2021年12月20日 (月) 23:36時点における版編集 Rural City (会話 \| 投稿記録) 拡張承認された利用者 37,097 回編集 m Category:戦前の札幌を追加 (HotCat使用) ← 古い編集		2022年1月12日 (水) 13:04時点における版編集取り消しあなすたしあ (会話 \| 投稿記録) 拡張承認された利用者 11,126 回編集 m編集の要約なし新しい編集 →
1行目: [[File:Nakajimayuenchikeibajyo.jpg\|thumb\|300px\|right\|中島遊園地競馬場]] [[File:明治24年札幌中心部.jpg\|thumb\|250px\|right\|明治24年の札幌地図　中島遊園地競馬場は一番下になる。明治24年では札幌市街地は中島公園まで及んでいない。]] [[File:中島遊園地競馬場平面図.jpg\|thumb\|200px\|right\|中島遊園地競馬場の大まかな概念図。中島遊園地競馬場は[[創成川\|鴨々川]]をまたいで作られていた。一周は約950メートル　幅は約14.5メートル　]] '''中島遊園地競馬場'''(（なかじまゆうえんちけいばじょう）は、札幌・中島遊園地（現代の[[中島公園]]）内に1887年(明治20年)から1906年(明治39年)まで存在した競馬場。一周約950メートル。末期には1000メートルに拡張され、主催は[[札幌競馬倶楽部#札幌共同競馬会社\|札幌共同競馬会社]]から[[札幌競馬倶楽部#北海道乗馬会\|北海道乗馬会]]に。1907年(明治40年)、北海道乗馬会は組織を拡大して[[札幌競馬倶楽部#北海道競馬会\|北海道競馬会]]と改める際に競馬場も子取川農園に移し（現在の[[札幌競馬場]]）、中島遊園地競馬場は廃止された。 == 中島遊園地競馬場の開場 == 23行目: === 凋落 === 定期開催は年1回にするものの臨時競馬を行い、札幌の競馬人気はますます高まり盛況だったという<ref name="jra 271-272"/>。しかし札幌住民の人気はあったが、札幌共同競馬会社内部には危機が迫っていた。先の札幌共同競馬会社会長[[永山武四郎]]は清廉な人物であったが清廉すぎたため有志の反発も買い札幌共同競馬会社には財産がなかった。永山の辞任後には官吏から会費を強制徴収するのを止め寄付に頼ったが札幌住人の人気と裏腹に経営は苦しくなっていった。士気がさがり経理関係も乱れ、寄付する者も減っていった。南部源蔵の後に会長はたびたび変わるが、札幌共同競馬会社には財産もなく寄付という不安定な収入源に頼ったため経営は苦しく馬場や馬見所は荒廃していく。1900年(明治33年)くらいまでは最低でも20頭は確保できた出走馬も明治37年には14頭に過ぎず、寄付を拒否する者はますます増え、札幌共同競馬会社と中島遊園地競馬は自然廃絶の危機に瀕した<ref name="jra 271-272"/><ref name="jinou1963 708">[[#神翁1963\|神翁1963]]、708頁</ref>。1904年(明治37年)には馬見所(（スタンド)）や[[厩舎]]は修理さえ不可能なほど荒廃しコース上の橋は人間が渡ることさえ危険なほどであったという<ref name="jinou1963 708"/><ref name="jra 273">[[#日本中央競馬会1968\|日本中央競馬会1968]]、273頁。</ref> == 北海道乗馬会による運営 == 荒廃し自然消滅の危機を迎えた中島遊園地競馬は[[日露戦争]]を機に復活する。日露戦争では軍馬が活躍したが、馬産や馬の体格の向上に札幌の競馬が果たした役割は明らかで、しかも今後もその役割は大きいと評価され、歴史ある札幌競馬を残そうという動きが生じてきた<ref name="tokioka 15">[[#時岡1911\|時岡1911]]、15頁。</ref>。1905年(明治38年)北海道乗馬会は組織の形態をとどめなくなった札幌共同競馬会社から中島遊園地競馬場を引き継ぎ競馬を行うことになった。北海道乗馬会では[[北海道炭礦汽船\|北海道炭鉱汽船会社]]の後援を得て寄付金を募り北海道炭鉱汽船会社関係者他200人余りから寄付金を得た。この資金でもって荒廃した中島遊園地競馬場を立て直す。競馬場一周の距離を延長し550間(1000メートル)とし馬見所(（スタンド)）、厩舎、鴨々川にかかる橋を新築する。札幌共同競馬会社から引き継いだものは半壊した審判所と半鐘1個だけだったというので、北海道乗馬会は中島遊園地競馬場施設をほとんど新設したようなものである。競馬運営は北海道乗馬会競馬部とし、北海道乗馬会競馬部は規則を定め全道に会員を募集し、1905年(明治38年)8月19-20日に北海道乗馬会として初めての中島遊園地競馬を行った。