「銀の匙 Silver Spoon」の版間の差分

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: [[声優|声]] - [[木村良平]] / [[俳優|演]] - [[中島健人]]([[Sexy Zone]])
: 本作の[[主人公]]。新札幌中出身。実家は[[札幌市]][[西区 (札幌市)|西区]]<!--西区には「八軒」という町名が存在する-->にある。クラスの実習班はA班。
: 眼鏡をかけたごく平凡な少年。学生服の下にパーカーを着用するのが基本スタイル。一部の友人からは「'''ハチ'''」と呼ばれる。農業とは縁のない[[サラリーマン]]家庭。[[推薦入学]]での進学者が多いエゾノーでは珍しい、一般[[入学試験]]を受けて入学した生徒のひとり一人。
: 通っていた新札幌中は有名な[[中高一貫教育|中高一貫]]の進学校に通ていたが、激しい学力競争に敗れ、[[ノイローゼ]]気味になるほど自信を喪失<ref group="注">帰省時に再会した中学の同級生によると、「しんどそうな目して話しづらかった」という。</ref>し、成績の良い兄・慎吾に強いコンプレックスを持ち、成績でしか評価されていないと思い込んでいたため、家族と距離を置くようになった(本人曰く常識が通じない父と気持ちが通じない母と話が通じない兄)。さらに捨て鉢になって、内部進学をせずに外部の学校に進学希望である旨を担任・白石に告げた際、大らかな校風のエゾノーを薦められて受験した。周囲には「家に帰らなくて済むから(全寮制のエゾノーに入学した)」との理由を口にしている。特に農業関係の職に就きたいといった夢があるわけではなく、明確な夢を持つ周囲の生徒達に引け目を感じている。しかし、農家ではない家庭で育ったために農家での常識に疑問を持ち、それが同級生とのディスカッションや教師による特別授業のきっかけとなるなど、エゾノー1年生の[[キーパーソン]]となっていった。
: 数学などの一般科目における学力は他のエゾノー生徒たちより遥かに優秀であり、クラスメイトから「勉強を教えてほしい」と頼られるほどだが、農業の専門知識、関連する学科では他の生徒たちには僅差でおよばないことも多い。1年1学期の中間考査では各学科別では全て2位以下であったものの、総合ではぶっちぎりで1位を取り、本人としては釈然としない結果を招いた。総合1位は3年の2学期まで続くことになる。
: 入学当初は身体能力が他の生徒に比べるとやや劣っていたが、日々の実習や部活等で否応なく鍛えられ基礎体力が向上してきている。それでも、1年時の文化祭の当日の朝には、様々な仕事を抱え込む余り過労で入院してしまった。ただし、積雪量の多い札幌で育ったこともあり雪かきは他の生徒より得意である。
: 本人は気にも留めていなかったが、幼いころから親が「ちゃんとしたもの」を食べさせていたため、気づかないうちに非常に良い味覚が育まれており、その味覚の鋭さや繊細さは、稲田真一郎やアキの祖父も認めるほどである。また字も綺麗でノートまとめが上手く、文化祭当日に倒れた時も第三者がノートを見るだけで八軒が計画していた通りの仕切りができる状態になっていた。
: 第一話で仔牛を捕まえようとしたら逃げられて、森に入り迷ってしまうなど、余計なことをして窮地に陥る典型的な不運の持ち主<ref>作中でも言われている通り、この場合は特殊な道具を使って仔牛をおびき出すのが常套手段である。</ref>。要領が悪く少々捻くれており競争に勝つことへ拘る反面、弱者に感情移入しやすい素直で心優しい性格。お人好しで頼みごとを安請け合いする面があり、周囲からは「人にかまって損をするタイプ」「いい人」「断らない男」と評される(ただしアキの勉強を見ることを理由に一度先輩大森の頼みを断っている)。また、妥協が許せず何事にも納得できるまで真摯に追求する性分が、エゾノーにおいては概ね良い方向へ発揮されているものの、友人たちからは「面倒臭い」とも思われている。
