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噴火した期間は気象庁などで用いられている情報であり、年で区切っているわけではありません。
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2019年9月上陸調査の参加者は、[[魚]]を捕食する海鳥と、海鳥の死骸や食べ残し、他の節足動物などを餌にできる動物が定着し、植物性の餌に依存していた[[トノサマバッタ]]やオオシワアリが姿を消したと分析している<ref name="日経20200726"/>。
 
2021年7月7~167日から16日にかけて環境省が[[無人航空機]]と海中ロボットによる調査を実施した。陸上では海鳥5種(カツオドリやアジサシなど)の繁殖しており、周辺の海底では[[ヒドロ虫]]や、新種の可能性がある1種を含む[[コケムシ]]など80種以上の生物が確認された<ref>「西之島 新たな生態系/新種かコケムシ 戻った海鳥/環境省が調査」『[[読売新聞]]』朝刊2021年8月19日(社会面)</ref>。
 
== 海底火山の活動による地形の変化 ==
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島の付近では数年おきに海水の変色や蒸気の吹き上げが観測されていたが、2013年には旧火口の西方に出来た火口が噴火し、40年ぶりに新しい陸地を形成した。1973年と2013年のどちらも、当初は西之島から海面を隔てた「別の島」であったが、溶岩の噴出や[[堆積]]が進んで西之島と一体化している。2013年の噴火は1973年の噴火と比較して溶岩流出量が非常に多く、1973年の噴火による堆積で水深10メートル未満の浅瀬が広がっていたことにより、島の急激な成長に繋がった。一連の活動は2020年時点でなおも継続しており、陸地の規模は変化するとみられる。西之島から噴出している[[マグマ]]について、[[伊豆諸島]]の島である[[三宅島]]、[[八丈島]]、[[青ヶ島]]、[[鳥島 (八丈支庁)|鳥島]]などは[[玄武岩]]マグマを噴出するが、西之島では[[大陸]]地殻に似た[[安山岩]]マグマを噴出しているため、大陸形成過程の謎を解明する手がかりになるのではと研究者が注目している<ref>[http://www.jamstec.go.jp/j/jamstec_news/20140612/ 西之島の不思議:大陸の出現か?] [[海洋研究開発機構]](JAMSTEC)海洋掘削科学研究開発センター 2014年6月12日 2019年9月29日閲覧</ref>。
 
=== 1973年5月から1974年5月にかけての噴火に伴う経過 ===
[[ファイル:Nishinoshima mlit1978.jpg|300px|right|thumb|[[空中写真]](1978年当時)<br />写真上方が西北。湾を挟んで上の部分が旧島、下の部分が1973年の噴火により形成された新島。後に湾になっている部分が堆積作用により土砂で埋まり、2013年の噴火直前は台形状の海岸線になっていた。]]
[[1973年]]([[昭和]]48年)[[5月30日]]、西之島の東南方600メートルで海底火山の噴火があり、[[9月11日]]に新しい島が出現した。[[12月21日]]には[[海上保安庁]]により「西之島新島」と命名された。この時点で新島の大きさは、東西550メートル、南北200 - 400メートル、面積0.121平方キロメートル、標高52メートルに達していた。その後も[[火口|火孔]]の増加、噴石の堆積やマグマの流出により新島は成長を続け、翌年には西之島と陸続きとなり<ref name="kubota">{{PDFlink|[http://www.kubota.co.jp/siryou/pr/urban/pdf/15/pdf/15_2_7.pdf 日本の火山-7 西之島新島]}} 小坂丈予『アーバンクボタ』NO.15、1978年1月([[クボタ]])2019年9月29日閲覧</ref><ref name="小坂740504">{{PDFlink|[https://www.gsj.jp/data/chishitsunews/74_05_04.pdf 西之島火山の活動とその観測]}} 小坂丈予(2019年9月29日閲覧)</ref>、北側が開いた「コ」の字形(馬蹄型)の地形の内側に湾を持つ島となった。
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:*[[6月10日]] - 漂砂などにより新島と旧島が接続した事を確認。馬蹄形の形状となる<ref name="kubota" />。
 
=== 2013年11月から2015年11月にかけての噴火に伴う経過 ===
{{Multiple image
| align = right
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:* 6月21日 - 2016年12月20日時点の情報を元にした西之島の[[地図]]・[[海図]]の完成が発表された。6月30日から提供される。面積は[[東京ドーム]]約58個分となり、日本の管轄海域([[領海]]と[[排他的経済水域]]を合わせた範囲)は約50平方キロメートル拡大。ただしこの時点で既に下記のように新たな噴火活動による海岸線の変化が始まっており、噴火活動が落ち着き次第作り直すとされた<ref>{{Cite web|url=http://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/kikakuchousei61003.html|title=西之島の面積が約9倍になりました|publisher=国土地理院|date=2017-06-21|accessdate=2017-06-29}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/h29/k20170621/k170621-2.pdf|title=西之島の海図が完成|format=PDF|publisher=海上保安庁|date=2017-06-21|accessdate=2017-06-29}}</ref>。
 
=== 2017年4月から8月にかけての噴火に伴う経過 ===
2017年(平成29年)4月20日に再噴火が確認され、やがて2014年から2015年にかけての最盛期並みの規模に活発化したのち、同年8月に沈静化した。休止した噴火が短期間で再噴火する例は珍しく、2013年からの一連の活動だと推測する専門家もいる。<ref>{{Cite web|url=http://www.jiji.com/jc/article?k=2017061900803|title=西之島噴火、14~15年並みに活発=気象研が船で観測|publisher=時事通信|date=2017-06-19|accessdate=2017-06-29}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://www.mri-jma.go.jp/Topics/H29/290619_nishinoshima/press_290619_nishinoshima.html|title=気象庁海洋気象観測船「啓風丸」で観測された西之島の火山活動|publisher=気象庁気象研究所|date=2017-06-19|accessdate=2017-06-29}}</ref>
 
