「測地線」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
I.hidekazu (会話 | 投稿記録) 参考文献の追加。記述の整理。 |
I.hidekazu (会話 | 投稿記録) 記述の整理。 |
||
1行目:
{{出典の明記|date=2015年9月}}
[[微分幾何学]]において、'''測地線'''(そくちせん、{{lang-en-short|geodesic}})とは、曲面上の曲線であって、その上の十分近い2つの離れた点が最短線で結ばれた曲線を言う。[[ユークリッド空間]]における[[直線]]の概念を、曲がった空間において一般化したものである。「測地線」という用語は、地球の大きさと形状を測定する学問である[[測地学]]に由来する。本来の意味では、測地線は地表の2点間の最短ルートであり、球体形状の地球の場合、[[大円]]の一部となる。測地線の中でその長さが最小のものは最短測地線という。
[[リーマン空間]]において、ある[[曲線]]が曲面上の測地線となるための必要十分条件は、曲線の主法線と曲面の接平面の法線とが曲線に沿って常に一致することである<ref>[[#矢野(1949)|矢野(1949)]] p.58</ref>。
この概念は、数学的な空間にも拡張され、例えば[[グラフ理論]]ではグラフ上の2つの[[頂点]] (vertex) や[[結節点]] ({{en|node}}) 間の測地線が定義されている。[[一般相対性理論]]では、光は曲がった空間での測地線を進むという原理に基づいて構築されている。
==概要==
[[1697年]]、[[ヨハン・ベルヌーイ]]は、曲面上の2点をその曲面上で結び、その長さを最小にする問題を考え、このような長さの最も短い曲線を、この曲面上の'''測地線'''(geodesic)と呼んだ<ref>{{cite book | 和書 | title=現代数学の黎明期 近代数学[上] | author=近藤 基吉、井関 清志 | publisher=日本評論社 | year=1982 }} p.275</ref>。そして、測地線上の点での接平面の法線がその点で局面に垂直であることを発見した。[[1698年]]、[[ヤコブ・ベルヌーイ]]は円筒、円錐、回転面上の測地線を求めた。[[1728年]]、[[レオンハルト・オイラー]]は自身の開発した[[変分法]]を用いて、曲面上の測地線が満たす微分方程式を導出した。
典型的な測地線は、測地学の対象でもある地球上の2点を結ぶ最短曲線である。[[地球]]を単純に[[球面]]であるとする。例えば、[[東京]]と[[ニューヨーク]]の間を最短距離で移動するためには、東京とニューヨークを通る[[大円]]に沿った移動を行えばよく、この大円の一部こそ、測地線と呼ばれるものになる<ref>しかしながら、一般に、大円をその上の2点で分けると[[円 (数学)#弦と弧|優弧]]と[[円 (数学)#弦と弧|劣弧]]に分かれる。東京からニューヨークへ大円に沿った移動をしても、東京からニューヨークに行くには大円の周り方によって遠い移動と近い移動とある。この場合、劣弧に沿って移動すれば最短距離、優弧に沿えば直線的な移動としては最も遠回りになるわけである。大円の一部である弧は測地線となるが、必ずしも2点間の最短距離を示す曲線とはならない。</ref>。
球面では測地線は閉曲線となるが、[[回転楕円体]]面上など一般には測地線は閉曲線とならない。
48 ⟶ 39行目:
{{Main|:en:Geodesics on an ellipsoid}}
[[回転楕円体]]面上の測地線は、地球の場合に[[大圏コース]]に対応する。経線に沿う測地線は[[子午線弧]] 。
== 脚注 ==
<references />
== 関連項目 ==
* [[大圏コース]]
* [[子午線弧]]
* [[グラフ理論]]
* [[一般相対性理論]]
== 参考文献 ==
|