: 中学時代は学力競争に偏重した価値観の持ち主だったため、エゾノー入学当初も頑ななまでに学業成績や順位に縛られていたが、世の中には数値に換算できないことや「答え」が一つだけではないことが多く存在し、先入観で物事を穿って見たり判断したりしてはいけないということを身をもって経験して、学び始めている。その一方で、家畜動物などは生産率重視であり、数字が悪ければ早々に[[屠畜]]の対象になる現実を目の当たりにする機会も多く、前述との矛盾に疑問を感じて葛藤することもある。それらの体験を重ねていくごとに自ら考えることを覚え、学び、少しずつ成長している。しかし、中学時代に学力競争に敗れ周囲から孤立したトラウマは根深く、無茶な努力へ走ろうとする危うさと、何らかのトラブルに対し自己否定からスタートする悪癖は未だ抜けていない。
: クラスメイトの御影アキに密かに想いを寄せており、より距離を縮めようと彼女の所属する馬術部に入部する。上級生(3年生)が引退した2学期からは馬術部の副部長に抜擢され、上級生の引退後も引き続き副部長を務める。さらに駒場家の離農を機にアキに自らの夢を家族に話すよう後押ししたことから、彼女の勉強を教えることになる。アキとは相思相愛で周囲も半ば公認しているが、アキの父親にプレッシャーをかけられていることや周囲の妨害もあり、なかなか告白できずにいたが、ようやく13巻で、「大学に合格したら、俺と付き合ってくれませんか?」と言おうかしたところ大川に妨害されるもアキには伝わっている模様。アキへの性格などを考慮した的確な勉強の教え方を見た豊西からは「教師に向いてるのでは」と言われるが、それを聞いたアキは八軒が教師になったら「クラスの生徒全員に全力でぶつかって過労死する」と自身も納得する返答をした。
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: 2年への進級直前、なかなか就職先の決まらない大川にかけた「いっそ自分が社長になればいい」という言葉をきっかけに、卒業後の進路を進学せず起業する事と決め、そのために下宿を決意しアキの叔父・優志の知り合いに紹介してもらった下宿先に引っ越して一人暮らしを始めた。しかし、その後に訪ねてきた大川が差し入れに持ってきた[[ジンギスカン (料理)|ジンギスカン]]を古い[[ガスコンロ]]<ref name="konro" group="注"/>で行い、途中で火が消えたため大川がライターで再度点火したところ、ガス爆発させて部屋を荒らされてしまい、コツコツと積み上げてきた御影家の信用を殆ど失ってしまう。それでも、自身の勉強をこなしつつ御影の勉強を見つつ起業の準備を行うという過酷なスケジュールをこなし、帯広競馬場での御影豚ピザ販売は黒字、御影の推薦試験も合格という最良の結果となった。その余勢を駆って好きだったと告白、一度は御影の父の邪魔が入るものの、イエスの返答を得て二人は正式に恋人となった。
: クリスマスになって大川から会社で食肉加工も行うために必要な、食品衛生管理者の資格を取得するために大川からの命令で、急遽資格が得られる大蝦夷畜産大学の畜産科学科を受験するよう命じられる。センター試験の出願は前もって、八軒が慎吾からのバイトの手伝いでセンター試験を受けることになっていたため事前に出願をしており、センター試験は出来るが、エゾノーでの3年間のテストが特殊だったのと、受験勉強から離れていた状態のため、自身の今の学力が世間一般から見てわからない状態となってしまっていた。大晦日に実家で父に大蝦夷畜産大学を受験することを伝えると、父からは畜産大学を受けることには賛成を貰い、父が調べた様々な情報などを話し合った。
: 大学の合格発表時には、大川がテレビや新聞への宣伝用にと前もって作っていた、自社の宣伝用の豚の着ぐるみを着ており<ref group="注">八軒曰わく、大川が夜通し手縫いで作っていたから、断れなかったとの事。</ref>、警備員に止められるも、大川からの電話で自身が合格したのを聞くと、合格を聞いたリアクションで、その日の地元の新聞とテレビを総ナメにした。
: 畜産大学では豚の着ぐるみの一件で大学内では有名人になっており、学生からは八軒の様々な噂話による誤解によるデマで、周りとは距離を置かれてしまう状態からのスタートとなってしまう。
