「ミュジコフィリア」の版間の差分

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『神童』『マエストロ』に続き、実在の音楽作品が複数用いられているが、前二作と異なるのは、日本の現代作曲家が漫画の世界に登場するという点である。電子音楽《ホワイトノイズのためのイコン》が引用された[[湯浅譲二]]は、数話にわたって登場する。主人公と幾たびか対話し、そして彼の音楽を評価するに至るという、「ストーリー上の重要人物」としての地位が与えられている。その湯浅とともに「出演」をした[[小川類]]は、湯浅らの前で、笙とオーケストラのための《p・r・a・y・e・r》をプレゼンしている。
 
また、実在の作曲家の作品を、さそうが漫画内人物の「発表作品」として取り入れていることも、前2作にはないものである。「漫画内人物」の一人、青田 完一(あおた かんいち)による《Invention I》《四苦》は、それぞれ、[[川島素晴]]の《インヴェンション Ia》<ref>[http://www.schottjapan.com/license/sync/marginal_notes/akirasaso/ さそうあきらインタヴュー](ショットジャパン)。</ref>《苦諦》がもとになっている<ref>{{Efn2|[[西村朗]]編『作曲家がゆく――西村朗対話集』(春秋社)において、川島素晴は、学生時代のエピソードとして、「テキストは『は』だけ」(237頁)という歌曲を学生時代に作ったものの、「不可」がついて留年してしまったということを披露している。漫画の青田完一も《Invention I》が評価されずに、実在の作曲家と同じ運命を辿った。</ref>}}
 
== あらすじ ==
京都芸術大学<ref>{{Efn2|作品登場した「京都芸術大学」(映画では京都文化芸術大)の原作舞台のモデルは、京都芸大([[京都市立芸術大学]])である。</ref>}}の入学式。その日にちを、主人公の'''漆原朔'''が間違えたところから物語が始まる。美術学部で映像を専攻することになっている彼は、構内で「現代音楽研究会」なるサークルに所属する学生たちに勧誘を受け、言われるがままに、現代音楽の演奏に参加させられた。そして入学式の日。朔は研究会の学生からノコギリを無理矢理渡され、「新入生歓迎コンサート」にて、青田 完一作曲《DIYのための協奏曲 op. 3》を''ひ''くことになる。彼はこうして、研究会に入ることになった。
 
もともと、朔にとって音楽は無縁の存在というわけではなかった。彼の父は高名な作曲家である、'''貴志野龍'''。その長男で、朔の異母兄にあたる'''貴志野大成'''は、京都芸大の「作曲科のエース」である<ref>{{Efn2|椋本美也子の発言。</ref>}}。かつて、朔も音楽に親しい時期があったのだが、父から「才能がない」という言葉を受けて、音楽から締め出されていた。朔は、父や、彼から才能を認められ、その教えに殉じる兄と反目している。奇しくも大成は、朔と同じ大学に所属し、研究会では部長を務めていた。朔が思いを寄せている幼馴染の'''小夜'''は、今では大成の恋人となっている。彼女もまた、サークルのメンバーであった。
 
== 主な登場人物 ==
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== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
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