「生人形」の版間の差分

'''生人形'''（いきにんぎょう）は、[[日本]]の[[見世物小屋#見世物|見世物]]のひとつ。'''活人形'''とも表記される。[[江戸時代]]の見立て細工のひとつ「生人形細工」として生まれ、1850年代後半から1880年代にかけては物語の登場人物を迫真的に表現した等身大の人形として見世物興行に使われて人気を博した<ref>[https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/48115/20190829144227666094/GeijutsuKenkyu_32_1.pdf　安本亀八の風俗人形―欧米博物館への作品寄贈と財界人]本田代志子、広島大学、藝術研究 第 32 号 2019</ref><ref name=ishihara>[https://doi.org/10.15083/00039257　近代医学と人形　ドレスデン国際衛生博覧会（1911）に出展された日本の生人形と節句人形]石原あえか、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻紀要　巻 21, p. 29-42, 2014-12-20 </ref>。

 

[[江戸時代]]の後期から[[明治]]時代にかけて製作された細工物であり、実際に生きている人間のように見えるほどの精巧な細工をほどこした人形であることからこう呼ばれていた。主に、説話・歴史中の人物、[[神仏]]、[[遊女]]、または[[足長手長]]や[[貫匈人|穿胸]]といった異国人物などを題材に製造され、日本各地の都市部などで興行された。[[松本喜三郎]]が[[大阪|大坂]]で[[安政]]元年（[[1854年]]）から、江戸の[[浅草]]で[[安政]]2年（[[1855年]]）から興行をして評判をとり、その後、見世物として興行が行われていった<ref name="misemono">「爆発! 見世物時代」（『[[芸術新潮]]』1990年10月号 [[新潮社]] 1990年 25-30頁）</ref>。興行の様子は[[歌川国芳]]や[[歌川芳艶]]などの手により[[錦絵]]にも描かれている<ref>稲垣進一、悳俊彦 編著『国芳の狂画』[[東京書籍]]、112 - 113頁。ISBN 4-487-75272-8。</ref><ref>『歌川芳艶─知られざる国芳の門弟』（展示図録）[[太田記念美術館]] 2011年 24頁</ref>。

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生人形以前の人形の見世物興行には張り抜き（[[張り子]]）細工で製造されていた人形もあり、大江忠兵衛や大石眼龍斎による[[嘉永]]5、6年（[[1852年]]、[[1853年]]）ころの作品はそちらの製法でつくられている<ref name="edo">古河三樹『図説庶民芸能-江戸の見世物』[[雄山閣]] 1993年 231-234頁</ref>。

 

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以上のふたりは明治時代に生人形の名人とされた。[[東京国立博物館]]などに作品が所蔵されているが、現存している作品数は非常に少ない。

 

生人形やそれに類する人形を製作した職人には以下の人物などが見られる。

* 山本福松

 

== 脚注 ==

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== 関連項目 ==

*[[日本人形]]

*[[蝋人形]]

*[[球体関節人形]]

*[[人造人間]]

 

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[[Category:人形]]