:エゾノーを卒業して4年後、髪型をオールバックにしており、変わらず養豚事業を行い、御影との交際も続いていたが<ref group="注">お互いの呼び方も、名字で呼んでいたのを下の名前で呼ぶ様になり、名字を『八軒アキ』と『御影勇吾』、どちらにした方が良いかを駒場に聞く等、結婚も意識している。</ref>、駒場から「面白いビジネスの話がある」と言われ、彼のいるロシアの[[アムール州]]に飛ぶ。その土地の広大さからエゾノーに来たばかりの頃の様に遭難しかけるも、駒場と再会。彼や地元の少年達と草野球をしながら、自身の会社で豚を寒冷地の北海道の地でも増やす事が出来た地道な実績から、需要に対して畜産家の少ないロシアのその地で養豚をやる様、提案される。採算を取れる保証が無い事から渋るも、「八軒とやったら面白そう」と話を持ち掛ける駒場に「俺、人の夢を否定しない人間になるって決めたんだよ」と語り、草野球で駒場の投げる球を打てなければ、前向きに検討すると、条件付きで了承。経験者の駒場には本気で投げられる事となった。
; 御影 アキ(みかげ アキ)
: 声 - [[三宅麻理恵]] / 演 - [[広瀬アリス]]
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: 将来の夢は大好きな[[ウマ|馬]]に関わる仕事に就くことであるが、一人っ子であるため後継ぎとして無言のうちに期待され本人も家族からの期待を知っているため、そのことは家族に語ることなく胸に収めていたがそれがややプレッシャーとなっていた。駒場家の離農をきっかけに八軒の後押しでついに自身の本心を家族に打ち明け、ばんえい競走馬厩舎を営む叔父の下で働きたいと叔父に懇願し、「大学を出ること」を条件として認可されるが、自他共に認めるほど勉強が苦手で、学校の成績も同じクラスの常盤ほどではないがあまり良くない(八軒曰く常盤よりずっといい)ため、八軒に勉強を教えてもらうことになった。その後成績は徐々に伸び、担任の桜木から推薦入試での受験を勧められるまでになった。依田の引退時には次期馬術部部長に指名され尻ごみするものの、桜木の「推薦に有利になることは何でもやっておけ」という助言と、八軒の(かつての自分も持っていた)「先の見えないことに挑戦する姿」に影響され引き受けた。八軒の個人授業の甲斐もあり、3年秋には推薦を得られるだけの評価点を(ギリギリではあるが)得ることに成功。さらに推薦入試の面接においては[[圧迫面接]]によって窮地に陥るも、揺らいだ心を立て直して難局を乗り越え合格を果たした。その電話上で八軒から告白されるも電話を取り上げた父の罵倒によって返答はうやむやに。種々のストレスに苛まれていた八軒がストレス解消のため馬での遠乗りに付き合い、告白の返答として八軒と唇を重ねた。
: 一般受験で入学した八軒に興味を持ち、何かと気に掛ける。八軒が吉野と不純異性交遊を噂された時や他の女子生徒から告白されるかのような状況を目撃した際に、動揺する素振り(無表情になったり、持っていた物を落とすなど)をみせるなど、八軒を好ましく思っている描写がされている。駒場家の離農が決まった時には、思わず好意を八軒本人の前で告白しかけているものの、失敗に終わる。幼馴染の駒場と家族同然の付き合いをしてきたため男女の機微には疎く、周囲からは「ひどい女」「ニブい」「バカなの」「八軒に同情する」などとさんざん言われてから八軒のモーションに気づいて動揺する様が度々描写されている。それでもなお、今まで恋愛に興味がなかったため、的外れな言動も多い。
:4年後、エゾノーの頃と同様に大蝦夷畜産大学では馬術部に入っており、八軒との交際も続いている<ref group="注">オマケページでは、駒場から言われた事もあり、名字を御影性に統一した方が良いと思うと、八軒から半ば、プロポーズと取れる言葉を受けている。</ref>。
; 駒場 一郎(こまば いちろう)
: 声 - [[櫻井トオル]] / 演 - [[市川知宏]]
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: 部活は野球部で、ポジションは[[投手|ピッチャー]]。幼少期から野球少年であり、実家の敷地内には父の作ってくれた[[ブルペン|ピッチング練習場]]もある。しかし数年前に父を亡くしたため、高校卒業後は実家の酪農業を継ぎ、独りで切り盛りしている母親の力になりたいと考えている。その一方で甲子園に出場してプロ野球選手になり、あまり裕福ではない実家の経営を立て直したいという夢も抱いていた。
