「パッチクランプ法」の版間の差分

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'''パッチクランプ法''' (Patch clamp technique) は、Erwin NeherとBert Sakmannにより開発された[[電気生理学]]的手法の一種。
 
当初は単一[[イオンチャネル|イオンチャネル]]記録に利用されていたが、近年では全細胞記録(Whole cell記録)による[[細胞]]全体の記録に多く利用されている。NeherとSakmannは1991年に同方法を用いた単一チャネル記録による功績に対し[[ノーベル生理学・医学賞]]を受賞している。パッチ[[電極]]と[[生体膜]]の間で極めて強固なシールを達成することによってなされる方法であるため、[[電位]]固定による[[電流]]記録(ボルテージクランプ)、電流固定による電位記録(カレントクランプ)共に可能である。
 
人工脂質二重膜や生体試料に対し多く適用されているが、近年では[[シナプス]]前終末や[[樹状突起]]、[[軸索]]といった[[神経細胞]]の極微小領域からの直接記録にも応用されている。これまでは培養細胞や組織スライスに対し多くて起用されてきたが、近年では低抵抗の電極を用いた個体動物[[脳]]や[[脊髄]]からの記録も行われるようになってきている(Margrieら;2002年)。更には個体動物脳において[[遺伝子]]改変細胞から選択的に記録することも可能となってきている。今ではこういった方法が電気生理学、[[神経科学]]領域においてスタンダードとなっている。