「石油元売」の版間の差分

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上記のような状況から、「石油元売」とは、「精製設備を保有しているか否かにかかわらず、自社ブランドでの石油製品の販売を行っている石油会社」と定義し得るとする{{誰|date=2021年6月21日 (月) 09:34 (UTC)}}識者もいる。
 
== 主要業務 ==
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
石油元売が行う主な業務は以下の通り、原油・石油の流れに沿っていくつかに分かれる。
# 原油の購入
# 原油の輸送・輸入
# 貯蔵・備蓄
# 精製
# 輸送
# 販売
また、原油とは別に[[天然ガス]]の流通も大口需要者である電力会社や[[ガス会社]]と共に石油元売や[[総合商社]]が行なっている。
 
=== 原油の購入 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
 
[[1960年代]] - [[1970年代]]以降、[[産油国]]の立場が向上してからは、原油の購入は日本に限らず輸入国にとって政治的経済的に容易ではないものとなっている。探鉱段階から商業生産まで産油国に協力して油田の原油の優先購入権を得る「自主開発原油」を増やす努力が行なわれており、日本でも総合商社や石油元売が日本政府と共に積極的に関与してきた。[[20世紀]]末には日本の輸入原油の15 %程度がこの自主開発原油となったが、[[2000年]](平成12年)2月に[[中立地帯 (サウジアラビアとクウェート)|中立地帯]]([[サウジアラビア]]及び[[クウェート]])の[[カフジ油田]]で[[アラビア石油]]の採掘権が打ち切られ、10 %程度となった。その後の努力、国内需要の減少傾向もあり、その比率は15 %近くに回復している。[[石油公団]]は、日本の石油資源の確保のためという名目で長年、多額の投資を行い、その多くを失ったため、[[2004年]](平成16年)2月29日を以って廃止された。その機能は[[石油天然ガス・金属鉱物資源機構]] (JOGMEC) に引き継がれている。[[中華人民共和国]](中国)などの積極的な石油開発競争相手の参入もあり、JOGMECでも積極的な海外石油開発投資が行なわれている。
 
=== 原油の輸送・輸入 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
石油元売は、原油の採掘・生産を行なっている会社や産油国、またはその原油を購入し転売する会社(商社、トレーダー)から原油を購入している。[[日本の石油・天然ガス資源|日本国内では原油生産量が極めて限られている]]ため、国内需要の殆ど(99.7%;2019年度)を産油国からの輸入により賄っている。輸入は、[[中東]]地域からが8割以上と、圧倒的に多い。
 
日本が輸入する原油の売買契約における[[インコタームズ|受け渡し条項]]は、[[本船甲板渡し条件|FOB(本船渡し)条件]]が多く、その場合、買い手である日本の石油精製会社は[[タンカー]]を[[傭船]]し、原油の積出港まで原油を取りに行き、海上貨物保険を付し、日本へ持って来ることとなる。
 
=== 貯蔵・備蓄 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
輸入された原油は大きな貯蔵タンクに蓄えられる。日本では石油元売自身の原油貯蔵や石油製品貯蔵(民間備蓄)と共に日本政府の原油備蓄(国家備蓄)の2種類の[[石油備蓄]]を行うことで、国内の石油の安定供給を図っている。前者の民間備蓄とは、石油企業が緊急事態に備えて、それ専用の備蓄量を別個に維持しているのではなく、あくまでも商業[[在庫]]として、法律に決められた日数分(現在は70日分)の在庫を維持しているということである(原油の精製・製品の製造と販売・出荷の繰り返しにより、常に在庫の入れ替えが行われている)。[[2011年]](平成23年)3月の[[東日本大震災]]の後、「民間備蓄放出」などと言われたが、これは、上記70日分の日数を引き下げたに過ぎず、「放出」という言葉の一般的イメージには馴染まないものであった。
 
=== 精製 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
原油は製油所と呼ばれる工場の精製設備によって、[[液化石油ガス|LPガス]]、[[ガソリン]]、[[ナフサ]]、[[ジェット燃料]]、[[灯油]]、[[軽油]]、A[[重油]]、[[C重油]]、[[アスファルト]]、[[石油コークス]]、[[潤滑油]]、[[グリース]]などに[[蒸留|分留]]・調合・加工される。
 
=== 輸送 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
精製過程により生産された石油製品は、製油所や輸入基地(一次基地)から[[タンクローリー]]や[[内航船|内航]]タンカー、[[パイプライン輸送|パイプライン]]、鉄道[[貨車]]の[[タンク車]]などによって販売地などへ配送される。配送先は以下のように[[民生用]]と[[産業]]用で大きく分かれる。
 
'''民生用'''
* 持ち届け - 石油製品販売業者(石油元売の特約店・販売店)が運営する給油所(ガソリンスタンド、サービスステーション/SS)などに対して石油元売の輸送費用負担で納品する。
* 倉取り - 石油製品販売業者側のタンクローリー等が石油元売の製油所や[[油槽所]](二次基地)に出向いて製品を受け取る。この場合、販売業者側は石油元売側から「倉取り運賃補助」を支給されることがある。
'''産業用'''
* インタンク直販方式 - 火力発電所、石油化学プラント、[[製紙業|製紙工場]]、[[空港]]などの産業用では、直接顧客の貯油施設に届ける。
 
=== 販売 ===
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
石油製品の販売は、一般消費者向けの[[小売]]販売店(サービスステーション/SS)と大口需要家への直接販売がある。石油元売と特約店契約がある小売販売店へは系列取引で、ガソリンの売買では「系列玉」と呼ばれる取引になる。石油元売との特約店契約がない小売販売店への販売は系列外取引となって、ガソリンの売買では「[[業転玉]]」(業者間転売玉、業者間転売品)と呼ばれる取引になる。
 
== 歴史 ==
{{出典の明記| date = 2021年6月| section = 1}}
過去には[[国際石油資本#セブン・シスターズ|セブン・シスターズ]]のような原油探鉱からガソリン等の販売までを一貫して行う欧米の巨大石油企業が世界中の石油取引を寡占していた時代もあったが、[[産油国|石油産出国]](産油国)の立場が強くなった20世紀半ば以降は、原油採掘と精製・流通・販売の過程は必ずしも同じ企業が行うとは限らず、現在は、従来の巨大石油企業と新規参入企業とが競合や提携を行ない、多様なブランドで石油製品を販売している。
 
== 日本の石油元売 ==