「007 ドクター・ノオ」の版間の差分

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{{Portal 文学}}{{Otheruses|イアン・フレミングの小説|1962年の映画|007は殺しの番号}}
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{{Portal 文学}}
『'''007 ドクター・ノオ'''』(ダブルオーセブン ドクター・ノオ、''Dr. No'')<ref>リバイバル封切りとしての前作「007 ロシアより愛をこめて」から「ダブルオーセブン」の読みになっている。ただし、テレビでは「ゼロゼロセブン」と読むナレーションや解説もある。</ref>は、[[イアン・フレミング]]の[[長編小説]]。「[[ジェームズ・ボンド]]」シリーズ第6作。[[1958年]]、[[ジョナサン・ケープ]]より出版された。日本では[[1959年]]に[[早川書房]]から[[井上一夫]]訳により[[ハヤカワ・ポケット・ミステリ]]で発売された。
 
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|}
*
 
== 映画 ==
{{Infobox Film
| 作品名 = 007は殺しの番号
| 原題 = Dr. No
| 画像 = Logo dr no us.svg
| 監督 = [[テレンス・ヤング]]
| 脚本 = リチャード・メイボーム<br />ジョアンナ・ハーウッド<br />バークレイ・マーサー
| 原作 = [[イアン・フレミング]]
| 製作 = [[ハリー・サルツマン]]<br />[[アルバート・R・ブロッコリ]]
| 出演者 = [[ショーン・コネリー]]<br />[[ウルスラ・アンドレス]]<br />[[ジョセフ・ワイズマン]]<br />[[ジャック・ロード]]<br />[[バーナード・リー]]<br />[[アンソニー・ドーソン]]<br />[[ジョン・キッツミラー]]<br />[[ゼナ・マーシャル]]<br/>[[ユーニス・ゲイソン]]
| 音楽 = モンティ・ノーマン
| 撮影 = [[テッド・ムーア]]
| 編集 = [[ピーター・R・ハント|ピーター・ハント]]
| 配給 = [[ユナイテッド・アーティスツ]]
| 公開 = {{flagicon|GBR}} 1962年10月5日<br />{{flagicon|USA}} 1963年5月8日<br />{{flagicon|JPN}} 1963年6月1日
| 上映時間 = 105分
| 製作国 = {{GBR}}<br />{{USA}}
| 言語 = [[英語]]
| 製作費 = $1,000,000<ref name="numbers">{{Cite web|url=https://www.the-numbers.com/movie/Dr-No|title=Dr. No (1963)|publisher=[[:en:The Numbers (website)|The Numbers]]|language=英語|accessdate=2020-12-24}}</ref>
| 興行収入 = {{Flagicon|World}} $59,567,035<ref name="numbers" />
| 配給収入 = {{Flagicon|JPN}} 5780万円
| 前作 =
| 次作 = [[007 ロシアより愛をこめて#映画|007/危機一発]]
}}『'''007は殺しの番号'''』(原題: '''''Dr. No''''')は、1962年の[[テレンス・ヤング]]監督による[[スパイ映画]]。出演は[[ショーン・コネリー]]、[[ウルスラ・アンドレス]]、[[ジョセフ・ワイズマン]]、[[ジャック・ロード]]らで、映画「[[ジェームズ・ボンド]]」シリーズの第1作目である。製作は[[ハリー・サルツマン]]と[[アルバート・R・ブロッコリ]]が担当し、この関係は1975年まで続いた。邦題は後に『'''007/ドクター・ノオ'''』に改められた。{{Portal 映画}}
 
=== ストーリー ===
時代は[[東西冷戦|冷戦]]真っ只中。アメリカの要請で、月面ロケット発射を妨害する不正電波を防ぐ工作をしていたジャマイカ駐在の[[秘密情報部|英国秘密情報部]](MI6)の諜報部員ジョン・ストラングウェイズとその新人助手メアリーが消息を絶つ。秘密諜報部は、リモート・コントロールによってジャイロスコープ・コントロールを狂わせる装置が使用され、その発信地がジャマイカ付近であることを突き止める。秘密情報部のエリート諜報員「007」ことジェームズ・ボンドは、その捜査を命じられ、ジャマイカのキングストンへ飛ぶ。
 
アメリカの月面ロケット打ち上げを目前に控え、ボンドは同じ理由で同地を訪れていた[[中央情報局|CIA]]のフィリックス・ライターと知り合い、クラブ・キーの所有者ドクター・ノオが怪しいと知らされる。領事館の運転手に成りすましたジョーンズ、ボンドを偵察するミス・ターロ、「スリー・ブラインド・マイス」と名乗る殺し屋三人組、毒蜘蛛タランチュラと6連発式連弾銃を使うデント教授らを、次々にボンドは撃退した。
 
