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神曲奏界ポリフォニカRPG(しんきょくそうかいポリフォニカアールピージー)は、2008年8月にソフトバンククリエイティブGA文庫から出版されたテーブルトークRPGキネティックノベルライトノベルなどメディアミックスを幅広く展開している『神曲奏界ポリフォニカ』シリーズの一つとして発売された。著者は長田崇F.E.A.R.イラストみかきみかこ

目次

概要編集

プレイヤーキャラクターは神曲楽士もしくは精霊のどちらかになって、様々なトラブルを解決する。原作物ではあるが、原作の登場キャラクターたちはノンプレイヤーキャラクターとして脇役に回り、プレイヤーの作成したオリジナルのキャラクターたちが活躍するストーリーが基本となる。

ゲームシステムはF.E.A.R.社が提供している共通システム「スタンダードRPGシステム」(以下、略称の「SRS」で記述)が使用されている。他のSRS作品との互換性が意識されてデザインされており、『アルシャード』と『風の聖痕RPG』に対しては本作と混ぜ合わせて遊ぶためのルールが基本ルールブックに掲載されている。

システム編集

基幹システムにはSRSが採用されており、キャラクターメイキング行為判定はこれに準ずる。

他のSRS作品との互換性は高い。特に同じ現代物である『風の聖痕RPG』とは、絆判定などに多くの共通点を持つ。

キャラクターメイキング編集

プレイヤーキャラクターはキャラクタークラスを3つまで選択することで、おおまかなアウトラインが決定される。これはSRSの標準のキャラクター作成ルールである。

ただしクラスは、プレイヤーキャラクターが神曲楽士か精霊かのどちらかを表す奏界クラスと、その生き方や設定などを表すスタイルクラスとに分けられ、奏界クラス1種類と任意のスタイルクラスを選択することとなっている(スタイルクラスは選ばなくてもよい)。クラスの一覧については神曲奏界ポリフォニカRPG#キャラクタークラスを参照。

また、クラスの他にもライフパスによりキャラクターはその経歴を簡易的に設定できる。ライフパスは後述する「コネクション」の取得にも関係する。

なお、キャラクターメイキングの際、クラスの選択までも完全にランダムに作ることができるルールもある。原作を知らないためクラスのイメージがあまりつかないときなどに有用である。

行為判定編集

行為判定2D6による上方判定、つまり出目が大きいほど良いとする方式が使われている。これはSRSの標準のルールである。

フォーカスシステム編集

フォーカスシステムは、サイコロを一回振るだけで成否を決定するのは臨場感が足りないようなシチュエーションで使われる特別な行為判定である。

フォーカスシステムは行為判定を複数回行い、その結果を累積することで、特定の行為が成功したか失敗したかが判断される。フォーカスシステムにおける個々の行為判定は「部分判定」と呼ばれる。部分判定は通常の行為判定と同じように行うが、1ラウンドにつき一人が一回しか行えない。そして部分判定の結果(達成値)と部分判定の目標値との差分からFS値というものが求められる(純粋な差分値ではなく、専用のチャートに当てはめる)。判定が失敗するとFS値はマイナスの値をとることもある。フォーカスシステムでは「規定された終了条件が満たされるまでに、一定のFS値が累積されれば、判定が成功した」とみなされる。また、FS値が一定以上たまるとイベントが発生し、部分判定の内容が途中で変化したり、別の判定が挿入されるするようなこともある。

フォーカスシステムを使えば「特定地点までの抜きつ抜かれつのカーチェイス」、「せまりくる時間制限の中で時限爆弾を解体する」、「街中をかけずりまわって情報を集める」などの累積的な行動が必要になるアクションを再現しやすくなり、また、戦闘シーンに組み込みやすいことから「戦闘中に相手を説得する」などのシチュエーションもより臨場感を持って再現することができるようになっている。

戦闘ルール編集

SRSプラグインとして「エンゲージ」の概念が実装されている。

また、『神曲奏界ポリフォニカRPG』では通常、ヒットポイントが0になっても戦闘不能になり行動が不能になるだけで即死はしない。この戦闘不能状態は戦闘終了時になれば自動的に回復する他、アイテムや特技でも回復ができる。

ただし、この戦闘不能状態で敵が殺意をもって「止めを刺す」と宣言すればキャラクターは死亡する。「止めを刺す」と言う行動は1ラウンドを消費する行動なため、敵を確実に殺すか、とりあえず戦闘不能にしておいて残りの敵を倒すのを優先するかの選択は戦術的に強い意味を持つ。

シナリオの進行編集

シナリオの進行にはシーン制が採用されている。 また、1回のセッションはオープニング、ミドル、クライマックス、エンディングの4つのフェイズに分けられ、1回のセッションで1本のシナリオを確実に消化することを目指す仕組みになっている。これはSRS標準のルールである。

