「日本人バイカル湖畔起源説」の版間の差分
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なお、21世紀に入って、[[ミトコンドリアDNA]]や[[Y染色体]]の分析にかかる知見が一段と蓄積され、[[日本列島]]のヒト集団のDNAが明らかになったこともあり異論も多い。特に弥生人の総数については当初よりかなり少ない数であったことや、稲作伝播を担ったY染色
これに対し名古屋大学理学部の[[吉田茂生]]は2007年に書評の中で、調査結果から
▲これに対し名古屋大学理学部の[[吉田茂生]]は2007年に書評の中で、調査結果からは日本人とブリヤートの遺伝子構成が非常に近いことがわかるだけで、両者の共通祖先が他の所にいた可能性等もあり、日本人の起源がバイカル地方にあるとは言えないと主張している。
東京大学理学部の[[尾本恵市]]と国立遺伝学研究所の[[斎藤成也]]は共同論文<ref>Genetic origins of the Japanese: a partial support for the dual structure hypothesis.</ref>の中で、すべての日本人の故郷をバイカル湖畔とする松本の説は、埴原を含め、日本の人類学者らの強い反論に合い、我々もまた、人類の個体群の起源についての判断は単独ではなく多くの遺伝子座の情報に基づくべきであると信じる、と述べている。
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しかし同時に松本と同じく埴原の原日本人(アイヌを含む縄文人)の南方起源説には賛成しかねると述べている<ref>尾本恵市 (1996)分子人類学と日本人の起源, 裳華房</ref>。
また、松本の研究では「日本人と韓国・中国人との異質性」や「北海道から沖縄に至るまで日本人の等質性」を示している(松本1992)が、斉藤と尾本の共同研究による系統図では「本土日本人はアイヌや沖縄県人、チベットと近く、韓国人、また中国人とは離れている」という研究結果を出している<ref name="saito">斉藤成也『DNAからみた日本人』筑摩書房 p56</ref
[[ペンシルベニア州立大学]]のRoychoudhuryと[[根井正利]]は、Gmがモンゴロイドを分けるために有意な役割を果たすと述べる一方、[[フェニルケトン尿症]]遺伝子の分布が松本の仮説を支持するように見えるが、この見方は、中国の北部と南部のより広い地域で大々的な標本調査が行われない限り受け入れ難く、また、単独の遺伝子座による情報は個体群の違いに歪んだ見方を与え得ることに注意すべきである、と述べている<ref>The Emergence and Dispersal of Mongoloids</ref>。
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