満を持してボンドは島の漁師クォレル、そして同地で出会った美女、ハニー・ライダーと協力し、その妨害者の発見と危機回避のため、近付く者は無事に帰ったことのない「ドラゴン」の伝説があるクラブ・キーへ乗り込む。だが、クォレルはドラゴン戦車に焼殺され、ボンドとライダーは運転手に捕縛され、ノオの秘密基地に連行された。そこで全身を[[放射線]]除去洗浄の後、麻薬入りのコーヒーで意識を失ってしまった。
 
目覚めると、彼らは、中国系ドイツ人科学者で表向きはボーキサイト鉱山業者であるジュリアス・ノオ博士からディナーに招待される。彼は中国の犯罪組織トングの元メンバーで、研究中の放射線被ばくのために金属の義手を持ち、現在は巨大な謎の犯罪組織スペクターのために働いていた。ノオ博士はカナベラル岬からの月ロケット発射というアメリカ合衆国のマーキュリー計画を失敗させることを計画していた。彼はボンドをスペクターのメンバーに採用しようとしたが断られ、ノオは怒りで金属製の置物を義手で握り潰す。夕食後、ライダーは連れ去られ、ボンドは警備員に羽交い絞めにされ、殴られたうえで高圧電流の流れる窓のある独房に投獄される。
 
ボンドは独房の通気口から脱出し、原子炉の作業員に扮装して、原子炉プールを備えたノオの管理センターへ潜入する。アメリカのロケットが離陸すると、ボンドは原子炉に過負荷をかけた。妨害に怒ったノオはボンドに義手で殴り掛かり、二人は原子炉プールに降下していく昇降機に転落して格闘する。ノオは金属製の義手が滑って梯子がつかめずプールへと姿を消す。ボンドは梯子を上って原子炉プールから脱出、管理センターから出てライダーを見つけて解放した。
 
2人はボートで島を脱出し、ノオの秘密基地全体が爆発した。ボートが燃料を使い果たし漂泊した後、彼らは英国海軍の船に搭乗したライターによって発見され牽引してもらう。ボンドとライダーはボートの中でキスをするシーンで幕が閉じる。
 
=== スタッフ ===
* 原作 - イアン・フレミング
* 監督 - [[テレンス・ヤング]]
* 原案 - ウォルフ・マンコウィッツ(クレジット無し)
* 脚本 - [[リチャード・メイボーム]]、ジョアンナ・ハーウッド、バークレイ・マーサー
* 音楽 - モンティ・ノーマン「ジェームズ・ボンドのテーマ」を含む
* メインタイトル・デザイン - [[モーリス・ビンダー]]
* プロダクション・デザイン - [[ケン・アダム]]
* 美術 - シド・ケイン(クレジット無し)
* 特殊効果 - フランク・ジョージ
* 撮影 - [[テッド・ムーア]]
* 編集 - [[ピーター・R・ハント|ピーター・ハント]]
* プロデューサー - [[ハリー・サルツマン]]、[[アルバート・R・ブロッコリ]]
* 製作 - [[イーオン・プロダクションズ]]、[[ユナイテッド・アーティスツ]]
 
=== キャスト ===
[[ファイル:Sean Connery 1980 Crop.jpg|thumb|right|200px|主人公のショーン・コネリー]]
* ジェームズ・ボンド - [[ショーン・コネリー]]
* ドクター・ノオ - [[ジョセフ・ワイズマン]]
* ハニー・ライダー - [[ウルスラ・アンドレス]]
* [[フェリックス・ライター]] - [[ジャック・ロード]]
* M - [[バーナード・リー]]
* ブースロイド少佐(Q) - {{仮リンク|ピーター・バートン|en|Peter Burton}}
* マネーペニー - [[ロイス・マクスウェル]]
* デント教授 - [[アンソニー・ドーソン]]
* クオレル - [[ジョン・キッツミラー]]
* ミス・タロ - [[ゼナ・マーシャル]]
* シルビア - [[ユーニス・ゲイソン]]
* ストラングウェイズ - ティム・モクソン
* プレイデル・スミス(ジャマイカ総領事館) - ルイス・ブレーザー
* ジョーンズ - レジー・カーター
* 女性カメラマン - マルグリット・ルワース
* スタント - ボブ・シモンズ
 
