組合せ範疇文法
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組合せ範疇文法(くみあわせはんちゅうぶんぽう、英: combinatory categorial grammar、CCG、組み合わせ範疇文法とも)とは、形式主義言語学の統語論の理論である。語彙化文法[注 1]の一種であり[1]、統語構造や意味情報が予め辞書(英: lexicon)に記述されていると[2]。古典的範疇文法に関数合成規則を取り入れたものである[3][4]。
その仕組は、範疇(カテゴリ)に対して繰り返し関数を適応することによって文を構築するものである[4]。また、意味論において統語構造に対応するラムダ関数を適応し、意味表現を導出している[4]。この文法を適用することで、等位接続構造をうまく説明できる[1][3]。
その弱生成能力は、文脈自由文法と文脈依存文法の中間に位置し、自然言語の文法記述に適しているとされている[3]。近年では、自然言語処理において、CCGが応用された漸進的な意味解析なども行われている[5]。
歴史
編集カジミエシュ・アイドゥキエヴィチ、イェホシュア・バル=ヒレル(英語: Yehoshua Bar-Hillel)らの古典的範疇文法に遡り、マーク・スティードマン(英語: Mark Steedman)やアンナ・サボルチ(英語: Anna Szabolcsi)によって発展した。
形式
編集基本的にカテゴリが以下のものである[4]。
- 原始カテゴリ(atomic category)
- (名詞)・ (文)
- 複合カテゴリ(complex category)
- 他のカテゴリから合成される。 、 をカテゴリとすると、 や 。
参考文献
編集- Mark Steedman (1996). Surface Structure and Interpretation
- Mark Steedman (2001). The Syntactic Process. The MIT press
脚注
編集出典
編集- ^ a b 戸次大介「第2章 組合せ範疇文法(CCG)」『日本語文法の形式理論:活用体系・統語構造・意味合成』くろしお出版〈日本語研究叢書(フロンティアシリーズ) 24〉、2010年。
- ^ 富田朝、谷中瞳、戸次大介「言語学的に妥当なCCGツリーバンク構築の試み」『2023年度 人工知能学会全国大会(第37回)論文集』2023年。
- ^ a b c 高橋直人、一杉裕志、竹内泉「組合せ範疇文法によるドイツ語文の原因・結果関係の意味表示」『言語処理学会 第29回年次大会 発表論文集』2023年3月。
- ^ a b c d 二宮崇「組合せ範疇文法(CCG) (1)」『平成25年度 人工知能特論II料』〈愛媛大学 講義資料〉2013年3月 。
- ^ 加藤芳秀、松原茂樹「組合せ範疇文法に基づく漸進的な意味解析」『言語処理学会 第20回年次大会 発表論文集』2014年3月。