「拾芥抄」の版間の差分

『'''拾芥抄'''』（しゅうがいしょう）は、[[中世]][[日本]]にて出された[[類書]]（[[百科事典]]）。全3巻。元は『'''拾芥略要抄'''』（しゅうがいりゃくようしょう）とも呼ばれ、『'''略要抄'''』（りゃくようしょう）とも略されていた。

古く『拾芥抄』の撰者については諸説あり、[[鎌倉時代]]後期から[[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]にかけての[[公卿]]・[[洞院公賢]]が著[[編纂]]し、子孫の[[洞院実熙|実熙]]が[[wikt:増補|増補]]したとされてきたがする説、[[永仁]]2年（[[1294年]]、公賢4歳の年）に書写された『[[本朝書籍目録]]』[[写本]]に「拾芥略要抄」の名が見られることから、今日では[[鎌倉時代]]中期には原型が成立し、『本朝書籍目録』成立後の[[暦応]]年間に公賢がそれを増補・[[wikt:校訂|校訂]]したと考えられていする説などがある<ref>{{Cite book |和書 |url=http://hdl.handle.net/2433/148394 |title=「今昔物語集」への招待 －鈴鹿本「今昔物語集」国宝指定記念－ |publisher=京都大学附属図書館 |date=1996-11-01 |pages=48-49}}</ref>。現存本は『[[口遊]]』・『[[二中歴]]』などの先行の書物の流れを引き継ぎ、[[歳時記|歳時]]以下、経史、[[和歌]]、[[風俗]]、[[百官名|百官]]、[[年中行事]]など[[公家]]社会に必要な知識を中心とした99部（上巻35・中巻25・下巻39）及び「宮城指図」「八省指図」「東西京図」などの[[地図]]・[[図面]]類を多数含んでいる。『[[源氏物語]]』について、その[[源氏物語巻名目録|巻名目録]]に現行の54帖に含まれない「[[桜人]]」の巻を挙げるなど独自の記述を有している<ref>[[尊経閣文庫]]所蔵（[[前田本]]）『拾芥抄』「源氏物語目録部第卅」による。京都大学附属図書館所蔵（[[清家文庫]]本）『拾芥抄』「源氏物語目録部㐧卅」には「桜人」の記載はない。</ref>。

現存最古の写本として、[[室町時代]]初期のものと推定される[[東京大学史料編纂所]]所蔵の残欠本（[[重要文化財]]）があるほか<ref name="重文1">{{国指定文化財等データベース|201|8393|拾芥抄}}</ref>、室町時代から[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]にかけての写本が多数現存し<ref name="国文研">[http://dbrec.nijl.ac.jp/KTG_W_32973 拾芥抄]、[[国文学研究資料館]] 日本古典籍総合目録データベース</ref>、[[江戸時代]]には[[慶長]][[古活字本]]などがたびたび刊行された。

* {{Cite journal |和書|author=山田英雄「 |title=拾芥抄」（『 |journal=[[国史大辞典 (昭和時代)|国史大辞典]] |volume=7』（ |publisher=[[吉川弘文館]]、 |date=1986年）-11 ISBN|pages=253 978-|isbn=4-642-00507-4）2}}

* {{Cite journal |和書|author=清田善樹「 |title=拾芥抄」（『 |journal=日本史大事典 |volume=3』（ |publisher=[[平凡社]]、1993年） ISBN 978|date=1993-05 |isbn=4-582-13103-1） 4}}