=== ボンドガール ===
ボンドガールは[[スイス]]出身の[[ウルスラ・アンドレス]]が選ばれた。アンドレスは、ひじょうにキャリアの長い女優で、50年代から活躍していた。彼女は007ドクターノオの後に『なにかいいことないか、子猫ちゃん』や、007シリーズ番外編『[[007 カジノロワイヤル (1967年の映画)|カジノロワイヤル]]』にも出演している。アンドレスは、[[PLAYBOY]]誌で[[ヌード]]を披露したこともあるように、魅力的な女優で歴代のボンドガールのセクシーさを選ぶ投票でも1位に選ばれている<ref>{{Cite web|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3250386.stm |title=Andress scene voted 'most sexy' (30 November 2003). BBC News |accessdate=07 August 2020}}</ref>。そのため、男優をひきつけ、亡くなる前の[[ジェームス・ディーン]]や、[[ジャン=ポール・ベルモンド]]、[[ライアン・オニール]]ら、多くの男優と浮名を流した。
 
=== 悪役 ===
悪役のドクター・ノオはフランス語圏カナダ出身のジョセフ・ワイズマンがつとめた。ワイズマンは『革命児サパタ』でマーロン・ブランドと共演。その後、『許されざる者』ではバート・ランカスター、オードリー・ヘップバーンとも共演した後、007の悪役に抜擢された。彼は007の後には、[[チャールズ・ブロンソン]]主演の名作映画『[[バラキ (映画)|バラキ]]』(1972年)で、暗殺されるマフィアのボス、ドン・マランツァーノを演じている。もともと舞台出身の俳優で21世紀になっても、[[ブロードウェー]]の舞台に立ち続け91歳で逝去。
 
=== 映画評 ===
本作は興行的には大成功したものの、公開直後の映画評論家や映画メディアの評判はさんざんなもので、「セックスとバイオレンスに満ちた下品な映画」といった評が典型的なものだった。だがその後、少しずつ評価は上がり始め、『ロシアより愛をこめて』『ゴールドフィンガー』などの名作が制作されるころには、最初の作品である本作も、評価されるようになった。初期の映画評としてはタイムが、「ほとんどいつもちょっと愚かに見える」「巨大な毛むくじゃらのマシュマロ」ボンドとひどい言いようである。ニューリパブリックのスタンリー・カウフマンは、映画が「サスペンスなのかサスペンスのパロディなのか、最後まではっきりしないと感じた」、また「コネリーやフレミングの小説は好きではなかった」と述べた。バチカンは「暴力、下品、サディズムとセックスの危険な混合物」と非難した。クレムリンは「ボンドは資本主義の悪の擬人化である」と述べた。だが、両者の論理は、映画とより多くの映画の観客の人々の意識を高めるのに役立った。デイリーエクスプレスのレナード・モーズリーは、「『007ドクター・ノオ』はずっと楽しいし、セックス描写も無害である」と述べた。一方で、「オブザーバー」のペネロペ・ギリアットは「すべっているセルフ・パロディでいっぱい」と述べた。ガーディアンの評論家は「『ドクター・ノオ』は、ぱりっとし、よく仕立てており、きちんとしたスリラーである」と評価した。
 
リリース後の数年間で、人気が高まった。長い年月の後、1986年に執筆したダニーピアリーは、『007 ドクター・ノオ』を「イアン・フレミングによる楽しいスパイ・スリラーの巧妙に考案された映画」と説明した。「画面には、セックス、暴力、ウィット、素晴らしいアクション・シーケンス、そして華麗な雰囲気があったし、印象的なパフォーマンスを提供していた」と。
 
=== 興行成績 ===
当初は『[[007 サンダーボール作戦]]』が第1作になるはずだったが、著作権に関する訴訟問題から暗礁に乗り上げ、SF色のある第6作『ドクター・ノオ』が選ばれた<ref>時系列では『[[007 ロシアより愛をこめて]]』が前のため、冒頭にローザ・クレッブとの対決による反省から銃交換のシーンがある。</ref>。結果的に、米ソの宇宙開発競争や、偶然にも公開時に起きた[[キューバ危機]]などから、時事性を帯びた作品となった<ref name="招待">ジェームズ・チャップマン『ジェームズ・ボンドへの招待』利根由紀恵訳・中山義久監修、徳間書店、2000年 ISBN 978-4-19-861147-7</ref>。
 
シリーズ第1作である本作は、100万ドルというシリーズ中最も低予算で製作されたが、5,900万ドルもの興行収入を上げ、1962年の映画の世界興行成績では『[[アラビアのロレンス]]』の7,000万ドルに次ぐ第2位となった<ref>{{Cite web|url=https://www.worldwideboxoffice.com/index.cgi?order=worldwide&start=1962&finish=1962&keyword=|title=List movies by worldwide gross|publisher=WorldwideBoxoffice.com|language=英語|accessdate=2009-6-26}}</ref><ref>[[:en:List of highest-grossing films|List of highest-grossing films]](ウィキペディア英語版)</ref>。
 
