会を弱体化させるべく中田と共に暗躍する。花菱会による山王会への介入以降は実働部分を担い、白山を新会長に据え、後見人として影響力を確保する。
; 中田 勝久(なかた かつひさ)
: 演 - [[塩見三省]]
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; 片岡
: 演 - [[小日向文世]]
: 組織犯罪対策部(マル暴)の刑事。大友の大学時代のボクシング部の後輩。本作の元凶。
: ヤクザを食い物にする悪徳刑事。前作で出世して前線から離れていたが、山本が殺害され、政界にも影響力を及ぼし始めた山王会を危惧した警察上層部の判断で引き戻される。最初は富田を利用して山王会と花菱会の間に抗争を起こし、共倒れさせる計画を立てるものの、布施によって計画が加藤へ露見したことで失敗する。加藤と石原の心象を損ねたことで立場を悪くするが、次善の策として大友と木村を山王会へ嗾ける策を思いつき、大友を仮出所させ木村と和解させたり、大友を装って石原の事務所を銃撃するなどして、2人が山王会と戦争を起こすきっかけを作った。その結果、花菱の助力を得た大友と木村によって山王会がほぼ壊滅状態となったものの、一方で花菱会の影響力増大を招き、そのことについて警察上層部から責任を追及される。そのため、今度は花菱会の影響力を削ぐべく、木村を謀殺して花菱の仕業に見せかけることで、大友に花菱に対する復讐をさせようとする。そして木村の葬儀の場で、花菱会の幹部らがいることを大友に告げ拳銃を渡すも、既に黒幕が片岡であることに気づいていた大友に逆に射殺される。
; 繁田
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: 演 - [[金田時男 (実業家)|金田時男]]
: 日本と[[大韓民国]]を股にかける大物フィクサー。
: 戦後の[[上野]]の[[闇市]]を10代の若さで取り仕切って成り上がった過去を持つ伝説の男で、上野出身の縁で古くから大友と親しい。刑務所から出所した大友を匿い、身辺の世話をする。日本語と[[朝鮮語|韓国語]]に堪能。穏やかな性格で、行き場のない大友に自身のグループに入る事を勧めたり、大阪へ向かう大友と木村に対して利用されない様、気にかけるなど、今作で唯一、最後まで大友と木村の味方であった人物。
: なお演じている金田は俳優ではなく実業家で、監督のたけしとは友人同士である。
; 李
: 演 - [[白竜 (俳優)|白竜]]
: 張の腹心。刑務所から出所した大友を出迎える。山王会会長の座を追われた加藤を大友が殺害する悲鳴を上げない様、後ろから口を抑え込む形で協力する。
 
==キャスト==