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==概要==
シバの女王についてもっとも古い記録は『[[旧約聖書]]』「[[列王記]]上」10章<ref>[[s:列王紀上(口語訳)#第10章]]</ref>および「[[歴代誌]]下」9章<ref>[[s:歴代志下(口語訳)#第9章]]</ref>にみえる。それによると、「シバの女王は[[ソロモン]]の知恵の噂を伝え聞くと、多くの随員を伴って、香料、大量の金、宝石などの贈り物を[[ラクダ]]で運び、難問を以って彼を試そうと[[エルサレム]]を訪問した。女王はソロモンに数々の質問を浴びせるが、ソロモンに答えられないことは何も無かった。また、その宮殿、食卓の料理、居並ぶ臣下、神殿の燔祭などの様子を目の当たりにした女王は感嘆し、ソロモンが仕える神を称え、金200キカル(1キカルは約34.2kgなので6.84t)と非常に多くの香料や[[宝石]]を贈った。ソロモンも女王に対して贈り物をしたほか、彼女の望むものを与えた。こうして女王一行は故国に帰還した。」という内容である。この通り『[[旧約聖書]]』には女王の名前もシバ国の位置も記されていないが、後世になると地域や宗派によって様々な伝承が付随することになる。
 
==シバ国の位置==
[[1世紀]]の人物、[[フラウィウス・ヨセフス]]著の『ユダヤ古代誌』によるとシバの女王は「[[エジプト]]と[[エチオピア]]を支配した女王」で、名前は'''ニカウレー'''(Nikaule)と記されている<ref group="注">ヨセフスはエチオピアの王都サバは後の[[メロエ]]([[スーダン]]の都市)であるとしているため、現在の[[エチオピア]]とは位置が異なる</ref>。ヨセフスの指す「サバ」は『[[旧約聖書]]』「[[イザヤ書]]」にあるエジプトやスーダン南方の「セバ(Saba)」と「[[列王記]]」の「シバ(Sheba)」との混同あるいは同一視があると指摘されている<ref>蔀 勇造『シェバの女王』p21</ref>。
 
一方で、紀元前4世紀から前1世紀にかけて[[テオフラストス]]、アガタルキデス、[[ストラボン]]などの著作に南アラビアの[[香辛料]]の産地として「サバ」という国が記されている。また、5世紀のフィロストルギオス著の『教会史』では、女王の国は南アラビアにあったとしている。『教会史』によると4世紀ごろに南アラビアを支配していた[[ヒムヤル王国]](現イエメン西岸)は、かつてサバと呼ばれその首都から女王がソロモンに会うために出立したと記されている。しかし、紀元前7世紀ごろにサバ王カリブイル・ワタルがアッシリア王に貢納したことを記した碑文より以前、つまりソロモンの活動した[[紀元前10世紀]]ごろにシバ国が存在したことを証明する資料や碑文などは発見されていないため史実性は否定されている<ref>蔀 勇造『シェバの女王』p24</ref>。
 
王国の所在地については上記のようにエチオピア近辺と南アラビアの二説があるが、両地域はまったくの無関係ではない。南アラビアのサバ国と、対岸の[[エリトリア]]、[[エチオピア]]北部には、両地域の深い関係を示す遺跡や碑文が多数残されている。また、[[紀元前5世紀]]ごろの王は「ダァマトとサバのムッカリブ」と称したが、現地民のダァマトと移民のサバを支配するムッカリブ(王たちの支配者)という意味で、この「ムッカリブ」は同時代の南アラビアでも使用されたなど称号に関しても両地域の関係性が見られる<ref>蔀 勇造『シェバの女王』p31</ref>。
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Betty_Blythe_Queen_of_Sheba_adjusted.jpg|{{small|シバの女王を演じる女優ベティ・ブライス<br/>1921年}}
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== 脚注 ==
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== 出典 ==
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== 参考文献 ==
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* [[シバノジョオウノタマグシ]](シバの女王の玉櫛) - [[キョウチクトウ科]]の多肉植物。[[マダガスカル]]産。学名:Pachypodium densiflorum
* [[シバ (小惑星)]] - シバの女王に因んで命名された小惑星
* [[グレート・ジンバブエ遺跡]] - [[19世紀]]、最初に遺跡を目にしたヨーロッパ人は「黒人にこのようなものが作れるはずがない」という偏見から「シバの女王に関係する遺跡」とし、かつての白人社会では有力な説であった<ref>[[宇佐美久美子]]「アフリカ史の意味」P47~50、[[山川出版社]]、1996年</ref>。なお、[[イスラエル]]と[[ジンバブエ]]は5000[[キロメートル|km]]程度離れている。
 
== 脚注 ==
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== 出典 ==
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==外部リンク==