「前田利為」の版間の差分

利為は相続により、現在の[[東京大学本郷地区キャンパス|東大本郷キャンパス]]の南西部（現在の[[東京大学総合研究博物館|東大総合研究博物館]]・[[東京大学東洋文化研究所|東洋文化研究所]]付近）に壮大な敷地（旧[[加賀藩]]邸の敷地の一部）を所有し、天皇を迎えるため当地に[[近代和風建築|和館]]（[[1905年]]（明治38年））・[[西洋館|洋館]]（[[1907年]]（明治40年））を造営していた。1926年、利為はこれらの敷地・邸宅を[[東京大学|東京帝国大学]]（当時）に譲渡し、それと引き換えに当時[[東京大学大学院農学生命科学研究科・農学部|東京帝大農学部]]が所在していた[[東京大学駒場地区キャンパス|駒場校地]]の一部を取得、ここに邸宅を新築した（前田邸は現在の[[駒場公園 (目黒区)|駒場公園]]内に現存。ただし戦後、前田家の所有を離れている）。同時に、隣地に前田育徳会の本部を設立している。1965年には同敷地内に[[日本近代文学館]]の建物の建設も始められた<ref>「近代文学館、十六日に着工」『日本経済新聞』昭和40年8月3日、14版、15面</ref>（開館は1967年）。

なお、本郷の旧邸（和館・洋館）は東大の迎賓館「懐徳館」としてしばらく使用されたが、[[1945年]]（昭和20年）の[[東京大空襲]]により全壊・全焼した（瓦礫となった旧構の一部は本郷キャンパスの一角に保存されている）。前田家の庭師であった[[伊藤彦右衛門]]が1910年(明治43年)に作庭した[[懐徳館庭園]]は作庭当時の風景を現代に継承しており、2015年に国の[[名勝]]に指定された<ref>[https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/articles/t_z1601_00004.html　懐徳館庭園、国の名勝に指定される]東京大学、2015年3月18日</ref>。