: エゾノー野球部では1年生ながら秋季大会で幾度か登板しており、将来を期待されていたらしい。しかしエゾノー祭が終了してしばらく経ったころに実家の借金が原因で離農することが決まり、借金返済と家計を助けるために学校を中途退学した。その後しばらくは免許取得やバイトに明け暮れるが、八軒はその姿をかつての自分に重ねて「空っぽになったから、とりあえず目標を見つけて気持ちを繋いでいるだけ」と感じていた。その後、八軒をはじめとするかつてのクラスメイトたちの前を向く姿に徐々に影響を受け、母親の叱責もあって「一番やりたいこと」である「自分の牧場を持つ」という目標に向かう決意をする。そして稼ぎのいい仕事を見つけるため単身上京し引越業者で働いている。
: 勇吾らのすすめで、3年の秋より、慎吾が行っているインターネット家庭教師で勉強を始めた。後にロシアで温暖化の影響で使えるようになった土地を利用した、道内の銀行が行っている日露協力の農業ビジネスの合弁会社で働いており、自身はロシアで自分の牧場を持つのを目標にしている。八軒とはエゾノー卒業の四年後にロシアに呼んでおり、ロシアで豚の畜産をやらないかと誘った。
; 常盤 恵次(ときわ けいじ)
: 声 - [[庄司将之]] / 演 - [[矢本悠馬]]
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: 常に明るくはっきりした性格だが、中島先生を脅迫して秘蔵のチーズを無断で持ち出すなど、チーズに関することでは手段を選ばない面もある。八軒の生真面目さや義理堅さを評価する人物の一人だが、八軒がアキをデートに誘った件で恋愛対象としてどうかを同級生に問われた時は「(他人のことで悩んだりして)面倒臭そうだから嫌」と完全否定している。
: 進級後チーズ研究会の会長に就いているが、金に糸目をつけない方針のため中島を悩ませている。
: 卒業後はチーズ関係の仕事について勉強し、のちに独立することを考えている。しかし就職面接に行った会社が典型的な[[ブラック企業]]であり、どうやって面接時に即時与えられた内定を蹴るかで頭を悩ませた。最終的に内定辞退に成功し、チーズ職人として修業するべく単身フランスに渡ることを計画中。エゾノー卒業式直後は内定を蹴った事で無職の状態だったが、中島先生の尽力によって、フランスのチーズ関係者を紹介してもらい、西川からフランス語を学ぶ教材としアニメ『くのいちシスターズ クール&キュート(以降、くのしす)』のDVDを餞別として渡された上で、フランスへチーズの修行をするためにフランスに留学した。
:エゾノー卒業後の四年後の夏には日本に一時的に帰国しており、ボーイフレンドのアンドレを連れており、御影らに紹介していた。一方で、夢だったチーズ工房が、実家が肉牛育成に鞍替えした事で叶わなくなった事を嘆いていた。
; 同クラスの男子生徒
:; 西倉 亮(にしくら りょう)
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: 八軒が寮を出て一人暮らしを始める際、古いノートPCを八軒に譲った。
: ラクレットオーブンの試運転時に、ラグレットオーブンの出力の強さでブレーカーが落ちた際、プレイ中だった恋愛ゲームを強制中断されたため大川を強く恨んでおり、その後度重なる精神攻撃や、八軒・兄の特製ボルシチを薦めるなど、しばしば彼に報復を行っていた<ref group="注">当初ボルシチは慎吾夫婦のどちらかが作ったとしか分かっておらず、2分の1の確率で死ぬ状況だったため周囲の人間が食べられずにいた状況に、何も知らずに来た大川へ、慎吾が作ったかもしれないことは言わずアレクサンドラが大きく写っている慎吾夫婦の写真を見せて、この人が作ったと言い安心させた大川に毒味を兼ねて食べさせた。</ref>。報復を一通り見ていた八軒曰く「小キック連続のハメ殺し後の大技でKO」。
: エゾノー卒業後は東京の東村山大学農学部に進学し、吉野がフランスに行くと知ると餞別にと、フランスで大人気のアニメ『くのしす』のフランス版と日本版の脚本集を渡した。
; 別府 太郎(べっぷ たろう)
: 声 - [[こぶしのぶゆき]] / 演 - [[河野将也]]
: 坊主頭で糸目の恰幅の良い少年。
: 食品科学科1年生 → 3年生。学生寮では八軒のルームメイト。帯広空港南町中出身。体型のとおり食べることが好きで、良い食べ物を作る(食べたい)ために食品科を志望した。八軒が校内清掃の際に石窯を発見した縁からピザ(小麦粉を使った料理)への技量を高め、ついには本場イタリアのピザ職人が用いる特殊技術まで会得してしまった。その体格から走るのが苦手。娯楽室等の掃除当番を忘れていた勇吾のかわりをつとめるなど、面倒見がいい面もある。携帯電話に設定している入浴時間を知らせるアラーム音は[[ザ・ドリフターズ]]の「[[いい湯だな]]」っぽい曲。