コネクション編集

「コネクション」とはプレイヤーキャラクターが特定の他者に対して持つ特定の感情をデータとして表したものである。【親愛:タタラ・フォロン】などのように記述する。

「コネクション」はキャラクターメイキングで選んだライフパスによってNPC3人に対して取得することができる。また、ゲームプレイ(セッション)の開始時に他のプレイヤーキャラクター一人に対して取得する。これらのコネクションはプレイヤーが対象となる他者や感情を任意に決めることができる。

セッション中にはゲームマスター(GM)がプレイヤーキャラクターに対してコネクションを与えることもできる。これはGMがプレイヤーキャラクターの感情を一方的に指定することができるルールであり、GMがシナリオに展開を誘導したいときに便利である。プレイヤーはGMから与えられたコネクションの感情や対象が意に沿わないときはコネクションの受け取りを拒否しても良い。ただし、コネクションは持てば持つほどキャラクター強化に有利に働くため(後述する「絆効果」を参照)、効率性のみで言うならば受け取っておいた方が得である。

このようなコネクションをプレイヤーキャラクターは合計で七つまで取得できる。

コネクションと絆効果に関するルールは風の聖痕RPGとほぼ同じものとなっているが、精霊契約については本作独自の要素である。

絆効果編集

全てのプレイヤーキャラクターは、取得しているコネクション1つにつき、1回の「絆効果」をいつでも使うことができる。「絆効果」はプレイヤーキャラクターに劇的で有利な状況を作り出す能力のことでいわゆるヒーローポイントの一種である。キャラクターの人間関係の絆が、力を与えるという演出がやりやすくなっている。

1回の「絆効果」を使用するときは、以下の中から具体的な効果の内容を1つ選択すること。

  • HC状態になる。1シーンに1回しか選べない効果
  • 自身、または他者が行う行為判定の直前に使用し、その判定のクリティカル値を-3する(重ね掛け可、最低値2)。
  • 自身の行為判定をやり直す
  • ダメージを〈神〉属性に変更し、+5D6する。〈神〉属性になったダメージはほとんどのダメージ軽減効果を無視し、ダメージの移し変えもできなくなる。他人のダメージを強化することもできる
  • ヒットポイント(HP)とメンタルポイント(MP)を全回復する。戦闘不能状態やバッドステータスも回復される。1シナリオにつき1回しか選べない効果
  • 精霊契約を行い、契約特技を取得する。

HC状態編集

プレイヤーキャラクターは、絆効果を使うことでいつでも(戦闘不能の状態であっても)「ハイ・コンセントレーション状態(HC状態)」になることができる。HC状態になると以下の特典を得る、

  • 戦闘不能状態が回復する。
  • ヒットポイントが【体力】値以下の場合は【体力】値まで回復する。
  • 特技を使用するときにメンタルポイントなどの代償を支払う必要がなくなる。
  • ヒットポイントが通常の手段(特技やアイテムなど)では回復しなくなる。
  • HC状態のときにヒットポイントもしくはメンタルポイントが0になったら戦闘不能にならずに即死する。(メンタルポイントが0で死亡するのは精霊のみ)

精霊契約編集

奏界クラスが神曲楽士のプレイヤーキャラクターと奏界クラスが精霊のプレイヤーキャラクターは、互いが持つ相手へのコネクションを双方が消費することで精霊契約を結ぶことができる。精霊契約が結ばれた場合、契約特技と呼ばれる非常に強力な特技を双方のキャラクターが使用できるようになる。

なお、精霊は一人の楽士としか契約できないが、楽士は複数の精霊と契約できる。

世界設定編集

榊一郎によるクリムゾン・シリーズの舞台である将都トルバスを基本的な舞台としている。ブラック・シリーズぶるう・シリーズなど、クリムゾンと同時代を舞台にしている作品の設定も再現可能。

キャラクタークラス編集

  • 奏界クラス
    • 神曲楽士(しんきょくがくし) - 単身楽団と呼ばれる機械を駆使し、精霊に力を与える「神曲」を奏でることができる特殊技能者たちのこと。神曲楽士のクラスにはアスペクトといわれる8種類の下位分類があり、そこから一つを選択する必要がある。アスペクトにより能力値、ライフパス、得意な特技、などが変わる
    • 精霊 - この世界に存在する精神生命体。人間たちの善き隣人と理解されており、人間にはない様々な特殊能力を使うことができる。精霊のクラスには神曲楽士と同じくアスペクトによる下位分類がある
  • スタイルクラス
    • イノセント - 無垢ゆえに助力を受け、また助力の手をさしのべる者であることをあらわす。
    • エルダー - 長命な存在であったり、年長者であることを表すクラス
    • グラップラー - 格闘家であることを表すクラス
    • ジーニアス - 生まれついての天才であることを表すクラス
    • チェイサー - 乗り物を操ることに長けたクラス
    • ノーブル - 高級な装備、高貴な精神の持ち主であることをあらわすクラス

作品一覧編集

関連項目編集

外部リンク編集