「練馬図書館テレビドラマ事件」の版間の差分

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6月16日の図書館・番組制作者・日図協・図問研の話し合いにおいて番組側が理解を示し、脚本の変更に応じた。貸出名簿の提出を求めた刑事に対し図書館員が「それはできません。読書の自由を侵すことになりますから。」と毅然と断り{{r|nerima-lib}}、貸出記録を職員が確認して、捜査上必要なところだけを刑事に教える筋書きに変更された<ref>{{Cite web |date=2005-05-29|url=http://www.nal-lib.jp/events/reikai/2005/sp-report.html|title=2005年度特別研究例会報告|publisher=日本図書館研究会|accessdate=2021-05-30}}</ref>。台詞には、貸出名簿は容易に見せたり貸し出したりできない旨、貸出記録を残している図書館は減少している旨が盛り込まれた{{r|mitoma}}。実在の図書館を舞台、またはロケ地として使用する場合において、図書館側が脚本の閲覧を求め、館の運営基準と異なる場合には修正を求めることは、[[検閲]]には該当しないと考えられる。しかし、スタジオのセットで撮影される場合や、小説やコミック等では論拠を失う限界がある<ref>{{Harv|図書館の自由委員会|1997|pp=143-144}}</ref>。
 
本件を契機に図書館の貸出記録の秘密保持への関心が高まり、[[1974年]](昭和49年)4月に施行された東京都[[東村山市]]の東村山市図書館設置条例には、利用者の秘密を守る義務が明文化された。1979年(昭和54年)には、[[日本図書館協会]]による[[図書館の自由に関する宣言]]が改訂され、第3項に「図書館は利用者の秘密を守る。」が付け加えられた{{r|kaisetsu}}、[[日本国憲法第35条|憲法第35条]]による[[令状]]を確認した場合は例外としており、警察に提供する事例はある<ref name=":0">{{Cite web|title=捜査機関から「照会」があったとき|url=http://www.jla.or.jp/committees/jiyu/tabid/658/Default.aspx|website=www.jla.or.jp|accessdate=2021-09-27}}</ref>
 
== 類例 ==
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学校図書館問題研究会は漫画『[[花よりも花の如く]]』第18巻<ref>{{Cite web |date=2019-03-15|url=http://gakutoken.net/opinion/appeal/?action=common_download_main&upload_id=1062|title=『花よりも花の如く』18 巻と『魔法にかかった新学期』2 巻における 利用者のプライバシーにかかわる描写について|format=PDF|publisher=学校図書館問題研究会|accessdate=2021-06-10}}</ref>、2007年(平成19年)に日本テレビ系で放送されたアニメ『[[名探偵コナン (アニメ)|名探偵コナン]]』第461話「消えた1ページ」<ref>{{Cite web |date=2007-03-01|url=http://gakutoken.net/opinion/?action=cabinet_action_main_download&block_id=305&room_id=1&cabinet_id=2&file_id=52&upload_id=500|title=「名探偵コナン」1 月 22 日放送 第 461 話「消えた 1 ページ」についての申入書|format=PDF|publisher=学校図書館問題研究会|accessdate=2021-06-10}}</ref>、2005年(平成17年)に[[フジテレビジョン|フジテレビ]]系で放送のテレビドラマ『[[みんな昔は子供だった]]』第3話の同様のシーンでも申し入れを行っている<ref>{{Cite web |date=2015-03-01|url=http://gakutoken.net/opinion/?action=cabinet_action_main_download&block_id=305&room_id=1&cabinet_id=2&file_id=57&upload_id=505|title=ドラマ「みんな昔は子供だった」第 3 回についての申入書|format=PDF|publisher=学校図書館問題研究会|accessdate=2021-06-10}}</ref>。
 
== 情報の保存と提供 ==
日本図書館協会では「利用者の秘密を守るためには履歴は保存しないのが原則」としているが、[[カーリル]]など図書館が利用する検索システムでは履歴の保存機能がオプションとして用意されており、本人への情報提供として導入している図書館が増えている<ref>{{Cite web|title=広がる図書館の履歴保存 脅かされる秘密、懸念の声も:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASP6D55QBP6CUTIL04V.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-09-27|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|title=法政大、図書館vs法学部 貸し出し履歴の保存巡り3年:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASP5X7KGQP5WUTIL05Y.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-09-27|language=ja}}</ref>。
 
2010年代から、図書館が憲法第35条による令状ではなく、[[任意捜査]]である[[照会|捜査関係事項照会]]により、利用者が借りていた本の書名や予約状況を提供する事例が増えている<ref>{{Cite web|title=図書館の貸し出し履歴、捜査機関に提供 16年間で急増:朝日新聞デジタル|url=https://www.asahi.com/articles/ASP5V45Q1P5MUTIL03Z.html|website=朝日新聞デジタル|accessdate=2021-09-27|language=ja}}</ref><ref name=":0" />。
 
== 脚注 ==