削除された内容 追加された内容
編集の要約なし
 
編集の要約なし
1行目:
'''アルギン酸'''(-さん)は、[[褐藻]]などに含まれる[[多糖類]]で、[[食物繊維]]の一種である。ほかに[[紅藻]]のサンゴモなどにも含まれる。また一部の[[細菌]]([[アゾトバクター]]
など)が部分的に[[酢酸]][[エステル]]化されたアルギン酸を生成するが、これによる工業的生産はまだ成功していない。
 
純粋のアルギン酸自体白ないし淡黄色で、繊維状、顆粒状または粉末状の形態をとる。[[]]に不溶性であるが、[[アルギン酸ナトリウム]]などの可溶性[[酸と塩基|塩]](アルギンと総称される)として抽出され、[[食品添加物]]その他の目的で利用される。
 
==構造==
わが国ではアルギン酸関連物質として、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸[[プロピレングリコール]][[エステル]]が食品添加物として指定され、アルギン酸自体は既存添加物名簿に収載されている。
&szlig;-D-マンヌロン酸(M)とそのC-5エピマーであるα-L-グルロン酸(G)の2種のブロック(いずれも[[カルボキシル基]]をもつ単糖)が(1-4)-結合した直線状の[[ポリマー]]である。各ブロックの量比は起源により異なる。MとGが交互につながったブロックが最も柔軟性があり、中性に近い [[pH]] で溶けやすい。Gからなるブロックは固く、6残基以上からなるGブロックは2価カチオン([[カルシウム|Ca<sup>2+</sup>]]など)と安定な複合体をつくって3次元[[ゲル]]を形成する。またアルギン酸は低い pH で酸性の繊維状ゲルを形成する。これらのゲルの中で、分子間の結合をつくるのは主にホモポリマーブロック(MまたはGの繰り返し構造)であり、ゲル強度を決めるのはGブロックの含有比率である。
 
==種類==
商業的に利用されるアルギンは、ジャイアントケルプなど種々の褐藻から抽出される。起源によって上記のように性質が異なる。
 
==利用==
わが国ではアルギン酸が[[既存添加物]]とされ、アルギン酸[[プロピレングリコール]][[エステル]]とアルギン酸ナトリウムが[[食品添加物]]に指定されている(他のアルギン酸塩についても検討中)。これらは食品工業で、スープ・飲料やゼリーなどの[[増粘安定剤]]、[[ゲル化剤]]として使われる。食物繊維としてダイエット食品にも使われる。また安定剤として[[化粧品]]にも用いられる。
 
医療では、アルギン酸塩が歯科材料として、アルギン酸の繊維状ゲルが手術糸に、またアルギン酸カルシウムゲルは創傷被覆材に用いられる。
 
アルギン酸塩は製紙・繊維工業でも使われる。
 
アルギン酸カルシウムは[[細胞]]や[[酵素]]などの固定化・カプセル化にも使われ、発酵・化学産業で用いられる。
 
{{Chem-stub}}
[[Category:糖類|あるきんさん]]
[[Category:食品添加物|あるきんさん]]