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洞爺丸台風被害と復興について
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標高1,984 m。層雲峡温泉の[[温泉街]]から[[大雪山層雲峡・黒岳ロープウェイ]]と[[索道|リフト]]を乗り継いで7合目まで行け、そこから頂上までは1時間ほどで登ることができる。[[登山]]としては手軽であるが、毎年7月まで残雪があり、9月には[[初雪]]を迎えるため、相応の装備が必要である。
 
== 台風被害と対策の歴史復興 ==
かつてはほとんど手つかずの原生林が広がっていたが、[[1954年]](昭和29年)の洞爺丸台風により多数の風倒木被害を出した。その後山火事および害虫対策として風倒木の搬出が行われ、林業が一時的に栄えた。
倒木処理後は自生種による植林が行われたが、厳しい気候のもと生育が振るわず、試行錯誤の結果エゾアカマツが選ばれた。
現在層雲峡に広がるエゾアカマツの森林は植林によるものである。<ref>[https://www.rinya.maff.go.jp/hokkaido/kamikawatyubu/attach/pdf/technicalinfo-1.pdf 上川中部森林管理署「森林復興の軌跡 洞爺丸台風から40年」]</ref>
 
== 落石対策 ==
国道39号を層雲峡温泉から[[石北峠]]方面に向かうと長さ3,388 mの[[銀河トンネル]]がある。もともと国道39号は層雲峡の渓谷に沿った断崖絶壁の直下を通過しており、石狩川をはさんでそびえ立つ[[節理|柱状節理]]の巨大な岩盤「天城岩」や「流星の滝」「銀河の滝」、さらに巨大な岩壁が目と鼻の先に迫る「神削壁」などのダイナミックな光景を見ながら通過することができていた。しかしその反面、切り立った断崖の真下を通過することから、落石事故の危険性も高い区間となっていた。このため、安全を確保するため、特に落石の危険性が高いとされた「神削壁」の区間をトンネルで迂回することとし、[[1979年]](昭和54年)に小函トンネル(延長1,134 m)が建設された。
しかし、その後も落石は頻発し、[[1987年]](昭和62年)6月9日早朝、天城岩の一部が11,000 [[立方メートル|m<sup>3</sup>]]に及ぶ大規模な崩落を起こした。石狩川を完全に埋め尽くし、対岸の国道39号を走っていたトラック等の車両5台とサイクリングの集団を直撃し、約100 mに渡って国道をも埋め尽くした。人的被害は岩盤の直撃を受けた3名(トラック2台の運転手とサイクリングの先頭1人)が死亡、重軽傷者が6名という大惨事であった。この事故は「層雲峡小函天城岩崩落災害」とよばれている。なお、崩落の原因は、柱状節理の岩盤が節理面の風化によって崩壊したものと考えられている。