「となりのトトロ」の版間の差分
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「制作の経緯」の記述を時系列とカテゴリーに従って整理 |
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:ボンネットにあたる部分が頭で、背中が空洞になった胴体は柔らかな毛皮に覆われた座席になっている。昼間は普通の黄色い眼だが、夜は眼全体が光る黄色い[[ヘッドライト]]になり、額の両サイドのネズミの眼全体が光る赤いマーカーランプになっており、お尻の両サイドのネズミの眼全体が光る赤いテールランプで、12本の足で<ref name="t609">{{Twitter status|kinro_ntv|487584434074308609}}</ref><ref name="t178">{{Twitter status|kinro_ntv|487584482690482178}}</ref>水上、電線など、場所を選ばず風のように高速で走り、森の中を抜けるときは木々が脇に避けて道を空ける。
:トトロ同様、子供にしか見えない(普通は人間には見えない)が、走り去る姿に[[犬]]が反応して吠え付いたり、送電線に留まっていた小鳥たちが接近に応じて飛び立つ描写がある。実際のバスのように行先表示窓([[方向幕]])があり、迷子になったメイの元に向く際は「めい」、サツキとメイがこっそりお母さんを見舞いに訪ねる際には「七国山病院」(本編では「院」の字の「阝」が左右逆に、「完」が上下逆になっている)、巣に戻るときは「す」<ref>{{Twitter status|kinro_ntv|487595228501508098}}</ref>など、状況に応じて行先が表示される。ロマンアルバムによると、ネコバスの初登場場面<ref>{{Cite book|和書|title=となりのトトロ ロマンアルバム・エクストラ|publisher=徳間書店|page=133}}</ref>は、夜に外で、サツキがお風呂の薪を抱えている時に薪を吹き飛ばす突風であり、その時サツキには姿が見えなかった。
: 宮﨑によれば、昔は[[駕籠|カゴ屋]]に化けていたが、バスを見てからはバスの姿や行動を真似るようになった
; まっくろくろすけ([[ススワタリ]])
: 草壁家に住んでいた、イガ栗のような形に真ん中に二つの目がついた黒い生き物。おばあちゃんはススワタリと呼んでいる<ref>{{Twitter status|kinro_ntv|487571257039151104}}</ref>。家中を[[煤|すす]]とほこりだらけにしてしまう。元がすすで出来ているためか触ったりすると真っ黒になってしまう<ref>メイが逃げ遅れたまっくろくろすけを捕まえて手を真っ黒にし「逃げちゃった」という場面があるが、実際は潰れたという方が正しい。</ref>。「ワリャッ!」という声は、[[アフリカ]]に住む[[ピグミー]]の声をサンプリングし、久石が作成したものである<ref>{{Twitter status|kinro_ntv|487572476352671744}}</ref>。後年のスタジオジブリ作品『[[千と千尋の神隠し]]』においても、釜爺の助手として石炭運びをするススワタリが登場するが、こちらには細い手足が生えている<ref>{{Twitter status|kinro_ntv|487572351307874305}}</ref>。ススワタリはサツキ達が夜お風呂に入っている間に、空を飛んで塚森に引っ越す。
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== 制作の経緯 ==
=== 初期イメージボード ===
:本作の原型となる構想は、宮崎駿が[[1970年代]]に[[日本アニメーション]]、そして[[テレコム・アニメーションフィルム]]に在籍していたころに書き連ねていたイメージボードに残されている。
:なお[[押井守]]×[[鈴木敏夫]]×[[川上量生]]の三者鼎談において押井、鈴木両名の述懐によると、「もともとは人間とトトロ族の戦いの話だった。太古の昔、人間とトトロ族が戦って、トトロ族は負けた。そのなかの生き残り、それが映画では現代の所沢にトトロ族の末裔がひょこっと顔を出した話」という。{{要出典範囲|この物語のプロットは、後に高畑勲原作・監督・脚本の『[[平成狸合戦ぽんぽこ]]』に活かされることになる。|date=2020年6月}}▼
:劇場公開時のポスター(後にビデオ、DVDのパッケージ、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』の番組紹介<ref>{{Cite web|title=【今夜と来週!2週に亘る「夏はジブリ」特別企画】みんなが選んだ「トトロお気に入りシーン」&「食べてみたいジブリの食べもの」発表!|url=https://kinro.ntv.co.jp/article/detail/20200807|website=金曜ロードシネマクラブ|accessdate=2020-08-14|publisher=|date=2020-08-07}}</ref>でも使用)は、本編同様にサツキとメイがトトロと並ぶ図案が検討されていたが、デザイン上の都合で二人ではうまく描けなかったため、この初期イメージの女の子がトトロと雨降りのバス停で立っているイラストが使われている<ref name=":0" /><ref>[http://www.ghibli.jp/works/#totoro となりのトトロ(1988)](スタジオジブリ公式サイト 制作作品一覧)</ref><ref>[https://twitter.com/kinro_ntv/status/794527745359233025 スタンリー@金曜ロードSHOW!による2016年11月4日22時12分のツイート]</ref>。▼
▲:[[押井守]]×[[鈴木敏夫]]×[[川上量生]]の三者鼎談において押井、鈴木両名の述懐によると、「もともとは人間とトトロ族の戦いの話だった。太古の昔、人間とトトロ族が戦って、トトロ族は負けた。そのなかの生き残り、それが映画では現代の所沢にトトロ族の末裔がひょこっと顔を出した話」という。{{要出典範囲|この物語のプロットは、後に高畑勲原作・監督・脚本の『[[平成狸合戦ぽんぽこ]]』に活かされることになる。|date=2020年6月}}
