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平凡児朗 (会話 | 投稿記録)
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'''キネマ倶楽部'''(キネマクラブ''' - くらぶ''')は、[[1980年代]]中盤つて存在ら[[2000年代]]初めまで活動した[[日本]]のビデオソフト販売機構。[[東宝]]、[[日活]]、[[大映 (映画)|大映]]、[[国際放映]]の34社による共同出資で設立され、34社の旧作や未ソフト化作品を'''「日本映画傑作全集」'''と銘打ったシリーズで多数製作、販売した。
 
== 概要 ==
日本映画の旧作において未ソフト化作品の普及を目的に、会員制のビデオソフト通信販売機構として設立された。当初は邦画旧作全体の作品提供を志向していたが、旧作の版権を持つ主要56社のうち[[東映]]と[[松竹]]の2社は「自社作品は自社で製作、販売する」という方針に則り参加せず、結局[[東宝]]([[新東宝]])、[[日活]]、[[大映 (映画)|大映]]、[[国際放映]]([[新東宝]]作品3著作権を管理)の4社による共同機構として設立された。戦前戦後の諸作品を中心に多数の傑作を評論家の解説を付して販売し、リアルタイム世代を中心に多くの会員を獲得した。
 
発足当初は各社の目玉とも言える作品のリリースを行い、東宝の[[黒澤明]]監督作品、日活の[[石原裕次郎]]主演作品などが発売された。しかし、旧作邦画では大幅な収益が見込めない作品が大半であり、ビデオ1本が9600円という高額だったこと(しかし、機構発足当時はまだビデオの発展期で、当時の各社から発売されるビデオソフトは1万円以上するものが多かった)、単品での販売を行わないという方針(初めてビデオを購入する際には4本以上纏めての購入が条件となっており、2回目以降は2本以上から購入可能となる)、加えて会員制のためほしいソフトが少ない(あるいは購入できない)人間には容易に購入できないシステムであったこと、などにより閉鎖性は否めなかった。ただし各作品のそれまでの視聴困難さに加えて、販売した諸作品は当時可能な最高峰の技術を用いてテープの修復に努めた上で製作されたため、ソフト本体への評価は非常に高かった。
 
ただし各作品のそれまでの視聴困難さに加えて、販売した諸作品は当時可能な最高峰の技術を用いてテープの修復に努めた上で製作されたため、ソフト本体への評価は非常に高かった。最盛期には300名以上の会員を擁し、会員同士の親睦会も行われるなど販売機構の枠を超えた躍進を遂げたが、ビデオソフトの低価格化が進み(前記の黒澤作品や裕次郎作品は、キネマ倶楽部で廃盤になった後に価格を下げて各製作会社本体から再発売された)、会員の高齢化による脱退や逝去による減少、上記システムにより若年層への浸透と会員獲得が困難だったこと、一定のソフトを製作し終えたこと、更には[[DVD]]の台頭によるビデオ市場の後退などにより[[2002年]]に新規ソフトの製作を停止し、活動を終了した。当時活動終了以前セル個人向けの通信販売のみでレンタルを禁止していたが、活動終了に伴い売れ残りの在庫がレンタル解禁となったため、現在は[[TSUTAYA]]の一部店舗や個人経営の店舗などでレンタルされている場合もある。ちなみに会員には著名人も多く[[山下達郎]]や[[倉阪鬼一郎]]らがいた
== 概要 ==
日本映画の旧作において未ソフト化作品の普及を目的に、会員制のビデオソフト通信販売機構として設立された。当初は邦画旧作全体の作品提供を志向していたが、主要5社のうち[[東映]]と[[松竹]]の2社は「自社作品は自社で製作、販売する」という方針に則り参加せず、結局[[東宝]]([[新東宝]])、[[日活]]、[[大映 (映画)|大映]]の3社によって設立された。戦前戦後の諸作品を中心に多数の傑作を評論家の解説を付して販売し、リアルタイム世代を中心に多くの会員を獲得した。
しかし当初から大幅な収益が見込めない(ゆえにこれまでソフト化されなかった)作品を中心にしたこともあり1本辺りが1万円近い高額になったこと、1本単位での販売を行わずキネマ倶楽部が指定した数作品を抱き合わせで販売したこと、加えて会員制のためほしいソフトが少ない(あるいは購入できない)人間には容易に購入できないシステムであったこと、などにより閉鎖性は否めなかった。
ただし各作品のそれまでの視聴困難さに加えて、販売した諸作品は当時可能な最高峰の技術を用いてテープの修復に努めた上で製作されたため、ソフト本体への評価は非常に高かった。最盛期には300名以上の会員を擁し、会員同士の親睦会も行われるなど販売機構の枠を超えた躍進を遂げたが、会員の高齢化による脱退や逝去による減少、上記システムにより若年層への浸透と会員獲得が困難だったこと、一定のソフトを製作し終えたこと、などにより[[2002年]]に新規ソフトの製作を停止し、活動を終了した。当時はセルのみでレンタルを禁止していたが、活動終了に伴い解禁となったため、現在は[[TSUTAYA]]の一部店舗や個人経営の店舗などでレンタルされている場合もある。ちなみに会員には著名人も多く[[山下達郎]]や[[倉阪鬼一郎]]らがいた。
 
