「蕭範」の版間の差分

蕭範は学問や才芸を身につけなかったが、謀略家を自認し、古物を愛好し、文才ある者を招き集めた。[[541年]]（[[大同 (梁)|大同]]7年）、使持節・都督雍梁東益南北秦五州諸軍事・鎮北将軍・[[雍州]]刺史として出向した。[[547年]]（[[太清]]元年）、[[東魏]]に対する[[北伐]]がおこなわれると、蕭範は使持節・征北大将軍・都督漢北征討諸軍事となり、[[鄧州市|穣城]]に進攻した。ほどなく安北将軍・[[南豫州]]刺史に転じた。[[侯景]]が[[渦陽県|渦陽]]で[[慕容紹宗]]に敗れ、[[寿県|寿陽]]に撤退すると、翌年に蕭範は[[廬州|合州]]刺史となって、[[合肥]]に駐屯した。蕭範は侯景の叛心を見抜いてたびたび上奏しようとしたが、[[朱异]]に握りつぶされて武帝に届かなかった。

[[侯景の乱]]により建康が包囲されると、蕭範は子の蕭嗣と[[裴之高]]らを建康の援軍に向かわせた。[[549年]]（太清3年）、開府儀同三司の位を受け、征北将軍の号に進んだ。建康が陥落すると、蕭範は合肥を放棄して、東魏の援兵を求め、2子を人質として派遣した。[[550年]]（[[大宝 (梁)|大宝]]元年）、東魏は合肥を占拠したが、蕭範を助けようとはしなかった。蕭範は進退極まって、西上して軍を[[樅陽県|樅陽]]に置き、尋陽王[[蕭大心]]と連絡した。蕭大心は[[九江郡|九江]]に帰るため、蕭範とともに西上しようと信書を書き送った。蕭範は軍を率いて[[柴桑区|湓城]]に到達したものの、交通を遮断され、かれの率いる軍では多くの餓死者を出した。蕭範自身も憂憤の末に背中に膿瘍ができて死去した。享年は52。

*蕭嗣（字は長胤。侯景の乱のとき、[[晋州]]刺史となったが、侯景の部将の[[任約]]の攻撃を受けて、流れ矢に当たり、陣没した）

蕭範の子のうち16人は、蕭範の死後、侯景の部将の于慶之の攻撃を受けて[[侯瑱]]とともに反乱軍に降り、[[石頭城 (南京)|石頭城]]で穴埋めにされて殺された。