「リー群」の版間の差分

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== 準同型と同型 ==
''G'', ''H'' をリー群(実なら双方とも実、複素なら双方とも複素)とする。写像 ''f'': ''G'' → ''H'' が'''リー群の準同型'''であるとは、''f'' は抽象群としての群準同型であって、かつ ''f'' が[[滑らかな関数|解析的]]であるときにいう。ただし、''f'' が解析的であるという条件を[[連続 (数学)|連続]]」であるという条件に弱めても定義としては同値になることが示せる。文脈上リーの準同型であると明らかなときは単に準同型とよぶ。リー群準同型の合成はまたリー群準同型である。全ての実リー群のなす[[類 (数学)|類]]、あるいは全ての複素リー群のなす類に、それぞれの意味でのリー群準同型を射と見なしてリー群の[[圏 (数学)|圏]]ができる。二つのリー群が'''同型'''であるとは、その間に全単射なリー群準同型で、その逆写像もまたリー群準同型になるようなものが存在することをいう。同型なリー群同士を区別する必要は実用上はなく、それらは単に元の表し方が異なるだけだと考えられる。
 
リー群の準同型 ''f'': ''G'' → ''H'' は付随するリー環たちの間の準同型
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を引き起こす。したがって、リー群をそれに付随するリー環へ移す対応 "Lie" は[[関手]]である。
 
[[アドの定理]]の一つの形は、有限次元リー環は行列リー環に同型であると述べられる。有限次元の行列リー環に対しては、それを付随するリー環にもつような線型代数群(行列リー群)が存在するので、したがってどんな抽象リー環もある行列のリー群のリー環として記述することができる。
 
リー群の'''大域的構造'''をそのリー環によって完全に記述することは一般にはできない。たとえば ''Z'' を ''G'' の中心に属する任意の離散群としてやると、 ''G'' と ''G''/''Z'' は同じリー環をもつ。しかしながら連結リー群に関しては、それが単純、半単純、可解、冪零あるいは可換となることが、付随するリー環の対応する性質が成り立つことに同値であるということができる。