=== 日本での初公開 ===
『007は殺しの番号』の題名で、1963年6月1日、東京は[[新宿TOKYU MILANO|ミラノ座]]・[[東急文化会館|パンテオン]]・銀座スバル座の都内3館でロードショー公開された。事前の評価はさほど高いとは言えず、配給収入5780万円という結果<ref>「映画を知るための教科書 1912~1979 」 140P参照 斉藤守彦 著 洋泉社 2016年3月発行</ref>で、同年公開された1963年度の外国映画配給収入で、ベスト10には入らなかった<ref>{{Cite web|url=https://www.walkerplus.com/movie/kinejun/index.cgi?ctl=earn_list&yr_earn=1963&submit.x=21&submit.y=14|title=興行成績一覧||publisher=[[キネマ旬報|キネマ旬報DB]]|accessdate=2009-6-26}}</ref>。
 
=== キャスティングなど ===
<gallery>
ファイル:RPpic1.JPG|リージェンツ・パーク
ファイル:DoctorsCaveBeach.jpeg|[[ジャマイカ]]の海岸
ファイル:Francisco Goya - Portrait of the Duke of Wellington.jpg|thumb|ゴヤの『ウェリントン公爵の肖像』
</gallery>
* ボンド役の候補には、[[ケーリー・グラント]]や[[パトリック・マクグーハン]]、後に3代目ボンドとなる[[ロジャー・ムーア]]などが挙がっていた。ボンドの初登場シーンは、ロンドンのアンバサダー・クラブ(Le Cercle,Les Ambassadeurs London)のカジノである。冒頭、しばらくボンドの顔が見えない。そしてここでボンドが言う"The name is Bond, James Bond"(邦訳は「ボンド。ジェームス・ボンドです」)は、以後シリーズで恒例の名乗り方となる。
* ドクター・ノオの部屋に置かれていた絵画を見て、ボンドが驚く。この絵画は、[[フランシスコ・デ・ゴヤ|ゴヤ]]の『[[アーサー・ウェルズリー (初代ウェリントン公爵)|ウェリントン公爵]]の肖像』で、実物は1961年(映画公開前年)、ロンドンの[[ナショナル・ギャラリー (ロンドン)|ナショナルギャラリー]]から盗まれていた。犯人はドクター・ノオだったというスタッフのお遊び<ref>{{cite news|first=Phillip|last=French|url=https://www.theguardian.com/film/1999/nov/14/5|title=Behind every great director is a great designer|publisher=[[ガーディアン]]|date=1999-11-14|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref>。実際に盗んだのはケンプトン・バントン<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3590106.stm|title=Greatest heists in art history|publisher=[[BBCニュース]]|date=2004-8-23|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref>という人物で、1965年になってこの絵を返還し、警察に出頭した。このシーンは本映画に冷淡だった批評家にも絶賛された<ref name="招待" />。
* [[ウルスラ・アンドレス]]演ずるハニー・ライダーが白い[[ビキニ (水着)|ビキニ]]姿で海から上がってくるシーンは、007シリーズを通しても有名なシーンの一つで、2003年に[[英国放送協会|BBC]]のチャンネル4が行った投票では、「最もセクシーなシーン」に選ばれた<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/3250386.stm|title=Andress scene voted 'most sexy'|publisher=[[BBCニュース]]|date=2001-1-12|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref>。このときアンドレスが着ていたビキニは、2001年2月に[[クリスティーズ]]のオークションに出品され<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/1113839.stm|title=Dr No bikini for sale|publisher=[[BBCニュース]]|date=2001-1-12|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref><ref>{{cite news|first=Will|last=Benett|url=http://www.telegraph.co.uk/news/uknews/1314376/Former-Bond-girl-to-sell-Dr-No-bikini.html|title=Former Bond girl to sell Dr No bikini|publisher=[[デイリー・テレグラフ|Telegraph.co.uk]]|date=2001-1-12|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref><ref>{{cite news|url=http://edition.cnn.com/2001/SHOWBIZ/Movies/01/12/andress.bikini/index.html|title=Bond girl Ursula sells Dr. No bikini|publisher=[[CNN|CNN.com]]|date=2001-1-12|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref>、[[プラネット・ハリウッド]]の共同創業者ロバート・アールによって3万5千ポンドで落札された<ref>{{cite news|url=http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/1169775.stm|title=Bond bikini sells for £35,000|publisher=[[BBCニュース]]|date=2001-2-14|accessdate=2009-7-5|language=英語}}</ref>。
