数学においてある実数の集まりが有理独立(ゆうりどくりつ、: rationally independent)であるとは、それらの有理係数による線型結合で表すことの出来る数が、その集まりの中に含まれないことを言う。有理独立でない数の集まりのことを有理依存(ゆうりいぞん、: rationally dependent)と言う。例えば、次の例が挙げられる:

正式な定義 編集

実数 ω1, ω2, ... , ωn が有理依存であるとは、少なくとも一つはゼロではない整数 k1, k2, ... , kn で、次を満たすものが存在することを言う:

 

このような整数が存在しないなら、そのベクトルは有理独立と呼ばれる。この条件は次の様に表現し直すことが出来る:ω1, ω2, ... , ωn が有理独立であるとは、次の式

 

を満たす n-組の整数 k1, k2, ... , kn は自明解、すなわちすべての ki がゼロとなるもののみであることを言う。

実数は有理数についてのベクトル空間を構成するため、これは通常のベクトル空間における線型独立の概念と同値である。

関連項目 編集

参考文献 編集

  • Anatole Katok and Boris Hasselblatt (1996). Introduction to the modern theory of dynamical systems. Cambridge. ISBN 0-521-57557-5