電気通信情報理論において、前方誤り訂正符号における符号率[1]符号化率[2](ふごうりつ・ふごうかりつ、英語: code rate)または情報レート(じょうほうレート、英語: information rate[3])とは、有用な(非重複の)データ流の割合である。すなわち、符号率が k/n であれば、有用情報の k ビットごとに、符号器は合計で n ビットのデータを生成する。ここで、 n-k ビットは余剰ビットとなる。

R総ビット速度(冗長誤り符号を含む。データ信号速度[4]ともいう)である場合、正味ビット速度(誤り訂正符号を除く有効ビット速度)は R•k/n 以下である。

例えば、畳み込み符号の符号率は、典型的には 1/2, 2/3, 3/4, 5/6, 7/8, ... などであり、それぞれ1ビットの冗長ビットが1ビットごと、2ビットごと、3ビットごと、... に挿入されていることに相当する。RS(204,188)で示されるリード・ソロモン符号の符号レートは188/204であり、これは188ビットの有用情報の各ブロックに204 - 188 = 16の冗長ビットが追加されたことを意味する。

いくつかの誤り訂正符号は固定の符号レートを持たない(レートレス消失符号英語版)。

bit/sは、情報率(誤り訂正符号を除いた正味ビット速度(有用ビット速度)と同義)の測定のより広範な単位であることに留意されたい。

関連項目 編集

脚注 編集

  1. ^ 神林 2015.
  2. ^ 鈴木 2013.
  3. ^ Huffman, W. Cary, and Pless, Vera, Fundamentals of Error-Correcting Codes, Cambridge, 2003.
  4. ^ JISX0009 1997, 用語番号09.05.18.

参考文献 編集

  • DouglasE.Comer 著、神林靖 訳『コンピュータネットワークとインターネット 第6版』翔泳社、2015年。ISBN 9784798138084https://books.google.com/books?id=T28qCgAAQBAJ&pg=PA1382020年2月27日閲覧 
  • 鈴木 陽一ほか「集合分割法を用いた8PSK符号化変調のLDPC符号化率最適化に関する一検討 (衛星通信)」『電子情報通信学会技術研究報告』第113巻第193号、一般社団法人電子情報通信学会、2013年8月29日、7-12頁、ISSN 0913-56852020年2月27日閲覧 
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