「ローラースルーGOGO」の版間の差分

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'''ローラースルーGOGO'''(ローラースルーゴーゴー)は、[[1970年代]]に発売された[[児童]]向け乗用[[玩具]]の商品名。[[アメリカ合衆国]]など日本国外では“ ''Kick'n Go'' ”の商品名で親しまれた。関連製品にはやや大型化した'''ローラースルーGOGO7'''( - ゴーゴーセブン)が発売されている。
 
== 概要 ==
ローラースルーGOGOは、[[本田技研工業]]の関連会社であるアクト・エルとアクト・トレーディング(現「ホンダトレーディング」)が[[1974年]]より販売し始めた児童向け乗用玩具の商品名である。当時の価格は5,500円。
 
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しかし1976年春頃、これにまつわる[[交通事故]]が立て続けに2件発生して報道筋に叩かれ、日本国内のブームは短命に終わった。
 
=== 製品の特徴 ===
ローラースルーGOGOは、小学校低学年~中学年をターゲットとして発売されたもので、体重制限45kgで子供しか乗れなかった。後に発売された同GOGO7は体重制限60kgとなっている。
 
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なお商品名のローラースルーは「通り抜ける」の意味を込められた造語であり、GOGOは軽快な乗り心地と当時流行の[[ゴーゴーダンス]]と定価を引っ掛けたシャレである。
 
=== 乗り方・操作 ===
主にステップの上に立ったまま乗ってハンドルを掴み、片足でペダルを蹴ることで前進させるが、ペダルはT字型をしており、右足でも左足でも同じように操作できる。
 
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ステップ後方のペダルを踏む事で後輪を回転させ前進するが、キックボードと同じように地面を足で蹴って進んでも構わなかった。ハンドルを左右に倒しこむことで重心移動をおこない、これによって前輪の向きが変わって進む方向を変えられるようになっている点もキックボード同様である。
 
== 流行 ==
この玩具、自転車ほどではないにせよ結構スピードが出る上に、当時は[[健康ブーム]]の到来で「面白いレジャースポーツ用器機」と注目されたことから、同社への「もっと上の年齢層も乗れる製品を」という声もあった模様で、[[1976年]]には車輪を強化して全体的に一回りほど大型化したGOGO7を発売、こちらも発売前から大変な注目をあつめた。
 
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この流行当時、これらを持っていた子供らやその友達は、この玩具を庭先や公園・路地裏などで替わりばんこにひたすら乗り回したりして、時間を忘れて遊ぶ様子が全国各地で見られた。また当時の[[流行]]の例に漏れず、幾つもの[[コピー商品]]も発売されている。
 
== ブームの終焉 ==
このように急速に社会に流行したローラースルーGOGOだが、日本ではこれに乗って[[公園]]や路地裏はなおのこと、交通の多い[[公道]]で遊ぶ児童も後を絶たず、1976年の春頃に[[トラック]]に巻き込まれるという痛ましい[[交通事故]]が立て続けに2件発生、報道に危険な玩具として取り沙汰され、激しいバッシングの対象となった。
 
: 当時の日本における道路事情だが、[[高度経済成長]]以降の安定成長期の中で、地方都市でも建設ラッシュがおこり、[[歩道]]や[[ガードレール]]も無い狭い路地を[[ダンプカー]]が走り回ることもままあったことから、全国的に児童の飛び出しや左折時の巻き込まれによる事故は多発していた。くわえて地方都市では歩道の整備遅れによって他の交通事故も多発、「[[交通戦争]]」という語が用いられていた。1975年は、このピークが少し過ぎた程度で、まだまだ地方市町村では道路の安全整備は等閑となっており、児童が安心してこのような乗り物に乗って遊べる[[遊び場|児童公園]]のような施設整備が進むのは、更に数年~十数年後のことである。
 
日本では[[1971年]]に玩具業界の[[日本玩具協会]]が「玩具安全マーク制度(STマーク)」を開始、社会的にも「玩具の安全性」が注目され始めた時代でもあったため、危険を訴える報道に児童の保護者が反応、突然売上が途絶えたという。なお日本では[[製造物責任法]]などはまだなかったため、メーカー側の開発者は事故原因究明のために、警察で保管されていた事故車体をチェックをすることはできなかった。
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この市場崩壊で発売元では販売継続を断念し、製造中止となった。開発者によれば、このとき売れ残った製品は全て“ ''Honda Kick 'n Go'' ”として米国向けに出荷されたという。
 
== その後 ==
当時の子供文化では大変人気があり、所有することはちょっとしたステータスでもあったが、関連市場を形成する前に社会的圧力によって消えた玩具であった。
 
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このほかにも、1970年代に多感な時期を過ごした者の郷愁を誘うのか、さまざまな関連事象が発生している。
 
=== 関連する現象など ===
* [[1990年代]]には[[フジテレビ]]の深夜番組「[[1or8]]」で[[東京]]から[[金沢市|金沢]]まで行くという企画が放送された。
* [[2004年]]にバンダイが「GO2 Slider(ゴーゴースライダー)」の商品名で2輪型キックボードで似たようなペダル加速式の商品を販売するという情報([http://www.carview.co.jp/news/3/1940/])が流れたこともあるが、その後は情報が途絶えており、ネット予約も中断・製品情報も消滅している模様だ。
* 流行当時も幾つかコピー商品が出回ったようだが、この一部が現在でも細々と生産されている模様で、<!--製造元不祥の-->類似する製品がみられる(「キックスケーター・ボラーレ」など)。<!--リンクさせると特定通販サイトの宣伝になるのでリンク先割愛-->
 
== 外部リンク ==
* [http://www.honda.co.jp/collection-hall/ Honda Collection Hall]より
** [http://www.honda.co.jp/collection-hall/Power/390.html ホンダによる商品写真と説明]
** [http://www.honda.co.jp/collection-hall/Power/391.html 同GOGO7]
* [http://www.honda.co.jp/news/1975/p751225.html GOGO7のプレスリリース(当時)]
* 個人ページ
** [http://www.geocities.co.jp/MotorCity/2790/ 伝兵衛の部屋][http://www.geocities.co.jp/MotorCity/2790/roller.html 同ページ内ローラースルーGOGO情報]
*: 同製品開発者自身のサイト・開発当時や流行時の内部状況や近年の資料なども掲載されている。
** [http://homepage3.nifty.com/hama3/ ■吸気・圧縮・爆発・HAMAさん]:[http://homepage3.nifty.com/hama3/gogo.htm 同ページ内のレストア情報]
** [http://www.r56imai.com/ ホンダショップ今井][http://www.r56imai.com/goh_htm/gohgoh_htm/gohgoh.htm 同サイト内レストア情報]
*: 本業のバイクショップの傍ら、趣味が講じてレストアを行い、当時の新古品(未使用)を入手していたりもする。流行当時のコピー商品も掲載されている。
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