=== サツキとメイの誕生 ===
:前述の初期イメージボードの段階では、主人公の女の子は1人で、メイに似た容姿をした5歳の女の子であり<ref>{{Cite book|和書|title=ジアートオブとなりのトトロ|publisher=徳間書店|pages=p.10,13|others=10頁に女の子は5才、13頁に女の子の名前はメイと記載されている}}</ref>、サツキとメイのデザインと性格が混在していた<ref>{{Twitter status|kinro_ntv|487583738075693056}}</ref>(容姿はメイ、服装はサツキのものとして残された)。この初期構想の少女が描かれた絵は劇場パンフレットの他、小説版の表紙カバーなど、様々な媒体にも採用されている<ref name=":0">{{Cite web|title=『となりのトトロ』ポスターの少女は映画に登場しない。その正体は?|url=https://www.huffingtonpost.jp/entry/totoro_jp_5f324320c5b6960c066bd876|website=ハフポスト|date=2020-08-13|accessdate=2020-08-14|publisher=}}</ref>。女の子イメージの一部は、宮崎が[[シンエイ動画|Aプロダクション]]に在籍したときに設定や演出に参加した『[[パンダコパンダ]]』からも採られている。
:宮崎によれば、
:実際には鈴木の発言と異な
▲:劇場公開時のポスター(後にビデオ、DVDのパッケージ、日本テレビ『金曜ロードSHOW!』の番組紹介<ref>{{Cite web|title=【今夜と来週!2週に亘る「夏はジブリ」特別企画】みんなが選んだ「トトロお気に入りシーン」&「食べてみたいジブリの食べもの」発表!|url=https://kinro.ntv.co.jp/article/detail/20200807|website=金曜ロードシネマクラブ|accessdate=2020-08-14|publisher=|date=2020-08-07}}</ref>でも使用)は、本編同様にサツキとメイがトトロと並ぶ図案が検討されていたが、デザイン上の都合で二人ではうまく描けなかったため、この初期イメージの女の子がトトロと雨降りのバス停で立っているイラストが使われている<ref name=":0" /><ref>[http://www.ghibli.jp/works/#totoro となりのトトロ(1988)](スタジオジブリ公式サイト 制作作品一覧)</ref><ref>[https://twitter.com/kinro_ntv/status/794527745359233025 スタンリー@金曜ロードSHOW!による2016年11月4日22時12分のツイート]</ref>。
=== 企画の難航 ===
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=== 制作体制 ===
:制作母体は前回同様、[[スタジオジブリ]]が選ばれた。高畑班が従来のスタジオに入り、宮崎班は新設した第二スタジオに準備室を設営する。高畑、宮崎の信頼に堪える主要スタッフ(アニメーター)は限られており、人員のやりくりに制作側は苦慮を迫られた。高畑側が旧知のベテランを集めた一方で、宮崎側は作画監督の[[佐藤好春]]、美術監督の[[男鹿和雄]]のように、新しく参入したスタッフを中心に制作することとなった。
:両作品とも60分の中編になるはずだったが、結局は予定を超えて90分前後の長編映画となった。宮崎によると、冒頭の引っ越しの絵コンテを書き上げた段階で、この作品が予定の時間に収まりきらないことが分かり、高畑の『火垂るの墓』も同様な状況であることを聞いて、時間を延ばすことにしたという<ref>『ロマンアルバム特別編集 となりのトトロ絵コンテ集』徳間書店、1988年、p436。</ref>。また『火垂るの墓』で登場する蛍やトマトは一切出さないことにしたなど、『火垂るの墓』との重複を意識して避けたと語っている
:音楽は『[[天空の城ラピュタ]]』に引き続き[[久石譲]]が担当している。宮崎は制作準備室が立ち上がった頃、本作も久石に音楽を頼みたいとスタッフに話していたという<ref>木原浩勝『ふたりのトトロ』講談社、2018年、p79。</ref>。トトロとサツキ、メイが雨のバス停で出会うシーンは、宮崎の要望により当初は音楽が付かない予定だったが、[[鈴木敏夫]]が高畑に相談したところ、あの場面に音楽は必要で[[ミニマル・ミュージック]]が良いと助言を行い、久石が曲を書き下ろした。宮崎は「音つけて、音楽つけて、あのシーンは本当によくなりました」と述べている<ref>宮崎駿『出発点 1979~1996』徳間書店、1996年、p499。</ref><ref>『yom yom vol.61』 新潮社、2020年、p359。</ref>。
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:<!-- リスト分断防止 -->
; 出版
:* となりのトトロ(ポエム版)(1988年2月29日)ISBN 978-4-19-703621-9
:** 中川李枝子が書いた詩に宮崎駿が描いた水彩画を添えている。映画本編の内容には触れていない。
:* となりのトトロ―フィルムコミック(1)(1988年6月30日)ISBN 4-19-778561-5
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:* となりのトトロ(徳間アニメ絵本)(1988年6月30日)ISBN 4-19-703684-1
:* となりのトトロ(ロマンアルバム・エクストラ)(1988年6月30日)ISBN 4-19-720157-5
:* ロマンアルバム特別編集 となりのトトロ絵コンテ集(1988年6月30日)雑誌 61577-94
:* ジ・アート・オブ となりのトトロ(1988年8月20日)ISBN 4-19-818580-8
:* 「となりのトトロ」よりもののけ通信(1988年10月31日)ISBN 4-19-669596-5
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