「失われた時を求めて (バレエ)」の版間の差分

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場面展開の順序は概ね原作通りであり、[[ベル・エポック]]から[[第一次世界大戦]]へという時代の変遷を背景に進行する{{Sfn|Schmid|2013|p=189}}。この時間経過は音楽的にも表現されており、第1幕では若い頃のプルーストが称賛した作曲家([[セザール・フランク|フランク]]、[[サン=サーンス]]、[[ドビュッシー]]、[[ガブリエル・フォーレ|フォーレ]]ら)の楽曲が使われるのに対し、第2幕では、年齢を重ねたプルーストが好むようになった[[ベートーヴェン]]と[[リヒャルト・ワーグナー|ワーグナー]]の作品が加わる{{Sfn|Schmid|2013|p=189}}。
 
{{Double image aside|right|Claude Monet - Cliff Walk at Pourville - Google Art Project.jpg|210|(Albi) Au Salon de la rue des Moulins - Henri de Toulouse-Lautrec 1894 MTL.inv180( small).jpg|200|[[クロード・モネ|モネ]]『{{仮リンク|プールヴィルの断崖の上の散歩|en|The Cliff Walk at Pourville}}』|[[アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック|ロートレック]]『ムーラン通りのサロン』}}
[[舞台美術]]の意匠は場面ごとに異なり、写実的な装置や衣装が用いられている場面と、説明的な装置を省き[[裸]]に近い恰好で演じられる場面とがある{{Sfn|Schmid|2013|p=189}}。また、第1幕の「天国」と第2幕の「地獄」の対比も舞台美術によって表現されている{{Sfn|Schmid|2013|p=191}}。第1幕では涼しげな白と青が象徴的に使われており、広々とした自然の景観や海などが描写される{{Sfn|Schmid|2013|p=191}}。一方、第2幕では赤と黒が使われ、[[娼館]]や[[地下鉄]]などの閉鎖的な空間が舞台となる{{Sfn|Schmid|2013|p=191}}。第1幕が[[ピエール=オーギュスト・ルノワール|ルノワール]]や[[エドゥアール・マネ|マネ]]、[[クロード・モネ|モネ]]らの[[絵画]]を彷彿とさせるのに対し、第2幕の[[娼館]]の場面は[[アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック|ロートレック]]の作品を思わせる{{Sfn|Schmid|2013|p=191}}。