「球面収差」の版間の差分

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[[ファイル:Spherical aberration 2.svg|thumb|上図は理想的なレンズ。実際には球面収差により下図のように光が1点に収束しない。]]
'''球面収差''' (''spherical aberration'') は、[[球面]]を含む[[光学|光学系]]において、点光源からの光線が[[焦点 (光学)|焦点]]に収束せずばらつく[[収差]]をいう<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5">『天文アマチュアのための望遠鏡光学・屈折編』pp.161-202「対物レンズ」。</ref><ref name="opticaltheoryforamatourmirror-ch5">『天文アマチュアのための望遠鏡光学・反射編』pp.91-110「収差とその対策」。</ref><ref name="nikonworld6-250">『ニコンの世界第6版』pp.250-255「ニッコールレンズ用語辞典」。</ref>。
 
[[コマ収差]]、[[非点収差]]、[[像面湾曲]]、[[歪曲収差]]と並んで[[ザイデル収差]]の一つである<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/><ref name="opticaltheoryforamatourmirror-ch5"/>。
 
一般的に、工作機械により球面を作成することは比較的容易であるため、光学素子に球面が採用されることは多い。しかし、そのような光学系では、球面収差の影響を受け画面全体が不鮮明になる<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/>。視界の中心にも影響を与えるため、[[望遠鏡]]の[[分解能]]を阻害する最大の要因である<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/><ref name="opticaltheoryforamatourmirror-ch5"/>。
 
写真に使う[[軟焦点レンズ]]では意図的にこれを残し印象的な像を得るのに利用している。
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=== 屈折光学系 ===
非球面レンズの使用で完全に除去できる<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/>が、色によって[[屈折率]]が違うので、すべての色について球面収差を除去することは不可能である<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/>。普通は球面をいくつか組み合わせて実用上差し支えない範囲に減少させて使用する<ref name="opticaltheoryforamatourlens-ch5"/>。
 
=== 反射光学系 ===
無限遠にある点光源から来る平行光線の場合[[放物面鏡]]で、焦点にある点光源から来る光線の場合楕円球面鏡で、球面収差は完全に除去される<ref name="opticaltheoryforamatourmirror-ch5"/>。
 
=== 完全に球面収差のないレンズを解析的に設計する方法 ===