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:* 7月4日 - 海上保安庁は航空機による[[レーザー]][[測量]]を開始。火山活動で面積が拡大していることにより、2016年10月頃と比べて[[領海]]が約4平方キロメートル、[[排他的経済水域]] (EEZ) が約46平方キロメートル拡大する見込みだと10月5日に発表した<ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2018100500841&g=soc|title=西之島噴火で領海拡大=4平方キロ、測量実施-海保|publisher=[[時事通信]]|date=2018-10-05|accessdate=2018-10-05}}</ref>。
 
=== 2018年7月の噴火に伴う経過 ===
[[ファイル:Nishinoshima Stone.jpg|thumb|西之島の石([[地図と測量の科学館]]展示品)]]
;2018年(平成30年)
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:*9月13日-2019年9月13日付の『東京都公報』16936号の東京都告示第四百五十四号「新たに生じた土地の確認」の告示が出される<ref name = tokyoto-koho16936>[http://tokyoto-koho.metro.tokyo.jp/files/koho/y2019/16936.pdf 東京都公報16936号] - 2019年9月16日閲覧</ref>。
 
=== 2019年12月から2020年8月にかけての噴火に伴う経過 ===
{{Multiple image
| align = right
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:*12月7日 - 航空機による調査で溶岩が海に達したことが確認された<ref name="ロイター20191207">{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/article/idJP2019120701002186|title=西之島、溶岩が海まで到達|publisher=[[ロイター]]|date=2019-12-08|accessdate=2019-12-08 | archiveurl=http://web.archive.org/web/20191208071908/https://jp.reuters.com/article/idJP2019120701002186 | archivedate=2019-12-08}}</ref>。
:*12月15日 - 海上保安庁の上空からの観測により、新たに北側に出現した火口からの溶岩も北西側の海岸に到達していることが確認された。気象庁が火口周辺警報と海上警報を発表し、警戒が必要な範囲を山頂火口から約2.5キロメートルに引き上げた<ref>{{Cite web|url=https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/2/32434.html|title=西之島「火口3つ」数秒毎に爆発!温度さらに高く…以前より活発化の可能性|publisher=ハザードラボ|date=2019-12-17|accessdate=2019-12-17}}</ref>。
=== 2020年の噴火に伴う経過 ===
;2020年(令和2年)
:*1月17日 - 海上保安庁の観測で、北東側の海岸に溶岩が流出していることが確認された<ref>{{Cite web|url=https://www.kaiho.mlit.go.jp/info/kouhou/post-715.html|title=西之島の噴火について(1月17日観測)|publisher=海上保安庁|date=2020-01-17|accessdate=2020-02-05}}</ref>。2月4日の観測でもさらに活動が高まっており、島の北側の拡大が予想された<ref>{{Cite web|url=https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33012.html|title=拡大止まらぬ西之島「5秒毎に噴火」噴煙2700m上昇!海保が撮影(最新動画)|publisher=ハザードラボ|date=2020-02-05|accessdate=2020-02-05}}</ref>。
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:*10月5日 - 海上保安庁の上空からの観測で噴火は確認されず、噴煙だけが観測された<ref>{{Cite web|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201008/k10012654861000.html|title=全国の火山概況(9月)全国の9火山に「火口周辺警報」|publisher=NHK NEWS WEB|date=2020-10-08|accessdate=2020-11-13}}</ref>。10月28日の観測でも噴火は確認されず、気象庁は噴火がほぼ停止しているという見方を示した<ref>{{Cite web|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201110/k10012705111000.html|title=全国の火山概況(10月)全国の9火山に「火口周辺警報」|publisher=NHK NEWS WEB|date=2020-11-10|accessdate=2020-11-13}}</ref>。
:*12月18日 - 8月下旬以降噴火が確認されず火山活動が低下しているとして、気象庁は警戒範囲を約2.5kmから約1.5kmに縮小した<ref>{{Cite web|url=https://weathernews.jp/s/topics/202012/180105/|title=小笠原諸島・西之島 活動が落ち着き警戒の範囲を縮小|publisher=ウェザーニュース|date=2020-12-18|accessdate=2020-12-22}}</ref>。ただし警戒は引き続き必要としている。
=== 2021年の噴火に伴う経過 ===
;2021年(令和3年)
:*1月4日 - 山頂の火口から噴煙が上がり、島の南側から600mまで黄色い変色水が確認された。茶色や黄色の変色水は火山活動が激しい証拠で海中噴火していると考えられる。
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:*3月7日 - 噴煙は急激に弱まるが、依然として島の西側に黄色い変色水が観測された。
:*4月8日 - 噴煙は完全に収まる。なお島の西側から南側にかけて黄色い変色水が観測された。
 
=== 202020218月からの噴火に伴う経過 ===
:*8月14日 - 午前6時ごろに人工衛星によって2020年8月下旬以来となる噴煙が確認される。噴煙の高さは約1900m<ref>{{Cite web|url=https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/volinfo/VK20210814070200_326.html|title=火山の状況に関する解説情報(西之島第1号)令和3年8月14日07時02分|publisher=気象庁|date=2021-08-14|accessdate=2021-08-14}}</ref>。