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[[File:Phreatic.jpg|thumb|right|220px|水蒸気爆発による噴火]]
'''水蒸気爆発'''(すいじょうきばくはつ、[[英語]]:phreatic{{lang-en|phreatic explosion)explosion}})とは、[[水]]が非常に[[温度]]の高い[[物質]]と接触することにより[[気化]]されて発生する[[爆発]][[現象]]のこと。
 
== 概要 ==
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== 分類 ==
界面接触型(contact (contact-surface steam explosivity)explosivity) と全体反応型(bulk (bulk interaction steam explosivity)explosivity) の2種類に大別される<ref>Peter Kokelaar(2005), Magma-water interactions in subaqueous and emergent basaltic, Bulletin of Volcanology, 48, 275-289.</ref>。
 
; 界面接触型
: 水の中に金属溶融体のような熱い細粒物質が落ちると、その周囲に薄い[[水蒸気]]の膜が形成される。この状態を「粗混合」と呼び、この薄膜はしばらく安定に存在するが、何らかの原因により不安定化し、[[衝撃波]]とともに[[破壊]]される。この破壊現象を界面接触型の水蒸気爆発と呼ぶ。[[原子炉]]で[[炉心溶融]]が発生したときに冷却水の中に高温物質が落下すると、このタイプの水蒸気爆発が発生する可能性がある。
[[File:Phreatic Eruption-numbers.svg|thumb|right|220px|火山における水蒸気噴火の模式図。帯水層にマグマが貫入することによる水蒸気噴火。]]
; 全体反応型
: 密閉空間内の水が熱により急激に気化・膨張することにより、密閉していた物質が一気に破砕されて起きるタイプの水蒸気爆発。例えば、[[地殻]]内のような密閉した空間に[[帯水層]]があった場合、そこへ[[マグマ]]が貫入することによって大量の水蒸気が急激に発生すると、このタイプの水蒸気爆発が起こる。その際にマグマも一緒に放出された場合、特に'''マグマ水蒸気爆発'''といい、コックス・テール・ジェット(鶏の尾のような形の鋭角で直線的な煙)と呼ばれる特徴的な噴煙形態が現れる<ref>{{Cite web |url = https://staff.aist.go.jp/a.tomiya/usu/suii.html |title = 有珠火山における過去の噴火の推移の例 |publisher = 産業技術総合研究所 |accessdate = 2018-02-10 }}</ref>。なお、水蒸気爆発はあまり爆発的でない火山灰を噴出する程度の噴火も含まれるため、日本では'''水蒸気噴火'''と呼称することが一部の火山学者から提案されている<ref>[https://www.data.jma.go.jp/svd/vois/data/tokyo/STOCK/monthly_v-act_doc/sapporo/04m02/100_04m02memo.pdf 防災メモ 噴火の定義と規模] 気象庁</ref>。
 
== 例 ==
[[ファイルFile:Surtseyan Eruption-numbers.svg|thumb|海底火山の噴火による水蒸気爆発の模式図。高温のマグマが海水と反応して大量の水蒸気が発生し、大爆発を引き起こす。その際の噴煙は特徴的な形から「鶏の尾羽」と表現される: 1 水蒸気の雲; 2 火山灰(Cupressoid ash)(Cupressoid ash) ; 3 クレーター; 4 水; 5 [[溶岩]]と[[火山灰]]の層; 6 [[地層]]; 7 [[火道]]管; 8 [[マグマ溜り]]; 9 [[岩脈]]
]]
 
; 火山
: [[日本]]での有名な水蒸気爆発は、[[1888年]]の[[磐梯山|会津磐梯山]]の噴火や[[1973年]]の[[西之島|西之島新島]]の噴火である。前者では、磐梯山の山体内部で水蒸気爆発が発生し、[[山体崩壊]]とともに[[岩屑なだれ]]が発生し、477人の死者を出すとともに、[[長瀬川 (福島県)|長瀬川]]とその支流がせき止められ、[[桧原湖]]、[[小野川湖]]、[[秋元湖]]、[[五色沼 (北塩原村)|五色沼]]をはじめ、大小さまざまな[[湖沼]]が形成された。後者では[[海底火山]]が成長し[[水圧]]の影響が少ない海面近い位置に至ることで、高温のマグマと海水が反応することで膨大な水蒸気が発生し水蒸気爆発を引き起こした。大量の水蒸気を含んだ噴煙はその形から「鶏の尾羽」に例えられる。
{{seealsosee also|1888年の磐梯山噴火}}
; [[原子炉]]の[[炉心溶融]]
: 多くの原子炉で[[燃料被覆管]]に用いられている[[ジルカロイ|ジルコニウム合金]]は1,400℃で[[溶融]]を始め、その溶融体が冷却水中に落下すると水蒸気爆発をおこす。
:さらに、ジルコニウムは水と900℃以上で激しく反応し水素を発生する。発生した水素と大気中の酸素が反応すると[[水素爆発]]へつながる。<ref>{{Cite web|title=水-ジルコニウム反応 - ATOMICA -|url=https://atomica.jaea.go.jp/dic/detail/dic_detail_659.html|website=atomica.jaea.go.jp|accessdate=2019-08-16}}</ref>
; 調理
: [[揚げ物]]を調理中に[[油]]に[[火]]が点いた場合に火を消そうと[[水]]をかけると、水蒸気爆発が起こり発火した油が大きく飛散するため、火傷を負ったり火災が拡大したりする恐れがあり大変危険である。
 
== 参考文献 ==
* {{Cite web
* 筑波大学システム情報工学研究科 阿部豊研究室 「[http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~abe/reserch/vapor/main.htm 蒸気爆発に関する研究]」、2012年1月11日閲覧。
| author = 筑波大学システム情報工学研究科 阿部豊研究室
| url = http://www.kz.tsukuba.ac.jp/~abe/reserch/vapor/main.htm
| archiveurl = https://web.archive.org/20111219211548/kz.tsukuba.ac.jp/~abe/reserch/vapor/main.htm
| title = 蒸気爆発に関する研究
| accessdate = 2012-1-11
| archivedate = 2011-12-19
| deadlinkdate = 2021年10月25日 }}
 
== 脚注 ==