「プロトンポンプ」の版間の差分

'''プロトンポンプ'''（[[英語|英]]：Proton Pump）は、生物体内で[[光エネルギー生体膜]]などを利用しにおいて[[水素イオン]]（[[プロトン]]）をの[[能動輸送]]を担う[[膜タンパク質]]の総称である。エネルギー源として、[[アデノシン三リン酸|ATP]]の[[加水分解]]、[[光エネルギー]]、[[酸化還元反応]]を利用するものに分類される{{Sfn|石川|黒岩|塩見|松本|2010|p=1151}}。生体膜]]の内外に[[膜電位]]や[[プロト水素イオンの濃度勾配]]を作り出す機能し、またはそれを行う[[タンパク質]]複合体をいう。プロトンポンプによって形成されたプロトン勾配は[[ATP合成酵素|ATP合成]]や[[二次能動輸送]]のエネルギーなどに利用される。ATP合成酵素自身もの[[逆反応]]として、[[アデノシン三リン酸|ATP]]の[[加水分解]]によるエネルギーを利用してプロトンポンプとして働くことができる。[[胃酸]]の分泌に機能もこのATPをエネルギー源とするタイプのプロトンポンプが働いている持つ。

プロトンポンプの例として[[胃]]プロトンポンプが挙げられる。胃プロトンポンプは、[[胃酸]]を分泌する壁細胞の細胞内細管小胞と分泌側膜（頂端膜）の両方に存在し、ATPの加水分解エネルギーを利用により、分泌細管内に存在してプロいる[[カリウムイオン]]との[[対向輸送]]（[[アンチポート]]）により水素イオンを胃の内部へと輸送放出することで、胃の内部をpH1という強い酸性環境にしていることが解明されている{{Sfn|酒井|2019|p=857-860}}<ref>{{Cite web|title=世界初！胃酸分泌を担う胃プロトンポンプの構造を解明―胃酸抑制剤結合構造と強酸に対してプロトンを吐き出す仕組み― （プレスリリース）|url=https://www.amed.go.jp/news/release_20180405-01.html|website=www.amed.go.jp|accessdate=2019-04-13|publisher=国立研究開発法人日本医療研究開発機構|date=2018-04-05|quote=消化にとって重要な臓器である胃の表面には、胃酸を分泌する胃プロトンポンプが発現しています。このプロトンポンプが、細胞内のエネルギーを利用してH+（プロトン）を胃の内部へと輸送することで、胃の内部をpH1という強い酸性環境にしています。これは消化にとって重要であり、胃潰瘍の原因にもなるため、胃酸抑制剤のターゲットとされています。}}</ref>。