: エゾノー卒業後は調理師専門学校に進学し、四年後の夏には、ロシアでラーメン店を立ち上げるために、慎吾とアレクサンドラの全面協力を得てメニューの開発を行なっている。店名は「札幌ラーメン別府サンクトペテルブルク店」であり、店名を知った同級生からは地名の多さ故に混乱すると言われており、アレクサンドラからは、夫・慎吾に携わらせるのは、メニュー開発だけで、厨房には絶対立たせない様、釘を刺されている。
; 稲田 真一郎(いなだ しんいちろう)
: 声 - [[小野友樹]] / 演 - [[遠山悠介]]
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: 良く言えば臨機応変、悪く言えば行き当たりばったりな性格。帯広競馬場でのピザ販売で僅かに赤字となった<ref group="注">実際は、競馬場家屋内で販売していたベーコン等の売り上げを入れてなかったので、結果として黒字だった。</ref>補填のために売り上げ全額で馬券を買うなど、終わり良ければ総て良しを地で行く度胸、あるいは楽天さの持ち主。
: 副ぶちょーの小屋をその後拡張する、元日に餅つきの腕前を見せるなど多方面での特技を持つが、その大部分は中島が言うところの「履歴書に書けない」代物である。ラクレットオーブンを試運転した際の顛末から西川に敵視されており、彼からたびたび報復を受けている。西川の策略で八軒の兄・慎吾が作ったボルシチを食べて気絶した際、西川から耳元への暗示で萌え系を吹き込まれた影響により、萌えキャラが使用された物を作るようになった。
: バイト先でもらった黒豚(「元ぶちょー」と命名。バークシャー種のメス)を連れてエゾノーを訪れるうちに八軒とともに放牧養豚事業に着手。さまざまな分野の作業を器用かつ迅速にこなす姿から「仕事さえ与えておけばまとも」と判断した八軒に社長に任命され、それを伝えた際に家族から「夢見てんじゃねえカス」扱いされたことから彼らを見返すために奮起する。本人曰わく、実家の事は大嫌いとの事で、GINSAJIの代表取締役としてテレビ取材を受けた際は、親からの電話に出た後、「ほったらかしで何かやれば文句しか言わない癖に、外に自慢出来そうな事があるとドヤ顔ですり寄ってきて、説教が始まって知恵も金も貸さない」と八軒に愚痴っており、同様に父を苦手とする八軒も、「性格合わないのはしゃーないので、知恵と金はもらえるだけ貰っとこう」と言った事で、彼と心が一つになる。
; 豊西 美香(とよにし みか)
: 声 - [[田野アサミ]] / 演 - [[亀田梨紗]]
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: 声 - [[菊池幸利]]
: 食品科学科1年生 → 3年生。スキンヘッドの男子生徒。下浦幌中出身。
: 部の中では特に目立っていなかったが、3年のクリスマスをきっかけに何気なく馬糞の山の前で栄に告白、OKされる。しかし、同時に「結婚したらどちらがどちらの家に入るか(実家の農場の合併内容)」で頭を悩ませている。
; 木野 広行(きの ひろゆき)
: 声 - [[渡辺拓海]] / 演 - [[田村健太郎]]
: 森林科学科1年生 → 3年生。黒い短髪の男子生徒。音更大通中出身。
: 中肉中背だがかなりの大食漢であり、登校前から夜食に至るまで、八軒に「よく食うなぁ!」と呆れられるほど買い食いしている。
: 3年冬休み直前に円山と栄が付き合った事で「3年唯一の恋人なし」になってしまい、狂乱の果てに御影曰わく、「大川先輩化」し始める。
; 後輩(名前未設定)
: 八軒の1年後輩の女子生徒で、酪農科学科1年生→2年生。短髪で小柄、「っス」と言う口調が特徴。両親は公務員であり、数少ない非農家生徒の一人である。
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: 声 - [[高橋伸也 (声優)|高橋伸也]](1人3役)
: 酪農科科学3年生 → 卒業。美しいホルスタインの飼育、手入れなどに余念がなく「美牛」と書いて「おんな」と読むほどホルスタインを愛して已まない一団。乳牛のカタログを[[エロ本|ポルノ本]]のように観賞していたため八軒らから呆れられていたが、牛に関することであれば飼育は勿論、バイオテクノロジーの問題から品評会における体毛のカットに至るまで幅広く豊富な知識を誇るインテリ軍団。
