「機能主義 (建築)」の版間の差分

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用、美、強という[[ウィトルウィウス]]の3条件にまで遡ることができる。機能主義的な考えは、[[ゴシック・リヴァイヴァル建築|ゴシック・リヴァイヴァル]]の建築家にとっても典型的なものである。特に[[オーガスタス・ウェルビー・ノースモア・ピュージン]]は、「建築物の外観は、利便性、構造、作法のために不要なものであるべきではない。」、「すべての装飾は建築物の本質的な構造を豊かにするものであるべきである。」と書いている<ref>A.W.N.Pugin, The true principles of pointed or Christian architecture : set forth in two lectures delivered at St. Marie's, Oscott.</ref>。
 
20世紀初期に、[[シカゴ]]の建築家[[ルイス・サリヴァン]]は、建築物の寸法、量感、空間文法及び他の特性は、ただ建築物の機能のみによって決定されるべきであるという信念を表した「[[機能主義 (建築)#概要|形態は機能に従う]]」というフレーズを有名にした。これは、機能の側面が満足されれば、建築的な美は自然にそして必然的についてくるということを意味していた<ref name=":2" /><ref name=":0" />
 
機能主義者の間では一般に装飾には何の機能もないと考えられているため、サリバンが複雑な装飾を広範囲に使用していたことから、彼の信条はしばしば皮肉に取られる。この信条はまた「誰の」機能かという点を明らかにしていない。例えば、集合住宅の建築家が、オーナーのどのような外観や雰囲気にしたいかという意見と食い違うことはありふれたことだし、将来のテナントとも意見が食い違うかもしれない。しかしながら、「形態は機能に従う」は重要で不朽の思想を表現している。サリバンの弟子の[[フランク・ロイド・ライト]]も、機能的設計の見本といわれる。
 
近代建築の根源は、[[スイス]]生まれの[[フランス]]の建築家[[ル・コルビュジエ]]と、ドイツの建築家[[ミース・ファン・デル・ローエ]]の作品にある。ルは1926年に建築における機能性を追求し、「[[新しい建築の5原則|新しい建築の5原則(新しい建築のための5つの要点)]]([[ピロティ]]、自由な[[平面]]、自由な正面([[ファサード]])、独立骨組みによる[[水平連続窓]]、[[屋上庭園]])」を生み出した<ref>{{Cite web |title=ル・コルビュジェとはどんな人物か│ル・コルビュジェの意志、シミズの技術 |url=https://www.shimz.co.jp/seiyou_museum/sp/episode1.html |website=www.shimz.co.jp |access-date=2023-01-26}}</ref><ref>{{Cite web |title=水平連続窓 {{!}} 窓の用語集 |url=https://madoken.jp/terms/9974/ |website=窓研究所 WINDOW RESEARCH INSTITUTE |access-date=2023-01-26 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |title=新しい建築のための5つの要点 |url=https://www.city.taito.lg.jp/other/sekaiisan/le/youten.html#:~:text=%E8%BF%91%E4%BB%A3%E5%BB%BA%E7%AF%89%E3%82%92%E6%88%90%E3%82%8A%E7%AB%8B%E3%81%9F%E3%81%9B%E3%82%8B,%EF%BC%88%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%83%89%EF%BC%89%E3%82%92%E6%8F%90%E6%A1%88%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%82 |website=www.city.taito.lg.jp |access-date=2023-01-26 |publisher=台東区}}</ref>。従来の様式を極端に簡素化したものであるという点で、2人は機能主義者であった。1923年、[[ヴァイマル共和政]]のドイツで働いていたミース・ファン・デル・ローエは、サリバンが目標とした建築本来の美を達成した、極端に簡素化され、入念な細部を備えた作品を生み始めた。ル・コルビュジエは、1923年の著作『建築をめざして』において述べた「住宅は住むための機械である。」という名言は未だに影響力を持ち、フランス・ポワッシーの[[サヴォア邸]]のような初期の作品は原型的に機能的であると考えられている。
 
1930年代半ばになると、機能主義は、機能性とデザインの統合性の問題としてよりも、美学的なアプローチとして議論され始める。機能主義は、別の問題である無装飾と一緒にされるようになった。安っぽい商業建築のような空間を覆う最も素っ気なく粗野な方法を指す軽蔑的な語となり、最後には、例えば、[[バックミンスター・フラー]]の[[ジオデシック・ドーム]]に対する学会の批評におけるように、単に「粗雑」(gauche)と同義語になった
 
アメリカの建築家[[フィリップ・ジョンソン]]は、1970年代から1980年代に、「インターナショナル・スタイル」と読んでいた[[モダン建築]]スタイルから、[[非機能主義]]的なスタイル(非機能主義的建築)へと移行した。以降の彼の設計は、[[ポスト・モダン建築]]の象徴と呼ばれるようになる<ref>{{Cite web |title=ジョンソン(Philip Johnson)(じょんそん)とは? 意味や使い方 |url=https://kotobank.jp/word/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3%28Philip%20Johnson%29-1550178 |website=コトバンク |access-date=2023-01-25 |language=ja |last=日本大百科全書(ニッポニカ)}}</ref>。そして、ジョンソンは建築家には機能的な責任はないとし、「形態は私の知らないところからやってくる。しかし、建築の機能や社会学的な面とはまったく関係ない。」と述べている<ref>P. Heyer. Architects on Architecture: New Directions in America, p279</ref>。