* シルヴィア・トレンチ、ハニー・ライダーの台詞はどちらもドイツ人声優ニッキ・ヴァン・デア・ジル(Nikki Van der Zyl)によって吹き替えられた。以降ボンドガール声優として半ば常連化し、『ロシアより愛をこめて』のシルヴィア・トレンチ、『ゴールドフィンガー』のジル・マスターソン(英語に不慣れだったゲルト・フレーベ付き通訳と発音コーチも兼務)、『サンダーボール作戦』のドミノ、『死ぬのは奴らだ』のソリテール、『黄金銃を持つ男』のチュー・ミー、『ムーンレイカー』のコリーヌのほか、多くの女性キャラクターをノンクレジットで吹き替えた。シリーズ番外編『[[007 カジノロワイヤル (1967年の映画)]]』と『炎の女』ではウルスラ・アンドレスの吹き替えを担当している。
* 銃の専門家として、ピーター・バートン演ずるブースロイド少佐が登場する。ボンドにワルサーPPKの使用を勧めるだけだった。ピーターは、次作『[[007 ロシアより愛をこめて|ロシアより愛をこめて]]』から出演の都合がつかなくなったことから[[デスモンド・リュウェリン]]に代わり、Qと呼ばれるようになる<ref>エンドロールのクレジットでは「BOOTHLLOYD」と表記されている。</ref>。なお、ブースロイドの名は実在の銃器研究家ジェフリー・ブースロイド<ref>"The Handgun", Cassell, 1970(ISBN 978-0-304-93435-5)などの著作がある。</ref>から拝借したものである。この人物は、原作者のフレミングに手紙を書いて、「.25口径のベレッタは女性用の銃だ」と意見した。ボンドの銃が.32口径のワルサーPPKに変更されたのは、その意見が反映されたのだという<ref>[https://www.telegraph.co.uk/news/?xml=/news/2004/09/06/nbond06.xml&sSheet=/news/2004/09/06/ixhome.html デイリー・テレグラフ(ウェブ版)2004年9月6日]</ref>。
* [[アメリカ中央情報局|CIA]]エージェントの[[フェリックス・ライター]]は、原作では第1作『[[007 カジノ・ロワイヤル|カジノ・ロワイヤル]]』から登場し、しばしばボンドに協力する盟友であるが、実は『ドクター・ノオ』には登場していない。本作でライターを演じた[[ジャック・ロード]]は、後にテレビシリーズ『[[ハワイ5-0]]』のスティーブ・マクギャレットが当たり役となるアメリカの俳優である。ライターは、映画版でも原作同様しばしば登場することになるが、俳優は毎回異なっている。
* 原作では第2作の『死ぬのは奴らだ』もジャマイカを舞台にしており、ストラングウェイズやクオレルは、そこで一度登場したキャラクターであった。映画の『死ぬのは奴らだ』は製作順序が後になったうえ、舞台も変更されてしまったが、クオレルの息子クオレル・Jr.が登場する。空港に登場するフォトグラファーを演じているのは、マーゲリット・ルウォーズ。航空会社 BWIA の空港カウンター職員をしているところを、ヤング監督にスカウトされ出演が決まったが、実はミス・ジャマイカでもあった。ボンドを拉致しようとする運転手ジョーンズ役のレジー・カーターは、彼女の義兄である。また、ボンドとライターが食事するバックで演奏している楽団は、ジャマイカのバイロン・リー&ドラゴネアズである<ref name="DVD">メイキング・オブ『ドクター・ノオ』DVD特別編・アルティメットエディション特典映像</ref>。
* 初回上映時の邦題『007は殺しの番号』は、字幕を担当した映画翻訳家の高瀬鎮夫が進言して採用された<ref>『007 黄金銃を持つ男』劇場用パンフレット</ref>。
* ボンドはライターに[[背広|スーツ]]はどこの仕立てかを聞かれ、[[サヴィル・ロウ]](ロンドンの高級仕立て屋街)と答えているが、実際に仕立てたのは、サヴィル・ロウに近いコンデュイット(コンジット)・ストリートに店を構えていたアンソニー・シンクレアであった。元もとは陸軍将校を顧客にしていた[[テーラー]]で、陸軍出身のヤング監督がその常連だったことから、撮影用のコネリーのスーツの仕立てを依頼された。また、コネリー着用の[[シャツ]]は、ロンドンのジャーミン・ストリートに本店のある、1885年創業の{{仮リンク|ターンブル&アッサー|en|Turnbull & Asser}}製。元々は[[オーダーメイド|オーダー・メイド]]のシャツの店で、[[チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ)|チャールズ皇太子]]や[[ウィンストン・チャーチル]]御用達としても知られる<ref name="DVD" />。
* 呼び出しを受けたボンドが赴いたのは、7階建ての某ビル内にある5階のユニバーサル貿易(Universal Exports)だった。これは、007シリーズの英国秘密情報部が使っている隠れ蓑の会社で、原作では[[リージェンツ・パーク]]沿いのビルにあることになっているが映画では、[[ウェストミンスター宮殿]]のすぐ近くということになっている。この設定は『[[007 消されたライセンス|消されたライセンス]]』まで続けられたが、建物の外観が明らかになったことは一度もない。<ref>そのため、舞台がイギリスに変わると宮殿の映像に変わることが多い。</ref>ここでMが自分を MI7 (DVDの英語字幕では MI6 に変えられている)の部長だと述べており、実在の[[イギリス情報局秘密情報部|MI6]]ではない架空の組織となっている(映画で所属組織が MI6 となったのは、『[[007 ゴールデンアイ|ゴールデンアイ]]』から)。ボンドはオフィスに入ると、自分の帽子を投げて奥にある[[帽子掛け]]に掛ける。これもシリーズ恒例のシーンとなり、帽子をかぶる習慣がすたれてからも、形を変えてしばしば登場した。1960年代中頃には、多くのバラエティ番組などで真似されたり、パロディ化されたりした。
* ボンドは、ドクター・ノオに1955年の[[ドン・ペリニヨン (ワイン)|ドン・ペリニヨン]]を出され、1953年もののほうがいいと述べた(本映画シリーズで恒例となる[[スノッブ|スノビズム]]の始まりという指摘がある<ref name="招待" />)。
* ドラゴン戦車も登場した。ドクター・ノオの島であるクラブ・キーを警備する車両。ドラゴンに偽装し、[[火炎放射器]]を装備している。ドクター・ノオは、島にドラゴンがいるという噂を流し、迷信深い漁師が近づかないようにした。
 
