九八式八糎高角砲(きゅうはちしき8せんちこうかくほう)[1][2]は、日本海軍の開発した高角砲。通称長8センチ高角砲。1942年5月13日付で兵器として採用された。

九八式八糎高角砲
使用勢力 大日本帝国海軍
採用年 1942年[1]
口径 76.2mm
砲身長 (60口径)
(65口径とする資料もある)
初速 900m/秒
最大射程 13,600m
最大射高 9,100m
発射速度 26発/分
俯仰角 -10度から+90度
俯仰速度 16度/秒
旋回角
旋回速度 18度/秒
動力 電動油圧
重量 11トン
要員
使用弾
弾薬包全長
弾薬包重量 11.9kg
弾丸重量 5.99kg
炸薬重量
装薬重量 1.96kg
信管
製造数 28門
備考

概要 編集

長10cm高角砲に次いで開発された高角砲。長10cm砲と同じ長砲身砲で、更なる小型軽量を求めて開発されたが

  • 口径8cmでは威力が小さすぎる。
  • 機構の複雑さは長10cm砲と変わらない。
  • 砲の命数が600発と少ない(12.7センチ高角砲は1000発、長10cm高角砲は350発)。

などから失敗作との評価がある。事実、搭載艦艇はわずかに阿賀野型軽巡洋艦4隻に過ぎなかった。

ちなみに砲身重量は1,317kg、閉鎖機は水平鎖栓式だった。

形式 編集

連装砲架 編集

形式不明
阿賀野型搭載。波よけ盾付き

搭載艦船 編集

参考文献 編集

  • 長谷川藤一『軍艦メカニズム図鑑-日本の航空母艦』グランプリ出版、1997年 ISBN 4-87687-184-1
  • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第9巻 軽巡Ⅱ』光人社、1990年 ISBN 4-7698-0459-8

脚注 編集

  1. ^ a b 昭和17年5月13日付 内令兵第35号。アジア歴史資料センター レファレンスコード C12070227500 で閲覧可能。本文には「試製九八式八糎高角砲ヲ兵器ニ採用シ九八式八糎高角砲ト呼称ス」とあり、口径長は兵器名に含まれていない。
  2. ^ 65口径とする資料もあるが福井静夫の資料から60口径とした。

関連項目 編集