「エデンの東 (映画)」の版間の差分

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キャルとアロンの「きょうだい」問題
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== ストーリー ==
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1917年、アメリカ合衆国[[カリフォルニア州]][[サリナス (カリフォルニア州)|サリナス]]。当地トラスク家アダム次男息子ケイレブ(愛称キャル)は、秘密を探っていた。[[無賃乗車]]して、[[モントレー]]の港町でいかがわしい酒場を経営している中年女性ケートを尾行していた。彼女が、死んだと聞かされていた自分の母かもしれない人物だったからである。キャルは父アダムの企画していた[[レタス]]の[[コールドチェーン|冷凍保存]]に使用される氷を屋外に滑らせ砕き、そのことで父から[[聖書]]の一説を引用した叱責を受ける中、「自分のことを知りたい、そのためには母のことを知らなければ」と母のことを問い質す。アダムは母との不和を話したが、彼女は死んだということは揺るがない。キャルはケートの店に向かい、彼女と直接対面するも話には応じられず追い返されてしまう。その後、キャルはアダムの旧友である[[保安官]]のサム・クーパーから誰にも見せなかったという両親が結婚した時の写真を見せられ、ケートが自分の母だと確信する。
 
ある日、キャルは「父から愛されていないのではないか」という自分の悩みを、きょうだいであるアーロンの恋人・アブラに打ち明ける。すると、彼女も同じ悩みを抱えていたことがあったことをキャルに打ち明け、二人の心が近づく。
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一方、その観覧車の下では、靴屋のグスタフ・アルブレヒトが反ドイツ感情の強い人々に小突かれて、その中にアーロンが巻き込まれたことを目撃したキャルは彼を助けるべく騒ぎの中へと飛び込み乱闘騒ぎとなる。保安官のサム・クーパーがその場を収め騒ぎは静まったが、キャルは乱闘に巻き込まれたアーロンを助けに入っのに、アブラが近くにいたので、アーロンはキャルがアブラの前でいいかっこをしたかっただけだと思ってしまい殴り合いを始める。
 
大豆の取引によってキャルが得た利益が父アダムの損失額を補填できる金額になり、アダムの誕生日にそれを渡すキャル。しかし、戦争に良い感情を持たず、戦争を利用して大金を得たことをアダムは叱責して金を受け取らず、アーロンとアブラが婚約を伝えたように清らかなものが欲しかったと語る。キャルは大声で泣き「父さんが憎い」と叫んで出て行く。嘆くキャルをアブラが慰めているのを目撃したアーロンは激昂。アブラにキャルのところに行くなと厳しい口調で伝える。それに対してキャルは父への憎しみが何時しかアーロンへの憎しみに変わり、母であるケートの酒場にアーロンを連れていき初めて彼に母と対面させる。驚いたアーロンを母と二人きりにさせてキャルが帰宅する。アダムにアーロンの行方を問われたキャルは'''「知らないね、僕は兄さんの子守りじゃないんだ」'''{{efn2|[[カインとアベル]]の逸話にて、アベルを殺害したカインがアベルの居場所を尋ねられた際の返答。ただし、アベルはカインの弟であり、本作の日本語訳(よく知られているもの)では兄弟の立場が逆転している。英語版では「I'm not my brother's keeper.」}}と返し、ケートが家を出た理由にも触れ、父との決別を告げる。アーロンは最も軽蔑する女が自分の母であったことを知って激しいショックを受け、自暴自棄になって、その日のうちに出兵する。
 
アダムは知らせを受けて駅に行く。出兵する若者を乗せた列車の窓からアーロンは頭でガラスを破って父を笑い、列車は動き出す。そのことはアダムにとって余りのショックで、列車が出た直後[[脳出血]]で倒れ、身動きも出来ない重病人となった。身体が麻痺して寝たきりの状態になって看護婦が付きっきりになった。キャルは自分がやったことで起きた事態に良心の呵責に苦しむ。皆が見舞いに来る中で保安官のサムがキャルに「アダムとイヴの子カインは、嫉妬の余りその弟アベルを殺す。やがてカインは立ち去りて、エデンの東[[ノドの地]]に住みにけり」と旧約聖書の一節を語って、取りあえずお前はこの家から出て行った方がいいと諭す。自分も去らねばならないと決意したキャルは病床にあるアダムに許しを乞うが、アダムはもはや虚ろな目で何の反応も示さない。キャルは絶望の淵に立つこととなった。