=== 主題歌 ===
[[モンティ・ノーマン]]が基本を作った"''James Bond Theme''"がメイン・テーマとなった。そのモンティ・ノーマン・オーケストラのヴァージョンもあるが、ジョン・バリー・オーケストラのヴァージョンは、イギリスの『ミュージック・ウィーク』誌で、最高位13位を獲得している。アメリカでは、チャート入りを果たせなかったが、同サウンドトラック・アルバムは、『ビルボード』誌アルバム・チャートで最高位82位と健闘している。なお、復刻盤がリリースされており、現在でも入手可能である。
 
クレジットタイトルの後半に、短いが歌の有る「キングストン・カリプソ」("''Kingston Calypso''")がある。劇中にも挿入歌「マンゴーの木の下で」("''Underneath The Mango Tree''")が流れる。
 
=== 日本語吹替 ===
{| class="wikitable" style="text-align:center"
|-
! 役名
! 俳優
! [[TBSテレビ|TBS]]版
! [[DVD]]/[[Blu-ray Disc|BD]]版
|-
| [[ジェームズ・ボンド|ボンド]] || [[ショーン・コネリー]] || colspan="2"|[[若山弦蔵]]
|-
| ハニー || [[ウルスラ・アンドレス]] || [[武藤礼子]] || [[弓場沙織]]
|-
| ドクター・ノオ || ジョゼフ・ワイズマン || [[横森久]] || [[有本欽隆]]
|-
| [[M (架空の人物)|M]] || [[バーナード・リー]] || [[今西正男]] || [[藤本譲]]
|-
| [[ミス・マネーペニー|マネーペニー]] || [[ロイス・マクスウェル]] || [[花形恵子]] || [[泉裕子]]
|-
| [[フィリックス・ライター|ライター]] || [[ジャック・ロード]] || [[中田浩二 (俳優)|中田浩二]] || [[家中宏]]
|-
| デント || [[アンソニー・ドーソン]] || [[寺島幹夫]] || [[稲葉実]]
|-
| ストラングウェイズ || ティム・モクソン || [[緒方敏也]] || 有本欽隆
|-
| ミス・タロ || [[ゼナ・マーシャル]] || [[津田京子]] ||
|-
| クオレル || ジョン・キッツミラー || [[飯塚昭三]] || [[後藤哲夫]]
|-
| [[Q (ジェームズ・ボンド)|ブースロイド少佐]] || ピーター・バートン || [[広瀬正志]] || [[塾一久]]
|-
| シルビア || [[ユーニス・ゲイソン]] || || [[山田みほ|山田美穂]]
|-
| プレイデル・スミス || ルイス・ブレーザー || [[糸博]] ||
|-
| ジョーンズ || レジー・カーター || [[伊武雅刀|伊武雅之]] ||
|-
| ポッター || コローネル・バートン || 松岡武司 ||
|-
| ジョニー || || [[若本規夫|若本紀昭]] ||
|-
| 秘書メアリー || ドロレス・キーター || [[鳳芳野|加川三起]] ||
|-
| 戦車の男 || || 伊武雅之 ||
|-
|}
TBS版 - 初回放送、[[1976年]][[4月5日]]21:02-22:55 『[[月曜ロードショー]]』(本編約94分)※シリーズ50周年を記念して2012年に[[キングレコード]]から発売された特別版DVD<ref>テレビ放送吹替完声版(テレビ版の吹替欠落部分をDVD/BD版で補完したもの)も同特別版DVDに同時収録</ref>に収録されている。
 