: ホル部の部員はこの他に八軒のクラスメイト相川と二又がいるが、前述の3人のキャラの濃さから、彼らと同類と思われて半ば風評被害の様な形で女子には敬遠されているとの事
 
=== 教職員 ===
; 桜木 義久(さくらぎ よしひさ)
: 声 - [[川原慶久]]
: 1年D組担任を務める男性教師。担当教科は[[国語 (教科)|国語]]。白髪交じりのオールバックが特徴。校則違反や危険が伴うことには厳しい態度で接するが、それ以外は基本的に生徒の自主性を尊重する方針。ピザ作りのために奮闘する八軒や他の生徒たちのことも黙認し見守っていた。文化祭の当日に倒れた八軒の見舞いに行った際には、八軒の父親の罵倒を毅然とした態度で受け入れ、八軒に侘びの言葉をかけた。八軒達が卒業した4年後も、変わらずエゾノーで勤務しており、嘗ての八軒と同様に起業を希望する生徒に八軒の話を聞かせている。実写版では、担任が中島先生に変更されたため、登場しない。
; 八千代 徹也(やちよ てつや)
: 声 - [[堂下勝気]]
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: 父の家長としての威厳を尊重して[[東京大学|東大]]に入学したが、自分の意思ではなかった進学(志望校)だったこともあり反発心を抱いていたため[[退学|中退]]し、とあるラーメン屋の味に感銘を受けて主人(師匠)に弟子入りする。勇吾と再会した時には、師匠の「究極の食材を集めて来い」との命令で全国を旅している途中だった<ref group="注">料理の腕前から見て「体のいい厄介払い」「事実上の解雇」だと勇吾達は考えている。</ref>。将来は[[のれん分け]]して貰い、自分の店を持ちたいと考えている。
: 食材集めで北海道内を巡っている途中、勇吾と連絡が取れないことを心配した母の頼みで、エゾノー経由で御影牧場を訪れ、アルバイトに勤しむ弟と再会。以前に比べ、生き生きとした生活を送っている勇吾の近況を喜ばしく感じており、両親にもその旨を伝えて応援の意思を示している。その際、御影牧場の面々に自身の不味いラーメンを振る舞い、エゾノーでの経験で舌が肥えていた勇吾に大ダメージを与えた上、アキには「お兄さんはいつかラーメンで人を殺しそう」とまで言われている。御影牧場を去った後も旅費を稼ぐためエゾノー近辺に滞在して<ref group="注">エゾノーでのバイトをきっかけに、中島と連絡先の交換をしている。</ref>おり、たびたび勇吾と鉢合わせては動揺させている。夏祭りの焼きそば屋台では食い気に逸るエゾノー生を自身の焼きそばで全滅させて以降、エゾノー生からは「殺人焼きそばの人」として知られている。
: 天真爛漫で能天気な言動が目立ち、それが原因で勇吾の神経を逆撫でさせることも多い<ref group="注">勇吾曰わく、『死ぬ気で勉強した人間のライフゲージを根刮ぎ持っていく言動』。</ref>が、慎吾自身も未だ自分を模索しており、時折その内心を吐露する場面がある。両親と距離を置きたがる勇吾に両親と向き合うようしばしば諭しているが、自身も父・数正と鉢合わせしたときに逃げ出すなど顔を合わせることを避けており、母・美沙子と連絡は取りつつも結婚するまで帰省は長くしていなかった。年末に稚内の宗谷岬近くで遭難していたところを助けられた[[ロシア]]人・アレクサンドラと両親に無断で結婚し、勇吾の度肝を抜いた。結婚後は札幌のアパートに住み、妻の勧めでインターネットを通じての家庭教師をしており、ラーメン屋の開業資金も貯めるつもりでいる。勇吾により、2年の夏から南九条の家庭教師を依頼される。それでも3年の夏でオール2の結果に「人生初の挫折」をした。それでもどうにか彼女を卒業させる事には成功し、彼女の親戚一同や担任である旭山から悉く感謝を述べられている
; 八軒 数正(はちけん かずまさ)
: 声 - [[堀内賢雄]] / 演 - [[吹越満]]
