「ベーダ・ヴェネラビリス」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
subhead, xl
39行目:
 
== 著書 ==
今日ベーダの主著として知られるのは『[[イングランド教会史]]』(''{{lang-la-short|Historia ecclesiastica gentis Anglorum}}'', ''{{lang-en-short|Ecclesiastical History of the English People}}'', 5巻)である。この書はしばしば彼の名を付して『ベーダ』とのみ呼ばれる。これは現存する最古のイングランドの通史であり、ベーダはイギリス最初の史家として知られる<ref>{{Cite book|和書|author=ベーダ|year=2008|title=英国民教会史|publisher=講談社学術文庫|pages=P.345}}</ref>
 
ベーダは[[ブリタンニア]]の地理・住民と[[ローマ]]の支配を概括することからはじめ、聖人たちの業績や修道院の歴史を縦糸とし、イングランド各王国の盛衰を横糸として、その間にいくつかの奇跡(火災や難病治療についての)や教会内部の問題をつづり、最後に事件を年代記風に整理して、自己の略歴と著作を記して終わる。このときベーダが模範としたのは、[[ヨセフス]]の古代ユダヤを扱った歴史書、また[[エウセビオス]]の教会史であった<ref>{{Cite book|和書|author=ベーダ|year=2008|title=英国民教会史|publisher=講談社学術文庫|pages=P.334}}</ref>
 
『イングランド教会史』はイングランド初期のキリスト教の発達についてだけでなく、7世紀初めから8世紀前半にかけての信頼すべき史料となっている。ローマ支配下のブリタンニア、[[カンタベリーのアウグスティヌス]]の伝道、[[タルソスのテオドルス|テオドルス]]、[[メルシアのチャド|チャド]]、ウィルフリッドなど偉大な司教たちの事績や、サクソン人やジュート人の進入、スコットランド・アイルランドの当時の状況について、平易なラテン語で詳細で迫力ある叙述をおこない、文学としても高く評価されている。