「宣王 (斉)」の版間の差分

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俊武 (会話 | 投稿記録)
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14行目:
貌弁が宣王に拝謁すると、<br>
宣王、「あなたは、靖郭君のお気に入りで、何事も聴愛されておるのだろう」と。<br>
貌弁、「確かに私は靖郭君に気に入られてますが、何事も聞き入れられたということははございません。王が太子の頃このようなことがございました。わたしは靖郭君に、『太子は不尽の相、頤が大きすぎますし、豕のようにぬすみみなさいます。このような人物は、道に背いたことをするもの。太子を廃されて、あらためて衛姫の嬰児の郊師さまをおたてになるにこしたことはございません』と申し上げますと、泣いておおせになりました。『それはできない。私には忍びない』と。もしこのとき私のことばを聞きいれておいでになれば、今日のご心配は無かったに違いありません。これがその一つ。薛にお越しになると、[[楚 (春秋)|楚]]の[[昭陽]]は、数倍の土地を、薛と交換しましょうと申し入れてまいりました。手前は、『お受けなされよ』と申し上げますと、靖郭君は、『薛はご先代から拝領したもの。今の王にお憎しみをこうむっておろうと、このわたしとして、ご先代に申し訳がたとううか。しかも、ご先代の霊廟が薛にはある。わたしとして、どうして、楚にご先代の霊廟をやれよう』とおおせられ、これままた手前のことばを聞きいれようとはなさいませんでした。これがその二つでございます。」<br>
宣王は大息し、「靖郭君が、わたしをおもってくれていたとは。わたしは若年で、いっこうに気づかなかった。ひとつ、わたしのために、靖郭君をこらせるよう、骨をおってははくれないか」といい、<br>
貌弁、「かしこまりました」とこたえた。<br>