テレビ放送吹替完声版の補完部分のキャストはDVD/BD版の流用
* その他:[[日比野美佐子]]
* 日本語版制作
** 担当 - [[熊谷国雄]]
** 演出 - [[佐藤敏夫 (音響監督)|佐藤敏夫]]
** 翻訳 - [[木原たけし]]
** 選曲 - 重秀彦
** 効果 - 遠藤グループ
** 調整 - 山下欽也
** 制作 - [[東北新社]]/TBS
** 解説 - [[荻昌弘]]
* 劇伴の無い(音楽が流れない)場面の幾つかには次作『[[007 ロシアより愛をこめて|ロシアより愛をこめて]]』オリジナル・サウンドトラック盤の音楽が充てられた。
* 放送枠に合わせ約15分の場面カットが施され、次作にも登場するシルビア・トレンチに関する場面は全て削除された(そのため「ボンド、ジェームズ・ボンド」というシリーズ最初の自己紹介シーンが無い)。
* [[ウルスラ・アンドレス]]を吹き替えた[[武藤礼子]]は、本作(1976年4月5日 TBS『月曜ロードショー』放送)以前、ウルスラが本作のパロディ役で登場した『[[007 カジノロワイヤル (1967年の映画)|007 カジノロワイヤル]]』([[1972年]][[6月14日]]/[[6月21日|21日]]、[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]『[[水曜ロードショー (日本テレビ)|水曜ロードショー]]』放送)でのウルスラの声を吹き替えしていた。
* [[TBSテレビ|TBS]]版は他局でも定期的に放映される。元々が70年代のテレビ放映だったので、ドクターが所有するクラブ諸島を「かにが島」とボンドが言ったり、ドクターがボンドや手下を罵倒する際に「たわけ」「あほ」等といった名古屋や関西などで比較的ひんぱんに使用される吹き替えが(副機能の字幕でもそのまま表示)、所々に見られる<ref>テレビ東京公式web「007シリーズ20作品大放送!「午後のロードショー」 - テレビ東京」。放送は(2020年1月9日(木) 13時35分~15時40分)</ref>。
 
DVD/BD版 - 初出、2006年11月22日発売 DVD アルティメット・コレクション
* その他:[[小形満]]/[[石井隆夫]]/[[多田野曜平]]ほか
* 日本語版制作
** 演出 - [[伊達康将]]
** 翻訳 - [[平田勝茂]]
** 調整 - 金谷和美
** 制作 - 東北新社
 
