「密度行列」の版間の差分

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節名変更「混合状態について補足」<-「関連概念との違い」、まずいところを除去(CO)、一部修正 (2018年1月に書かれた。この人は生物分野でも怪しげなことを書いていた気がします。)
13行目:
そこでこうした、系に対する'''情報の不足'''[[#石坂 et.al. 12|<sup>石坂 et.al. 12</sup>]]{{Rp|p104}}がある状況下における量子力学を記述するため、'''[[混合状態]]'''と呼ばれる複数の純粋状態に確率を付加した状態を考える必要がある。これは例えば「半分の確率で純粋状態<math>| \psi_1 \rangle </math>であり、残り半分の確率で純粋状態<math>| \psi_2 \rangle </math>になる」といったものが混合状態である。
 
=== 関連概念との違混合状態につて補足 ===
<!-- 混合状態の正確な理解のために、関連概念との違いを述べる。 -->
 
まず混合状態でいうところの「混合」の確率古典的な確率論に従う確率([[ベイズ確率]])のことであり、る。<!-- 怪しい→ 系を観測した場合に波束がどこに収束するかを示す量子力学的な確率'''ではない'''。したがって混合状態は系の観測とは無関係に定義できる概念である。-->
==== 観測との違い ====
<!-- 下で書かれているのはたぶん「本義混合状態」というやつかと思いますが、本義混合と転義混合は実験で見分けがつかず、どちらも混合状態と言われ密度行列で表される。
まず混合状態でいうところの「確率」は古典的な確率論に従う確率([[ベイズ確率]])のことであり、系を観測した場合に波束がどこに収束するかを示す量子力学的な確率'''ではない'''。したがって混合状態は系の観測とは無関係に定義できる概念である。
これを踏まえた上で混合状態の定義をより正確に述べると、系が混合状態であっても系の状態は実は通常の純粋状態のいずれかである。しかし実験者の知識不足により、系がどの純粋状態にあるのかを(ベイズ確率的な意味で)推定する必要があり、「系が実はこの純粋状態にあると推定される確率」の分布が混合状態である。 -->
 
これを踏まえた上で混合状態の定義をより正確に述べると、系が混合状態であっても系の状態は実は通常の純粋状態のいずれかである。しかし実験者の知識不足により、系がどの純粋状態にあるのかを(ベイズ確率的な意味で)推定する必要があり、「系が実はこの純粋状態にあると推定される確率」の分布が混合状態である。
 
==== 重ね合わせとの違い ====
また混合状態の「混合」とは量子力学的な状態の重ね合わせ'''ではない'''。これを[[偏光]]の例で説明する。[[光子]]には右円偏光と左円偏光がある。以下、右偏光と左偏光をそれぞれ純粋状態<math>|R\rangle</math> 、<math>|L\rangle</math>で表すことにする。
 
量子力学では状態の重ね合わせが可能なので、ある光子の<math>|R\rangle</math> の状態と'''これと同じ光子の'''<math>|L\rangle</math>の状態を1/2ずつ重ね合わせると、光子は