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Abe.Shin.PM. (会話 | 投稿記録)
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: 政府は独立性を有さず、議会の指揮下におかれている政治制度(内閣不信任や議会解散権はない){{Sfn|芦部信喜|高橋和之|2011|p=320}}{{Sfn|大石眞|2004|p=85}}。
 
政治モデルとしては、[[アメリカ型大統領制]]が[[立法権]]と[[行政権]]を厳格に分離させた上で権力の分散という点を強調し[[権力分立]]を指向するのに対し、イギリス型議院内閣制は立法権と行政権が政権党によって一元化され強力な内閣のもとに権力の集中を容認する制度であるとされる<ref>飯尾潤著 『日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ』 中公新書、2007年、143・154頁</ref>{{Sfn|佐々木毅|清水真人|2011|p=376}}。厳格な権力分立によって行政権のみ付与されているアメリカ型大統領制に比して、議院内閣制のもとで、首相は[[政府の長|行政府の長]]としての権限を有すると同時に、議会多数派を支配し現に内閣を組織している[[与党|内閣政権与党]]の[[党首]]として、立法権と行政権の両面で強力な指導力を行使できる<ref>[https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=1260 【書評】『首相の権力-日英比較からみる政権党とのダイナミズム-』高安健将著 | 研究活動 | 東京財団政策研究所]</ref><ref> 『政治・経済用語集』(山川出版社)<!-- 『政治・経済用語集』(山川出版社)の「内閣総理大臣」項目と{{Sfn|西尾勝|2001|p=103}}も一部参考に記述--></ref>。したがって、議院内閣制には集権性・集約性がみられるとされ、特にイギリスでは[[独任制|首相統治制]]・[[二大政党制]]を背景に首相権力の強い議院内閣制となっている{{Sfn|辻清明|1976|p=11}}。
 
国民による公選によって選出される大統領とは異なり、議院内閣制における内閣は国民から直接選ばれるわけではないため、自らの民主的正統性の根拠について議会からの信任に依拠することになる{{Sfn|野中俊彦|中村睦男|高橋和之|高見勝利|2006|p=164}}。議院内閣制の下では原理的には議会は内閣に優位することになり、アメリカ型の大統領制に比して[[権力分立]]という自由主義的側面は後退することになるが、国民(有権者)→議会(議院)→内閣(首相・大臣)→行政各部(官僚)という権限の委任と監督の連鎖と、内閣→議会(議院)→国民(有権者)という責任の連鎖を構築することによって行政権の民主的コントロールを確保するとともに、議会の多数党派が行政部の中枢機関を担うこととして政治上の責任の所在を明確にして民主主義的要請に応えようとする制度であるとされる{{Sfn|小林直樹|1981|pp=234-235}}{{Sfn|毛利透|小泉良幸|淺野博宣|松本哲治|2011|p=233}}{{Sfn|佐々木毅|清水真人|2011|p=376}}。