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: 実はノイローゼからエゾノーに進んだころの勇吾に関心を向けなかったのは当時の勇吾を「(自分の考えを持たず)周囲に流されていただけ」と評価していたためであったと思われ、それまでの罵倒も「勇吾自身の思い・考え」を問う意図があったらしく、勇吾が一時帰省した際に自分に向かって反論して以降は「本気には本気で返す」という姿勢を見せている。その後の言動から勇吾が努力しかつ成果を出していることに対しては内心で好意的に評価している様子が伺えるが、小さな満足や安易な妥協に終わることを許さないのは相変わらずなので外見的には厳しい対応になってしまう。逆に言えば、それだけ(現在の)勇吾の将来性を高く評価しているということでもある。
: 慎吾の結婚については、言質はないものの息子夫婦の前で普段以上に表情が固くなっており、かなり戸惑っている様子。
: 豪志とは異なり、御影との仲は認めている模様で、彼女から「八軒君が口先だけの人じゃないって、私が証明します(八軒に勉強を見て貰い、大学に合格する事)」と約束され、エゾノーの卒業式にて再会した彼女から「八軒君の事、信じて上げて下さい」と言われるが、それに対して「もう信じているし、一人前だと思っている」と返す。
: 豪志とは異なり、御影との仲は認めている模様。
; 八軒 美沙子(はちけん みさこ)
: 声 - [[今井由香]] / 演 - [[宮本裕子]]
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: 慎吾と結婚したロシア出身の巨乳美女。日本語は片言だが堪能(勇吾には当初日本語が通じないロシア人と思われていた)。いつもニコニコした穏やかな女性だが、日本の常識を超えた発言で勇吾たちを唖然とさせる。慎吾より年上で、[[ソビエト連邦の崩壊]]とその後の混乱などで苦しい生活を味わってきたためか、慎吾との不安定な結婚生活にすら前向き。その上単行本のおまけページでは作中で唯一慎吾の料理を笑顔で食べるタフさを見せている(もっとも最初に食べた時は凍り付いていたが)。正月は八軒家で迎えている。幼少時のゴタゴタで満足に学校に通えなかった経験を持ち、慎吾にインターネット家庭教師を勧めた。馬好きで鞍なしの馬にも乗れ、同じく馬好きのアキとも意気投合する。勇吾が3年の冬(12月10日)に3,580グラムの子を出産、母子ともに健康。
; 八軒 麦(はちけん むぎ)
: 慎吾とアレクサンドラの子、女の子。目つきが祖父(数正)に似ており、勇吾からは「眠れるロシアの血よ!早く目覚めよ(るのです!(母親似になってくれ)」と懇願されている。オマケページでは、叔父・勇吾から将来の夢について聞かれた際、「ロシア大統領」と答えている。
 
==== 御影牧場 ====
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; 御影 政子
: 声 - [[大浦冬華]] / 演 - [[安澤千草]]
: アキの母親。八軒がサラリーマン家庭の次男と聞き、八軒の婿入りと跡継ぎを期待して夫にしばしば提案しているが退けられている<ref group="注">一方で力関係は彼女の方が上の様で、常盤の流した八軒と御影が結婚するというデマを聞いて豪志が怒り心頭な状態になった際は、「どーどー」と彼の首を絞めて落としている。</ref>。さり気ない言葉でアキや八軒を励ます気の良い女性。アキの面立ちは母譲り。
; 御影 大作
: 声 - [[佐々木睦]] / 演 - [[石橋蓮司]]
: アキの祖父で御影牧場社長(社長業は8巻で豪志に明け渡している)。面倒見の良い気のいい老爺で、アキが「じいちゃんほどじゃない」と言うほど馬好き。八軒に[[エゾシカ]]の解体を指南した。
: 借金返済とアキの学費調達のために所有していた馬を手放してからは手持ち無沙汰な日々を過ごしていたが、八軒と大川の放牧養豚に協力することとなり、空いていた馬小屋を豚小屋に改装する仕事では生き生きとした表情を見せた。その後も二人が顔を出せない間は豚の世話をしているとのこと。
:八軒達の卒業から4年後、GINSAJIで農地を広げるべく、豚を用いて荒れ地の開墾を行い、その地の見回りを南九条家より連れてきた[[道産子]]で行う事を決めた大川よりその世話を任され、久しく馬の世話をする事に目を輝かせていた。
; 御影 サト
: 声 - [[小野洋子 (女優)|小野洋子]] / 演 - [[稲川実代子]]
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; 御影 志乃
