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== 概要 ==
[[1954年]]([[昭和]]29年)に[[保安庁]]は[[防衛庁]]に改編されることとなったが、[[練習機]]導入をめぐって対立した川崎航空機と[[富士重工業]]に対して多座席連絡機の製作を依頼した。川崎は[[KAL-1]]と[[KAT-1]]の経験を踏まえ、設計を一から見直した5座席の機体「KAL-2」を2機製作、1号機は[[11月]]に初飛行<ref name=":0">{{Cite web|title=平成30年8月「川崎 KAL-1 連絡機」|各務原市|url=http://www.city.kakamigahara.lg.jp/webmagagine/6874/24752/025355.html|website=www.city.kakamigahara.lg.jp|accessdate=2020-03-26|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200326061251/http://www.city.kakamigahara.lg.jp/webmagagine/6874/24752/025355.html|archivedate=2020-03-26|publisher=各務原市}}</ref>、[[12月]]に2号機も初飛行し、同月に発表した後、1号機を[[海上自衛隊]]、2号機を[[航空自衛隊]]にそれぞれ納入して返答を待った。一方、富士は自社で[[ライセンス生産]]していた[[T-34 (航空機)|T-34A]]の座席数を増やした[[LM-1]]を開発し、同じく納入した。
 
[[1955年]](昭和30年)になって審査が本格的に行われた結果、同庁は9月、練習機として採用したT-34Aと部品が共通していることを理由に富士のLM-1を採用、川崎は再び敗北した。二度にわたって敗北した川崎は、[[アメリカ合衆国]]の技術力を学ぶために以降は富士や[[三菱重工業]]と同じく、積極的にライセンス生産の道を歩む。独自の練習機開発は[[T-4 (練習機)|T-4練習機]]でようやく実現した。
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== 国産エンジン ==
[[ファイル:Kawasaki KAE-240.jpg|サムネイル|カワサキワールドに展示されている試作エンジン]]
川崎は[[1953年]](昭和28年)から国産レシプロエンジン'''KAE-240'''の開発を進めていた<ref name=":1">{{Cite book|和書|title=日本の航空宇宙工業50年の歩み|date=2003年5月|year=2003|publisher=社団法人日本航空宇宙工業会|url=https://www.sjac.or.jp/common/pdf/toukei/50nennoayumi/4_4_nihonnokoukuki5-6.pdf|page=64}}</ref>。設計開発は永田大典、牧角稠が担当<ref name=":2">{{Cite book|和書|title=純国産ガスタービンの開発―川崎重工が挑んだ産業用ガスタービン事業の軌跡|date=2015-09-01|year=2015|publisher=三樹書房|page=35|author=大槻幸雄|isbn=4895226476}}</ref>。当時[[ライセンス生産]]を始めた[[ベル47 (航空機)|ベル47G]]のライカミング社エンジンを参考にし、性能試験や150時間運転も成功させて、[[1955年]](昭和30年)に戦後の国産第1号エンジンとして運輸省の形式証明を取得した。川崎はベル47Dの他、KAL-2に国産エンジンを搭載し、純国産ブランドを回復しようとしていたが、エンジン開発が遅れたために試作機はライカミングのエンジンを搭載した。そこで、制式採用されたときには、量産機にKAE-240を搭載しようと計画したが、結局不採用に終わったため、エンジン開発も中断された。KAE-240は空冷式水平向対向6気筒<ref name=":2" />、出力は240馬力であった<ref name=":1" />。耐久試験用の試作機が[[岐阜県]][[各務原市]]の[[岐阜かかみがはら航空宇宙博物館]]で、[[KAT-1]][[練習機]]とともに展示されている。
 
'''仕様'''
*全長 - 1,450 mm
* エンジン形式 - 空冷水平対向6気筒
*排気量 - 7.4 L<ref name=":3">{{Cite journal|和書|last=坂上|author=|first=茂樹|year=2017|date=2017-09-04|title=軽飛行機用 4 サイクル空冷倒立発動機技術史点描 - 潤滑油消費率に注目しつつ -|url=https://dlisv03.media.osaka-cu.ac.jp/contents/osakacu/kiyo/111C0000001-107.pdf|journal=大阪市立大学大学院経済学研究科 Discussion Paper|volume=107|page=34|PMC=}}</ref>
* 出力 - 240 hp
*燃料消費率 - 8 g/HP-h<ref name=":3" />