=== ドクター・ノオ ===
* ドクター・ノオは、[[中国]]の実在の[[秘密結社]]([[黒社会]])「{{仮リンク|トング(堂)|en|Tong (organization)}}」の元メンバー。原作ではその後独立し、[[ソビエト連邦|ソ連]]を商売相手にアメリカの誘導ミサイル実験の妨害を行うストーリーになっている。
* [[映画]]では、架空の組織スペクターの幹部。スペクター(SPECTRE)とは、'''SP'''ecial '''E'''xecutive for '''C'''ounter-Intelligence, '''T'''errorism, '''R'''evenge, and '''E'''xtortion (防諜・テロ・報復・恐喝を目的とする特別執行機関)の略。英単語のspectre(幽霊。米語ではspecter)に掛けている(小説でスペクターが登場するのは、『[[007 サンダーボール作戦|サンダーボール作戦]]』から)。ドクター・ノオは、映画ではミサイルだけでなくアメリカの月ロケットの妨害も企む。映画公開前年の1961年に[[ジョン・F・ケネディ|ケネディ大統領]]が、1960年代中に人間を月に着陸させると声明を行い話題になっていた。しかし、劇中に出てくる映像は、前段階の有人宇宙飛行に過ぎない[[マーキュリー計画]]のものである。
* 『ドクター・ノオ』は、原作者イアン・フレミングの従兄弟である[[クリストファー・リー]]を意識して書かれたと言われている<ref>クリストファー・リーは、後に『''The Face of Fu Manchu''』(1965年)で中国系の怪人「フー・マンチュー博士」を演じている。</ref>。クリストファー・リーは、後に『[[007 黄金銃を持つ男]]』で悪役スカラマンガを演じている。
* その後、ドクター・ノオは海外製ゲームソフト「ゴールデンアイ ダーク・エージェント」などに再登場した。義手がより精巧になり、普通の手のように[[銃]]を発射している<ref>ドクター・ノオと反対に、「女王陛下の007」と同じ顔のブロフェルドはまた顔に傷が出来てしまっている。</ref>。
* 21世紀に入ってからも、ドクターノオは「The Express」(2012)<ref>CM映画「[[007 スカイフォール|スカイフォール]]」とのタイアップ</ref>で列車の[[冷凍]]車両を新たなアジトとして登場した。[[ダニエル・クレイグ]]と共演だが対決シーンは無い<ref>続編([[007 スペクター|スペクター]]とのタイアップ)「The Chase」(2015)では殺し屋ニックナックが再登場し(やはり新撮と合成)、ダニエル・クレイグと闘っている。</ref>。
* 派生小説''John Vincent'' が「James Bond Jr.シリーズ」(Puffin Books)を書いており、第三作『''Sword of Death''』(1992年)では映画ラストでの[[原子炉]]爆発から生還した[[:en:Dr.No|Dr.No]]が、 James Bond Jr.(ボンドの甥、Qやマネーペニーも世代交代している)と対決する。Dr. Noは本作以降も小説版で、シリーズを通じての悪の親玉を務める。一連の作品は、アニメ「JAMES BOND Jr.」(日本未公開)として放映された。
* コミックだが、英国では、[[:en:Gilberton Company, Inc.|Gilberton Company, Inc.]]から''Classics Illustrated'' のレーベルで「''Dr. No''」 が漫画化され出版。アメリカでは、[[:en:DC Comics|DC Comics]]から''Showcase''のレーベルで発売された。
*: ストーリーは映画とほぼ同じだが、原子炉で格闘中に、ボンドを殴るドクター・ノオの金属製義手が勢い余って、計器に触れて[[感電]]死するラストになっている<ref>Wikipedia(English)「James Bond (comics)」の項目</ref>。
* フィギュア:フレミング財団の承諾のもとに<ref>フィギュアのパッケージに著作権遵守の旨の文言が印刷。</ref>「James Bondシリーズ」に「''Dr. No''」として[[フィギュア]]が発売。プラスチック製の[[放射線]]防護服、透明[[ビニール]]円筒型の防護キャップ、光沢のある白い[[長靴]]が同梱<ref>[[:en:Sideshow Toy|Sideshow Toy]]</ref>。また「James Bond Jr.シリーズ」に再登場の「''Dr. No''」として、[[フィギュア]]が発売された。
* パロディ:1967年の映画(イオンプロではないパロディ版)『[[007 カジノロワイヤル (1967年の映画)|カジノ・ロワイヤル]]』にも登場(犯罪組織の首領でル・シッフルの上司、ただし名前はノオではなくノア)。映画の後半で正体が判明する。
* テレビドラマ『[[マグマ大使#テレビ版|マグマ大使]]』の第21話「細菌を追え!!」で、冒頭に登場する聾唖者に偽装した3人組暗殺者の一連のシーンは、ドクターノオの子分の[[殺し屋]]「盲ねずみ」のシーンのパロディである。
 
=== その他 ===
[[ファイル:Sunbeam-1.jpg|thumb|right|200px|サンビーム・アルパイン]]
* [[ガイガー=ミュラー計数管|ガイガーカウンター]]。ロンドンから送らせたのは、正真正銘のガイガーカウンターである。
* 特殊装備を施した[[ボンドカー]]は、まだ登場しない。ボンドは[[サンビーム (自動車)|サンビーム・アルパイン]]で、カーチェイスを行った。
* 拳銃は[[ワルサーPPK]]。ボンドは[[ベレッタ]]を使用していたが、ワルサーに種類を変えた。
* ドクター・ノオの手先の運転手は、情報を守るために青酸カリタバコで自殺する。
 
== 脚注 ==
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* [[ダイアナ・リグ]]
 
 
== 外部リンク ==
* {{Allcinema title|14174|007 ドクター・ノオ}}
* {{Kinejun title|13249|007 ドクター・ノオ}}
* {{ぴあ映画チラシ|3429}}(リバイバル公開時のもの)
* {{Amg movie|14575|007 Dr. No}}
* {{IMDb title|0055928|007 Dr. No}}
 
{{ジェームズ・ボンド}}
{{テレンス・ヤング監督作品}}
{{Normdaten}}
 
{{DEFAULTSORT:たふるおおせふん とくたあのお}}
[[Category:007シリーズの映画|とくたあのお]]
[[Category:1962年の映画]]
[[Category:テレンス・ヤングの監督映画]]
[[Category:ジャマイカで製作された映画作品]]
[[Category:カリブ海を舞台とした映画作品]]