「ノート:ジェイスモ」の版間の差分

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Nardog (会話 | 投稿記録)
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: それで「イェ」か「ジェ」かの対立がやっぱりここでは本質的だと思います。Pekanpeさんは「日本での慣習」を主張なされますが、私には「イェイスモ」表記が慣習として確立しているとはとても思えませんし、前回も書いたように、むしろどちらかといえば「ジェイスモ」が優勢な印象です。Pekanpeさんが前回提示したソース([https://japanknowledge.com/contents/sekaidaihyakka/hanrei05.html 外国語のかな表記について (改訂新版 世界大百科事典)])も、大雑把過ぎて「イェイスモ」表記を正当化するには無理があると思います。前回私がしたように、確たる文書における「イェイスモ」表記の使用例を具体的にソースとして提示することはできますか?--[[利用者:Shuseya|Shuseya]]([[利用者‐会話:Shuseya|会話]]) 2021年10月8日 (金) 21:35 (UTC)
:{{反対}} 「原音に忠実に表記するならば、『ジェイズモ』とするのが妥当」というのは少し拙速だと思います。まず、スペイン語の {{IPA|/s/}} は有声子音の前に来ると声同化 (voicing assimilation) が起こって {{IPA|[z]}} になる、という説明は従来は一般的でしたが、近年の研究で必ず起こるわけではないことがわかっています。
:[https://doi.org/10.1017/9781316779194.009 Campos-Astorkiza (2018]:174): "In {{IPA|/s/}}-retaining dialects, this fricative undergoes voicing assimilation to a following voiced consonant, both within and across words (e.g. {{IPA|[ˈmuzɣo]}} ''musgo'' 'moss,' {{IPA|[lozˈβaɾkos]}} ''los barcos'' 'the ships'). Recent instrumental studies have shown that this assimilation is in fact gradient and oftentimes incomplete (Schmidt and Willis 2011; Campos-Astorkiza 2014, 2015)."
:また、わざわざ "In {{IPA|/s/}}-retaining dialects" と限定されていることからも明らかなように、子音の前や語末に来る {{IPA|/s/}} はかなり多くの地域(とりわけ中央・南アメリカ、カリブ海地域、スペイン南部、カナリア諸島)で {{IPAblink|h}} などの非歯擦音になるか完全に脱落しますから、「ス」「ズ」のどちらともほど遠いものになります([[:en:Spanish dialects and varieties#Debuccalization of coda /s/]] を参照)。かように外来語表記(というか[[転写 (言語学)|転写]]全般)というのは音声に忠実になろうとすればするほどそのバリエーションにぶちあたって破綻せざるを得ないもので、Pekanpeさんも仰るように音声だけでなく音韻も参考にしつつ既存の慣習が何であるかに目を向けなければ成立しません。
:したがって、有声子音の前に来るスペイン語の {{IPA|/s/}} を「ズ」で表記するのが現に一般的ならば「ジェイズモ」への移動に賛成できますが、その証拠は今のところ見つかりません。ためしに同じく ''-{{zwj}}ísmo'' を持つ語をいくつか検索してみましたが、「ウルトライスモ」「チャビスモ」「ソシアリスモ」いずれも「ス」の方が優勢のようです。「ズ」が優勢の語に「マチズモ」がありますが、これは英語の影響が少なくないと思いますし、「マチスモ」に対し圧倒的に優勢というほどではありません。「フトゥリズモ」も優勢でしたが、これは主にイタリア語を指しているようです。少なくとも ''-{{zwj}}ísmo'' に限っていえば、「ス」が圧倒的に優勢かどうかまではわかりませんが、「ズ」が優勢ということはまずなさそうです。
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