 
ちなみに[[山下達郎]]や[[倉阪鬼一郎]]はキネマ倶楽部の会員だった。
 
== 主な作品 ==
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===作品リスト===
(一部、監督別順不同)
*[[黒澤明]] - 「[[酔いどれ天使]]」、「[[生きる]]」(すべて東宝)など(これらはキネマ倶楽部で廃盤になった後、東宝ビデオから再発売された)
*[[小津安二郎]]「宗方姉妹」(新東宝)、「浮草」(大映)
*[[成瀬巳喜男小津安二郎]]「[[浮雲 (映画)|浮雲]]」、- めし宗方姉妹(新東宝)、「[[歌行燈]]浮草(大映)、「鶴八鶴次郎小早川家の秋などすべて東宝)
*[[成瀬巳喜男]] - 「[[浮雲 (映画)|浮雲]]」、「めし」、「[[歌行燈]]」、「鶴八鶴次郎」(すべて東宝)など
*[[内田吐夢]]「土」(日活)
*[[寿々喜多呂九平内田吐夢]] - 鏡山競艶録」(大映日活
*[[寿々喜多呂九平]] - 「鏡山競艶録」(大映)
*[[マキノ雅弘]](正博) - 「鴛鴦歌合戦」(日活)、「次郎長三国志」シリーズ(東宝)など
*[[千葉泰樹]] - 「へそくり社長」、「大番」シリーズ(すべて東宝)
*[[山中貞雄]] - 「[[人情紙風船]]」(日活東宝
*[[山本嘉次郎]] - [[エノケン]]主演作品、「[[馬 (映画)|馬]]」、「[[ハワイ・マレー沖海戦]]」、「[[加藤隼戦闘隊]]」(すべて東宝)など
*[[豊田四郎]] - 「[[夫婦善哉 (映画)|夫婦善哉]]」、「雪国」、「駅前旅館」(すべて東宝)など
*[[川島雄三]] - 「貸間あり」、「グラマ島の誘惑」、「箱根山」(すべて東宝)など
*[[稲垣浩]] - 「出世太閤記」(日活)、「独眼龍正宗」(大映)
*[[佐伯清]] - 「沓掛時次郎」(日活)
*[[谷口千吉]] - 「[[銀嶺の果て]]」(東宝)、「ジャコ萬と鉄」(東宝)など
*[[伏水修]] - 「蘇州夜曲(支那の夜)」(東宝)
*[[森一生]] - 「決闘鍵屋の辻」(東宝)、「銭形平次」(大映)
*[[伊藤大輔]] - 「弁天小僧」(大映)
*[[今井正]] - 「[[青い山脈]]」(新東宝)、「また逢う日まで」(東宝)
*[[並木鏡太郎市川崑]] - 鞍馬天狗斬り込む恋人」、「プーサン」(すべて東宝)など[[鞍馬天狗]]シリーズ
*[[松林宗恵]] - 「ハワイの夜」(新東宝)、「[[ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐]]」、「[[連合艦隊 (映画)|連合艦隊]]」(以上東宝)など
*[[久松静児]]「南の島に雪が降る」(東宝)
*[[並木鏡太郎]] - 「鞍馬天狗斬り込む」(東宝)などの[[鞍馬天狗]]シリーズ
 
*[[久松静児]] - 「南の島に雪が降る」(東宝)
など
*[[中川信夫]] - エノケン主演作品(東宝)、「地獄」(新東宝)
 
:・・・etc
 
== 関連項目 ==
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*[[大映 (映画)|大映]]
*[[新東宝]]
 
 
[[Category:映画会社|きねまくらふ]]