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==文法==
{{main|英語の文法}}
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== 方言と変種 ==
英語は[[複数中心地言語]]であり、明確な標準語は存在しない。ただし、最も早くイングランドに植民地化されたアメリカでも17世紀初頭、それ以外は18世紀末から19世紀末にかけての植民地化によって英語圏となったため言語が分化する時間が短く、さらに英語圏諸国は密接な関係を維持しているために言語の断絶も少なくなっており、意思疎通ができなくなるほどの言語分化は起こっておらず、一体性を持った言語として存続している<ref>「言語世界地図」p197-199 町田健 新潮新書 2008年5月20日発行</ref>。英語の系統としては、アメリカ大陸への植民によってアメリカ英語とイギリス英語の系統に分かれており、アメリカ英語系統はカナダ英語とアメリカ合衆国英語とに分かれ、合衆国英語は植民地化した[[フィリピン英語]]の元となった。これに対し、イギリスは18世紀末以降の積極的な植民によって世界各地に英語圏を広げていき、オーストラリア英語やニュージーランド英語、西インド諸島英語やインド英語など、カナダを除く旧イギリス領諸国の英語は全てイギリス英語の系譜へと連なっている<ref>「英語の歴史」p137 寺沢盾 中公新書 2008年10月25日発行</ref>。
 
一方、英語圏の辺縁においては、言葉の通じないもの同士が簡単なコミュニケーションを取るための[[ピジン英語]]が各地で成立した。特に[[カリブ海]]地域においては、[[奴隷貿易]]によって連れてこられたものたちの間で多様なピジン言語が成立し、さらに次の世代には母語話者を得て文法・語彙が整備され、[[ジャマイカ・クレオール語]]に代表される英語系の[[クレオール言語]]が多数成立した<ref>「世界の英語ができるまで」p239-241 唐澤一友 亜紀書房 2016年4月5日第1版第1刷発行</ref>。このクレオール言語は[[解放奴隷]]によって[[西アフリカ]]へと持ち込まれ、[[クリオ語]]などの英語系クレオール言語がさらに成立した<ref>「世界の英語ができるまで」p247-249 唐澤一友 亜紀書房 2016年4月5日第1版第1刷発行</ref>。英領の太平洋諸島においてもこの過程は存在し、[[パプアニューギニア]]の[[トク・ピシン]]などの英語系クレオール言語が成立している<ref>「英語の歴史」p146 寺沢盾 中公新書 2008年10月25日発行</ref>。
 
=== 方言 ===
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=== 職業変種 ===
 
* [[航空英語]]
 
=== 民族変種 ===
 
* [[黒人英語]]
 
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=== 英語系クレオール言語 ===
 
* [[クリオ語]]
* [[ジャマイカ・クレオール語]]
139 ⟶ 137行目:
 
=== 混合言語 ===
 
* [[シェルタ語]]
 
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===インドの英語事情===
{{main|インド英語}}
[[インド]]では英語は[[ヒンディー語]]と並んで公用語の地位にあるが、現状に至るまでには紆余曲折が存在した。インドには英語の母語話者がほぼ存在せず、一方で北部を中心にヒンディー語が広大な共通言語圏を形成していたため、憲法制定時にはヒンディー語の単独公用語化が目指され、英語は「1965年までは公用語として併用される」との規定が定められていた<ref>「インド現代史1947-2007 上巻」p194-199 ラーマチャンドラ・グハ著 佐藤宏訳 明石書店 2012年1月20日初版第1刷</ref>。しかしまったく言語圏の違う南部の[[ドラヴィダ語|ドラヴィダ諸語]]圏からの反発が非常に強く、1965年に憲法における英語併用期限が切れると同時に激しい反対運動が巻き起こり、2週間後には事実上公用語2言語制の継続が決定した<ref>「インド現代史1947-2007 下巻」p16-21 ラーマチャンドラ・グハ著 佐藤宏訳 明石書店 2012年1月20日初版第1刷</ref>。一方で、ヒンディー語話者を中心に英語公用語化への反発も存在する<ref>「英語の歴史」p190-191 寺沢盾 中公新書 2008年10月25日発行</ref>。
 
=== 日本の英語事情 ===