北海道乗馬会は競馬を開催する趣旨として馬匹の改良を強く打ち出し、札幌共同競馬会社時代のような短距離競走を廃止し、長距離レースのみ行った。多くのレースは1マイル以上とし、番外では5500間(10キロメートル)などという突拍子もない番組さえ組んだ。この超長距離番組には6頭が参加し時間は20分だったという。1906年(明治39年)には馬見所(（スタンド)）を1棟新築してくわえ、また乗馬共進会という組織を作り馬体の大きさを競わせる試みも行われている。5500間(10キロメートル)走る長距離レースは10回行われ、第一回目には20分だった時間が16分まで向上している。1906年(明治39年)には西洋馬も登場している。札幌共同競馬会社時代には5尺を超えることがなかった競走馬の体格も北海道乗馬会時代には5尺を超える和洋雑種馬がざらにいるようになっている<ref name="jinou1963 708-713">[[#神翁1963\|神翁1963]]、708-713頁</ref><ref name="jra 277-279">[[#日本中央競馬会1968\|日本中央競馬会1968]]、277-279頁。</ref>。 == 馬券黙許時代と中島遊園地競馬場の移転 == [[日露戦争]]では日本の馬は大量に消費され、また日本馬は(（明治初頭に比べて改良されたとはいえ、それでも)）外国の馬に比べて体格が著しく劣っていることが明確になり馬の改良と増殖は国家的な課題となった<ref name="jinou1963 708-713"/>。このため1905年(明治38年)12月日本政府は馬匹の改良を促す目的で馬券を黙許することとなった<ref>[http://jra.jp/topics/column/etc/history2.html 日本中央競馬会・競馬小史]</ref>。明治39年から明治41年ごろには日本中に競馬会と競馬場が林立する(（馬券黙許時代)）<ref name="jinou1963 708-713"/> 北海道乗馬会競馬部は北海道乗馬会から分離独立して北海道中央競馬会と改め、1906年(明治39年)10月に政府に社団法人化の申請をする。ところが馬券黙許に伴い東京方面にありながら北海道において競馬を企画する団体が4つ現れた。これらの団体は北海道中央競馬会の足を引っ張ろうと画策する。北海道中央競馬会は争いを避け、これら4団体を受け入れ、改めて北海道競馬会として社団法人として申請し認可を得た。北海道競馬会は25万円の資金を集め競馬場建設の実施会社として北海道馬匹奨励会社を設立する<ref name="jinou1963 708-713"/>。 40行目: == 脚注 == {{脚注ヘルプ}} === 注釈 === {{Reflist\|group=†}} === 出典 === {{Reflist\|2}} 50 ⟶ 48行目: == 参考文献 == * {{Cite journal\|和書 \|author = 時岡剛編纂 \|date = 1911 60 ⟶ 58行目: \|ref = 時岡1911 }}[{{NDLDC\|859991/9}} 国会図書館近代デジタルライブラリー・札幌競馬沿革史] * {{Cite journal\|和書 \|author = 馬の博物館 \|date = 2009 70 ⟶ 68行目: \|ref = 馬の博物館2009 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 日本中央競馬会 \|date = 1968 80 ⟶ 78行目: \|ref = 日本中央競馬会1968 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 帝国競馬協会 \|date = 1982 (1928年発行本の復刻刊行) 90 ⟶ 88行目: \|ref = 帝国1928 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 神翁顕彰会 \|date = 1963 100 ⟶ 98行目: \|ref = 神翁1963 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 山崎長吉 \|date = 1988 110 ⟶ 108行目: \|ref = 山崎1988 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 札幌市教育委員会編 \|date = 1998 120 ⟶ 118行目: \|ref = 札幌市教育委員会1998 }} * {{Cite journal\|和書 \|author = 木村曲水 (昇太郎) \|date = 1891 132 ⟶ 130行目: {{日本の競馬場}} {{デフォルトソート:なかしまゆううえんちけいはしよう}} [[Category:競馬の歴史]]

「中島遊園地競馬場」の版間の差分