「ハイナ島」の版間の差分

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ハイナ島の土偶は、おおむねオレンジ色の粘土を用いて作られ、背の高さは、一般的には、25cmから65cmくらいで、まれにそれよりも大きいものもみられる<ref>Kubler1984, p. 266.</ref>。当時の男女それぞれの姿を描き、服装や装身具をはじめとする社会的地位を表す目印になる特徴や、日常生活を表現するのみならず、老人や身障者、猫背になっている人物や小人のような人物を表現しているものもある。動物や抽象的なものを表現している場合もある。ハイナ島でみられる人骨には[[頭蓋変形]]や[[抜歯]]、入れ歯がみられるものがあるが、土偶にもそのような習慣が表現され、さらには、身体を傷つけたり、顔や体に塗色する習慣があったことがうかがうことができる。
 
後述するように古典期前期段階の土偶については、非常に技術と手間がかけられており、写実的であること、副葬品としての性格を知る手がかりにもなりうることから、そのモデルについては、研究者の間でしばしば論議がなされてきた。コーソンは、特定個人の肖像になりうるものを作ろうとしたものではないか<ref>Corson1975.</ref>とし、カブラーは、肖像というだけではなく、地位や年齢についても厳密に表現しようとした<ref name="#1">Kubler,''loc''.''cit''.</ref>とする。しかし、墓の被葬者と土偶の関連性を確認しようと試みたところ、被葬者の性や年齢と土偶の姿が一致しておらず、女性の土偶が男性の墓にみられたり、その逆もあり、子どもの墓に明らかに年齢と一致しない成人の土偶が副葬されている例が普通にみられるため、被葬者本人を必ずしも表現したものではないことは明らかになっている。後述するように神を表現したものや神話や伝説に関連するものがあることもわかってきた<ref>Kubler,''loc''.''cit''.< name="#1"/ref>。それ以外の土偶は、土偶は父母などの近親者か、あるいは遠い先祖を表現しているという説もあるが明らかになっていない。
 
=== 編年 ===