PCエンジンシャトル

日本電気ホームエレクトロニクスより発売された家庭用ゲーム機

PCエンジンシャトルPC Engine Shuttle)とは、1989年11月22日[1]日本電気ホームエレクトロニクス(NECホームエレクトロニクス)より発売された家庭用ゲーム機PCエンジンの一種。当時のメーカー希望小売価格は18,800円[2]

PCエンジンシャトル
メーカー NECホームエレクトロニクス
種別 据置型ゲーム機
世代 第4世代
発売日 日本の旗 1989年11月22日
CPU MOS 65C02
GPU HuC62
対応メディア HuCARD
対応ストレージ バッテリーバックアップ
コントローラ入力 ケーブル
外部接続 専用バックアップユニット
オンラインサービス 非対応
互換ハードウェア PCエンジン
次世代ハードウェア PC-FX
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概要 編集

低年齢層を狙った廉価版として発売された。宇宙船イメージした流線型のデザインが特徴的[2][注釈 1]。当初、CD-ROM2などと接続する拡張バスを省略して価格を抑える事をコンセプトとした。広告や付属の小冊子にはドラえもんがイメージキャラクターとして起用された。スーパーグラフィックスほどではないが本体は大型化し横幅は初代PCエンジンの対角線より大きい。既存のPCエンジン用のソフトウェアと周辺機器をそのまま利用できたが、拡張バスがないためCD-ROM2やプリントブースタなどのコア構想でのオプション機器は接続不可で利用できなかった[2]。本体の色は、同時発売されたPCエンジンコアグラフィックス同様に、ダークグレー色を基調とし、RCA端子と連射機能付きジョイパッドが標準装備された[2]

ROMカード (HuCARD) のゲームソフトで十分と考えるユーザーを狙った廉価版とはいえ[2]、当時の店頭では旧機種(初代PCエンジン)の販売価格がPCエンジンシャトルと同等まで下がっており、拡張性の無さが嫌われてあまり売れなかった。廉価なセーブユニットとして普及した「天の声2」が使用できず、高価な純正品しか選択肢がない事も廉価版としての商品価値を低下させた。PCエンジンの市場がCD-ROM2に移行するとこれを接続できないシャトルの存在は省みられなくなり、NECは機能削減のない廉価商品としてコアグラフィックスIIを発売した。

パッド(コントローラー)は、当時としてはまだ珍しい、エルゴノミクス構造となっており[要出典]、全PCエンジンシリーズの標準パッドとして唯一の採用である。

周辺機器 編集

型番 名称 発売日 備考
PAD-106 ACアダプタ 本体に同梱。
PI-PD002
PI-PD06
PI-PD8
ターボパッド 1987年10月30日 コアグラフィックスの色調に合わせたターボパッド。初代PCエンジンでは別売りだったが、PCエンジンコアグラフィックス以降の機種ではそれぞれ色調を合わせた連射パッドが標準装備されることとなった。
PI-PD003 マルチタップ パッドを5つまで接続できる純正機器。本体のみではパッドを1つしか接続できなかった弱点が逆に普及を促し、ファミコン以上に多人数同時プレイソフトを登場させることとなった。2人用や4人用のサードパーティ製のものもあった。
PI-PD05 ターボパッドII 1989年11月22日 PCエンジンシャトル付属のターボパッド。独自の形状を持つが性能は通常のターボパッドと変わらない。
PI-AD9 シャトル専用
バックアップユニット
シャトルは拡張バスが削除されたことから通常のバックアップブースターが使用出来なかったため、専用端子を使うユニットが発売された。
PI-AN2 AVケーブル テレビに接続する、映像/音声一体型のケーブル。本体に同梱。
PI-AN3 RFユニット コンポジット映像信号出力のマシンに使用し、RF信号を出力するための機器。
NAPD-1001 アベニューパッド3 1991年1月31日 3ボタン操作のフォーゴットンワールドの発売に合わせて登場。IIIボタンはSELECTかRUNボタンのいずれかに設定して使用する、連射もできるのでRUNボタンに設定してスローモーション(ポーズの連射)をかけることも可能。
PI-PD11 コードレスマルチタップ 1992年12月18日 PCエンジンDuoに合わせたデザインの純正品。パッド信号を赤外線で伝達することでコントローラのコードレス化を実現。コードレスマルチタップ自体はPCエンジン本体のパッド端子に接続する。コードレスパッドを5本揃えれば5人同時プレイ可能である。受信可能距離は約3mまで。
PI-PD12 コードレスパッド コードレスマルチタップ用のパッド。単四乾電池4本必要。
NAPD-1002 アベニューパッド6 1993年5月28日 6ボタンパッド。ストリートファイターIIの移植に対応する形で登場。
PCE-TP1 アーケードパッド6 1994年6月25日 6ボタンパッド。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ファンの間では「カブトガニ」と言われ親しまれていた。

出典 編集

  1. ^ PCEngine博物館 - ウェイバックマシン(1999年1月16日アーカイブ分)
  2. ^ a b c d e 「PCEngineファミリーに新機種登場 PCEngine CoreGrafix / PCEngine Shuttle」『マイコンBASICマガジン』1990年1月号(第9巻第1号)、電波新聞社、1990年1月1日、60頁。