: 声 - [[久保田民絵]]
: アキの曾祖母で御影牧場会長。[[明治]]生まれの107歳(登場時)であり、北海道開拓時代の生き証人。小柄な老婆で普段は寡黙だが、時に的を射る言葉で諭すこともある。動物が本能的に恐れを抱く程の覇気を放つ。御影家の人間では唯一、慎吾の作る料理を「開拓時代に食べた豚のエサのような飯に比べれば美味い」とまともに食べていた。八軒達の卒業から4年後、既に故人となっており、仏壇に遺影が置かれていた。
; 御影 優志
: 声 - [[蓮岳大]] / 演 - [[哀川翔]]
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: [[清水町 (北海道)|上川郡清水町]]農協の組合長の孫娘であり、プライドが高く高飛車でお嬢様然としているが両親を「お父ちゃん、お母ちゃん」と呼んだり、弁当のおかずを無邪気に楽しみにするなど、実はごく普通の農家の育ちである。ただし、それを隠すようなこともせず、常にハイテンションで[[プラス思考]]、一種独特なオーラを醸して振舞うため、人目を引く愛されキャラになっている。また、困っているアキを多くを聞かずに助けるなど、根はいい人物。自身が落ちたエゾノーに八軒が一般入試で入学したことを知ると、逆恨みして一方的にライバル視するようになる。
: アキを一方的にライバル視しており、彼女を「ギャフン」と言わしめたいがためにアキが得意としている[[馬術]]を始めた。乗馬を始めてからその素晴らしさ(他人を見下ろせる高い視点)に目覚め、外国からドロイヤル号という愛馬を取り寄せ所有し、さらには清水西高に馬術部を創設する熱の入れようだが乗馬自体はまだ初心者。従順で賢いドロイヤル号があやめをフォローしている節が多い。2年になっても部員は自分ひとりだけだが「私がオンリーワンでナンバーワン」とあまり気にしていない。
: エゾノー祭以降は度々登場しており、駒場の退学により定員に空きができたエゾノー酪農科学科への編入を考えていた模様。2年の夏に御影が大蝦夷畜産大への進学を目指していることを知り対抗意識で自分も進学を目指すことを宣言。しかし前述の通りあまりにも成績が悪い上に近隣に学習塾がないことから慎吾のインターネット学習塾を紹介される<ref group="注">最初に勇吾から「高2の夏の時点で成績オール1」を聞かされたときには、さすがの慎吾も絶句していた。</ref>が、翌年の成績は体育以外オール2という惨憺たるものであり、勇吾たちからは「あの慎吾を挫折させた」と畏怖された<ref group="注">但し、成績が上がった事で、どうにか卒業には成功している。</ref>
:又、同時に大蝦夷畜産大学の入学も遠のいてしまったが、大学のカフェに南九条ブランドのスイーツを卸す事になったという。
; ドロイヤル号
: 南九条の乗馬。にわか成金の南九条家が娘あやめのために金に飽かしてヨーロッパから買い求めた最上級の馬術馬。上流階級のためにしつらえたかのような白毛のうえ、障害飛越技術も超一流、さらには騎手への従属心も完璧。しかし馬体の後方への攻撃癖があるため、尻尾に「赤い飾り([[競走馬#競走馬の性質・癖|蹴り癖]]ありますという表示)」をつけている。
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; アグネス号
: 八軒らが3年の時に参加した馬術大会で使用された馬。日高農業高校所有。かなりの荒馬だが、じつは「メガネ萌え」というきわめてニッチ(後輩・言)な性格。メガネをかけていれば性別関係ないようで八軒のメガネを借りた御影にも萌えたほか伊達メガネでもいいようだが、メガネがなければ同じ人間でも冷たいという非常にはっきりした好みをしている。
; アンドレ
: 吉野がフランスで出会った黒人系のボーイフレンド。彼女と共にチーズの勉強をしており、吉野曰わく、「チーズオタク神レベル」と評される程、チーズに対する味覚や知識は深く、何よりも性格が合うとの事。又、吉野が西川から卒業の際にDVDを渡されていた『くのしす』の大ファンで、そのアニメの影響で日本語もとても流暢に話せる。西川を『ニシカワ氏』と呼んで心の師としており、八軒達の卒業から4年後、彼女と共にチーズの食べ歩きと西川とのアニメの聖地巡りを目的に日本を訪れる。
 
== 作品舞台・用語 ==